新NISAの金額変更の方法は、楽天証券の場合は公式サイトから積立設定画面を開き、金額を入力すれば良い。年2回まで指定した月に追加で積立をする「ボーナス設定」も同じ設定画面で行う。
新NISAの金額変更やボーナス設定は、いつでも何回でも変更できるが、いつまでに行うかは金融機関によって異なる。
楽天証券は、証券口座の場合は「積立指定日の前営業日」、楽天カードクレジット決済または楽天キャッシュなら「前月の12日」だ。ボーナス設定をするなら、増額したい月の「積立指定日の前営業日」までである。
(公式サイト)
新NISAの金額変更のデメリットは、減額や停止をすると運用益が減る可能性があることだ。
収入の減少や支出の増加などで、これまで通りの金額を積み立てられない場合は、まずは固定費の見直しをし、積立金額を確保できないか検討してみよう。それでも金額が捻出できない場合は、減額、停止の順に検討していくと良いだろう。
2024年から始まった新NISAのつみたて投資枠では、積立金額の上限額が大幅に拡大し、年120万円(月10万円)となり、旧つみたてNISAの年40万円(月3万3,333円)の3倍になりました。
これまでつみたてNISAで上限まで積み立てていて、まだ余力がある人は、積立金額の増額を検討してみましょう。
竹国弘城(ファイナンシャル・プランナー)
つみたて投資枠の 取扱銘柄数 |
218本 | 213本 | 217本 | 217本 | 221本 |
成長投資枠の 投資信託の 取扱銘柄数 |
1,155本 | 1,114本 | 1,101本 | 968本 | 1,035本 |
クレカ積立の ポイント還元率 |
0.5~5.0% | 0.5~1.0% | 1.1%(※1) | 1.0% | - |
クレカ積立で貯まる ポイント |
Vポイント | 楽天ポイント | マネックス ポイント |
Pontaポイント | - |
積立頻度 | 毎月 毎週 毎日 |
毎月 毎日 |
毎月 毎日 |
毎月 | 毎月 毎日 |
最低投資金額・ 投資単位 |
100円以上 1円単位 |
100円以上 1円単位 |
100円以上 1円単位 |
100円以上 1円単位 |
100円以上 1円単位 |
詳細はこちら 公式サイトへ |
詳細はこちら 公式サイトへ |
詳細はこちら 公式サイトへ |
詳細はこちら 公式サイトへ |
詳細はこちら 公式サイトへ |
目次
(公式サイト)
新NISA(積立NISA)の金額変更の方法は?楽天証券のやり方を解説!
新NISAの金額変更の方法は、楽天証券の場合、公式サイトから積立設定画面を開き、金額を入力すれば良い。
SBI証券など、楽天証券以外のネット証券での金額変更のやり方も基本的には同じだ。
(公式サイト)
(1)投信積立設定画面を開く
楽天証券のWEBサイトにログイン後、「投資信託」>「積立設定」と進み、表示される「積立設定一覧」画面から、変更したい投資信託の「変更」をクリックする。
(2)積立金額を入力する
積立注文(積立設定訂正/受付)画面が表示されるので、「積立金額」に変更したい金額を入力する。
この画面では、積立金額のほか、積立設定日(※1)や口座区分(※2)、ボーナス設定(※3)の変更も可能だ。
※2:NISAつみたて投資枠の場合、口座区分の途中変更不可
※3:楽天キャッシュ決済、楽天カードクレジット決済の場合、ボーナス設定は不可
なお、証券口座や楽天カードクレジット決済などの引落方法や分配金コースの途中変更はできない。変更するには、積立設定を一度解除して新たに設定を行う必要がある。
金額を入力後「内容確認へ」をクリックし、変更内容確認画面へ進む。
(3)内容を確認して変更完了
変更内容と設定変更の適用日を確認する。
内容に間違いがなければ、取引暗証番号を入力し、「設定する」をクリックして変更を完了する。
これで積立金額の変更は完了だ。
(公式サイト)
楽天証券の新NISA(積立NISA)のボーナス設定のやり方
楽天証券の新NISAのボーナス設定の方法は、新たな積立と同時に行う場合は、設定ページで「ボーナス設定」の項目に金額を入力、既存の積立に追加する場合はファンドの設定変更ページで行う。
ボーナス設定とは通常の積み立てとは別に、年2回まで指定した月に追加で増額を行う設定のことだ。
毎月の給料から積み立てに回せる金額は限られていますが、ボーナス月ならまとまった金額を投資できます。ボーナス設定は、そんなときに役立つ機能です。
竹国弘城(ファイナンシャル・プランナー)
楽天証券では、「証券口座(楽天銀行マネーブリッジ)」または「その他金融機関(口座引落)」を利用し、毎月積立を行う場合にボーナス設定ができる。
楽天証券で「新たな積立設定と同時に申し込む場合」と「既存の積立設定に追加する場合」のボーナス設定方法を確認しておこう。
(公式サイト)
(1)新たな積立設定と同時にボーナス設定を申し込む場合
サイトにログイン後、「投資信託」>「投信スーパーサーチ」と進み、積立設定、ボーナス設定をしたいファンドを探して詳細ページを開く。
投信スーパーサーチの「取引種別」で「NISAつみたて投資枠」を選択すれば、つみたて投資枠対象ファンドの一覧が表示される。ポイント還元率や投資対象地域など、詳細な条件を指定して絞り込みも可能だ。
ファンド詳細画面の、「積立設定」>「NISAつみたて投資枠」を選択し、積立注文画面を開く。
積立注文画面では、まず毎月の「積立金額」を入力する。
楽天証券では「毎日積立」も可能だが、ボーナス設定をする場合は選択できない。
積立頻度の設定は「毎月」がデフォルトになっているため、変更しなくてよい。「+ボーナス設定を追加する」をクリックすると、ボーナス設定画面が開く。
指定月(積立金額を上乗せしたい月)と、設定金額(1回あたりの上乗せ額)を入力する。
分配金コースは「再投資型」か「受取型」のどちらかを選択する。デフォルトは再投資型になっている。
新NISAでの積立は長期投資が向いているため、運用効率があがる「再投資型」を選択したほうが良いでしょう。
竹国弘城(ファイナンシャル・プランナー)
「目論見書の確認へ」をクリック。「未閲覧の書面を確認する」のボタンから、目論見書を閲覧する。閲覧後、「同意して次へ」をクリックする。
「引落設定」画面へ移る。
ボーナス設定を利用する場合、引落方法には「証券口座(楽天銀行マネーブリッジ)」または楽天証券口座と同一名義の「金融機関口座からの引き落とし」を選ぶ必要がある。
引落方法を選んだら、「積立指定日」を指定する。
「証券口座(楽天銀行マネーブリッジ)」の場合は毎月1日から28日のなかから、「その他金融機関」の場合は毎月7日または24日のどちらかを選択できる。
ボーナス積立分は通常積立と同日に行われるため、月の指定のみで、別途積立指定日は不要だ。
引落方法の設定が完了したら、設定内容と初回買付日の確認画面に進む。内容に間違いがなければ「取引暗証番号」を入力し、「設定する」をクリックすれば設定は完了だ。
(2)既存の積立設定にボーナス設定を追加する場合
既存の積立設定の引落方法が「楽天キャッシュ(電子マネー)」または「楽天カードクレジット決済」の場合、ボーナス設定の追加はできない。
楽天証券では、積立設定の引落方法を途中で変更できないためだ。
楽天キャッシュと楽天カードクレジット決済の引落方法を設定している場合は、積立設定を一度解除し、ボーナス設定を含めて新たに積立設定を行う必要がある。
設定の解除は、サイトにログイン後、「投資信託」>「積立設定」と進んで積立設定一覧画面を開き、解除したいファンドの「解除」ボタンから手続きできる。
既存の積立の引落方法が「証券口座(楽天銀行マネーブリッジ)」または「その他金融機関(口座引落)」であれば、変更手続きによりボーナス設定の追加が可能だ。
変更手続きは、まずサイトにログイン後、「投資信託」>「積立設定」と進んで積立設定一覧画面を開き、ボーナス設定を追加したいファンドの「変更」クリックする。
積立設定の訂正画面で、ボーナス設定「する」を選択し、金額と指定月を入力する。
設定内容を入力完了後、暗証番号を入力し「設定する」をクリックすればボーナス設定は完了だ。
(公式サイト)
新NISAの金額変更は途中でできる?
金融機関や積立頻度によって、設定可能金額、ボーナス設定の可否が異なるので注意しよう。
主な金融機関の「積立頻度」「設定可能額(上限額・設定単位)」「ボーナス設定の可否」は、下表のとおりだ。
金融機関 | 三菱UFJ銀行 | ゆうちょ銀行 | ||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
積立頻度 | 毎月 | 毎週 | 毎日 | 毎月 | 毎日 | 毎月 | 毎日 | 毎月 | 毎日 | 毎月 | 毎月 | 毎月 | 毎月 | 毎月 |
積立1回 あたりの 上限額 |
10万円 | 2万3,076円 (※1) |
4,858円 (※1) |
10万円 | 5,000円 | 10万円 | 月額指定 のみ可能 (月10万円) |
10万円 | 4,800円 | 10万円 | 10万円 | 10万円 | 10万円 | 10万円 |
設定単位 | 100円以上 1円単位 |
100円以上 1円単位 |
100円以上 1円単位 |
100円以上 1円単位 |
100円以上 1円単位 |
1,000円以上 1,000円単位 |
1,000円以上 1,000円単位 |
1,000円以上 1円単位※2 |
1,000円以上 1,000円単位 |
|||||
ボーナス 設定可否 |
○ | ○ | ○ | ○ | × | ○ | ○ (月額指定) |
○ | × | ○ | ○ | × | × | ○ |
公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
SBI証券や楽天証券など大手ネット証券では、100円以上1円単位で金額を設定でき、毎月10万円まで積立可能だ。積立頻度は毎月のほか、金融機関によっては毎日や毎週も選べる。
銀行や総合証券(対面証券)では、毎月積立で、1,000円以上1,000円単位の設定としているところが多い。
(公式サイト)
楽天証券の新NISAの金額変更はいつまでに行えばいい?ボーナス設定は何日前まで?
楽天証券の金額変更手続きの締切日は、証券口座の場合は「積立指定日の前営業日」、楽天カードクレジット決済または楽天キャッシュなら「前月の12日」だ。
楽天証券でボーナス設定をするには、増額したい月の「積立指定日の前営業日」までに手続きを行う。
金額変更の申込締切日は、金融機関や決済方法によって異なる。締切日を過ぎてから申し込んだ場合は、次の買付けに間に合わず、変更はその次の買付けから反映される点に注意が必要だ。
楽天証券の手続きの締め切りについて詳しくみていこう。
楽天証券の金額変更はいつまで?
楽天証券の金額変更手続きの締切日は、証券口座からの積立なら「積立指定日(投資信託買付日)の前営業日」、楽天カードクレジット決済または楽天キャッシュでの積立なら「前月の12日」だ。
楽天証券の証券口座から積立を行う場合、金額変更手続きの締切日は「投資信託買付日の前営業日」だ。
上図のように16日(月)が投資信託の買付日の場合、その前営業日にあたる13日(金)が変更申込み(積立設定)と買付代金入金の締切日になる。
楽天カードクレジット決済で積立を行う場合、金額変更手続きの締切日は「前月の12日」だ。
3月から積立額を変更したいなら、2月12日までに手続きが必要になる。
楽天キャッシュで積立を行う場合も、変更手続きの締切日はクレジットカード決済と同じ「前月の12日」である。
楽天証券の増額設定はいつまで?
楽天証券でボーナス設定をするには、増額したい月の「積立指定日(投信買付日)の前営業日」までに手続きが必要だ。
なお、楽天カードクレジット決済または楽天キャッシュ(電子マネー)を使った積み立てと、毎日積立ではボーナス設定ができない。
ボーナス設定ができるのは、証券口座(楽天銀行マネーブリッジ)または金融機関口座からの毎月積立のみである。
(公式サイト)
新NISA(積立NISA)で減額・増額するとどうなる?
新NISAの積立金額を変更すると、将来の運用成果にも影響する。例えば、20年間、毎月1万円ずつ積み立てた場合の運用資産額は約411万円になる。6〜20年目を毎月3万3,333円に増額すると約1,035万円、6〜20年目を毎月5,000円に減額すると約277万円になる。
減額・増額した場合の20年後をシミュレーション
当初月1万円で積立投資を始め、運用期間中の利回りが年5%で一定だったと仮定して20年間投資した場合の運用成果を3つのパターンでシミュレーションする。各パターンの試算条件と20年後の運用成果(運用資産額)は下表の通りだ。
試算条件 | 20年後の運用成果 (運用資産額) |
|
---|---|---|
パターン1 | 金額の変更なし (1〜20年目:月1万円) |
約411万円 |
パターン2 | 5年後に3万3,333円に増額 (1〜5年目:月1万円、 6〜20年目:月3万3,333円) |
約1,035万円 |
パターン3 | 5年後に5,000円に減額 (1〜5年目:月1万円、 6〜20年目:月5,000円) |
約277万円 |
運用資産額の推移
金額変更なし | 5年後に増額 | 5年後に減額 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
1〜20年目:月1万円 | 1〜5年目:1万円 6〜20年目:3万3,333円 |
1〜5年目:1万円 6〜20年目:5,000円 |
||||
累計額 | 運用資産額 | 累計額 | 運用資産額 | 累計額 | 運用資産額 | |
5年目 | 60万円 | 68万円 | 60万円 | 68万円 | 60万円 | 68万円 |
10年目 | 120万円 | 155万円 | 260万円 | 314万円 | 90万円 | 121万円 |
15年目 | 180万円 | 267万円 | 460万円 | 630万円 | 120万円 | 190万円 |
20年目 | 240万円 | 411万円 | 660万円 | 1,035万円 | 150万円 | 277万円 |
20年間の 運用益 |
171万円 | 375万円 | 127万円 |
今回のケースでは、積立金額を1万円のまま変更しなかった場合と、5年後に3万3,333円に増額した場合で、20年後の運用資産額に624万円の差がつく。投資額自体が増えた影響もあるが、利益で比較しても増額したほうが200万円以上多い。
また、5年後に半分(5,000円)に減額した場合、20年後の運用資産額は、金額を変更しなかった場合に比べて134万円少なく、利益は44万円減る。
減額・増額は将来の運用成果に影響する
新NISAを活用した積立投資では、利益を引き出さずに再投資することによって「複利効果」が発揮され、資産を効率よく増やせる。
運用利回りが同じ場合、利益は投資額に比例するため、金額を変更すると将来の運用成果に影響する。投資期間が長いほど大きな複利効果が期待できるため、増額するならなるべく早い時期に行ったほうが有利だ。逆に、運用初期に減額してしまうと、複利効果は弱まってしまう。
当初月1万円で投資を始め、5年後に月3万3,333円に増額した場合と、10年後に月3万3,333円に増額した場合の運用資産額の推移は下のグラフのようになる(運用期間中の利回りが年5%で一定だったと仮定)。
運用資産額の推移
金額変更なし | 5年後に増額 | 10年後に増額 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
1〜20年目:月1万円 | 1〜5年目:1万円 6〜20年目:3万3,333円 |
1〜5年目:1万円 11〜20年目:3万3,333円 |
||||
累計額 | 運用資産額 | 累計額 | 運用資産額 | 累計額 | 運用資産額 | |
5年目 | 60万円 | 68万円 | 60万円 | 68万円 | 60万円 | 68万円 |
10年目 | 120万円 | 155万円 | 260万円 | 314万円 | 120万円 | 155万円 |
15年目 | 180万円 | 267万円 | 460万円 | 630万円 | 320万円 | 426万円 |
20年目 | 240万円 | 411万円 | 660万円 | 1,035万円 | 520万円 | 773万円 |
20年間の運用益 | 171万円 | 375万円 | 253万円 |
楽天証券の新NISAの概要
積立頻度 | つみたて投資枠 取扱銘柄数 |
最低金額 | 単位 | ボーナス設定 | ポイント還元 | クレカ 投信積立 |
おすすめ ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|---|
毎日 毎月 |
222本 | 100円 | 1円 | ○ | 楽天ポイント | ○ 楽天カード |
最大月15万円まで投信積立に キャッシュレス決済が利用でき、 ポイント還元を受けられる |
新NISAつみたて投資枠の投資上限額拡大に伴って法改正が行われ、クレジットカード決済による投信積立を取り扱うネット証券各社で、カード決済による上限金額が月10万円に引き上げられた。
楽天証券では、楽天カードクレジット決済のほか、楽天キャッシュによる投信積立にも対応している。
この2つの決済方法は、併用が可能だ。楽天カードクレジット決済で月10万円、楽天キャッシュで月5万円、あわせて15万円までキャッシュレス決済で投信積立ができ、積立金額に対してポイント還元が受けられる。
つみたて投資枠の積立金額の上限は月10万円であり、月10万円以上の積み立てを行うには、成長投資枠も利用する必要があります。
竹国弘城(ファイナンシャル・プランナー)
楽天証券の新NISAは、楽天カードや楽天キャッシュを使って買付けができ、決済額に対して楽天ポイントが貯まる。
楽天カードクレジット決済のポイントの還元率は、利用するカードの種類や購入するファンドによって異なる。
カード種類 | カード年会費 (税込) |
ポイント還元率 | 年間付与ポイント (※2) |
|
---|---|---|---|---|
楽天証券の 受取手数料が 年率0.4%以上 のファンド |
楽天証券の 受取手数料が 年率0.4%未満 のファンド |
|||
楽天プレミムカード | 1万1,000円 | 1.0% | 1.0% | 1万2,000 ポイント |
楽天ゴールドカード | 2,200円 | 0.75% | 9,000 ポイント |
|
楽天カード | 0円 | 0.5% | 6,000 ポイント |
|
楽天キャッシュ | − | 一律0.5% ※1 | 3,000 ポイント |
投信積立用に楽天カードを作ることを考えている場合、カードの年会費を考慮すると、楽天プレミアムカードよりも、楽天ゴールドカードや楽天カードのほうが手残りは多くなる。積立金額が少ないと、付与されるポイントより年会費のほうが高くつき、むしろ損することもある。
買い物などでの利用状況にもよるが、投信積立での利用がメインであれば、わざわざ楽天プレミアムカードを使う必要性は低いでしょう。
竹国弘城(ファイナンシャル・プランナー)
(公式サイト)
新NISAの金額変更のデメリット・注意点
新NISAの金額変更は、減額と増額、そのいずれにもデメリットがある。減額のデメリットは運用益が減る可能性がある点だ。一方、増額のデメリットは、損失が拡大する可能性があるところだ。
減額のデメリット
運用利回りが同じであれば得られる運用益は投資した金額に比例する。せっかく運用がうまくいっても、少額しか投資していなければ、当然、得られる利益も少なくなってしまう。
月1万円と3万円を20年間運用し、その期間中の利回りが年5%で一定だったと仮定すると、得られる利益は、月1万円ずつ積み立てた場合で約171万円、月3万円の場合では約513万円だ。
同じ期間、同じように運用しても、金額の違いによって利益に約342万円の差がつくことがわかる。
増額のデメリット
ここまでのシミュレーションでは、運用期間中の利回りが常にプラスであると仮定した。
しかし、新NISAつみたて投資枠の投資対象はすべて元本保証のない投資信託であり、利回りがマイナス、つまり損失が出ることもある。
同じ期間、同じ商品に投資した場合、金額が多いほど値下がりしたときの損失額も大きくなる。
つみたてNISAはあくまで投資であり、当面使う予定のない余裕資金かつ自分が許容できる損失(リスク)の範囲内で行うものだということを忘れないようにしましょう。
竹国弘城(ファイナンシャル・プランナー)
損失を出すリスクを抑えるには、新NISAが基本とする「長期・分散・積立投資」が有効に働く。
次の図は資産と地域を分散して投資を行った場合の運用実績を、保有期間5年と20年で比較したものだ。
※1985円から2020年の各年に、毎月同額ずつ国内外の株式・債券の買付けを行ったもの。各年の買付け後、保有期間が経過した時点での時価をもとに運用結果および年率を算出(運用管理費用は計算に含まず)。過去の実績をもとに算出した結果であり、将来の投資成果を予測・保証するものではない。
保有期間5年では投資を始めるタイミングによって元本割れをすることもある。しかし、保有期間20年ではいつ投資を始めても最終的なリターンはプラスとなっており、長期・分散・積立投資によって損失(元本割れ)のリスクが軽減されていることがわかる。
長期・分散・積立によるリスク軽減効果は途中で商品を売却したり、投資をやめたりすると弱まってしまうため、短期的な値動きに一喜一憂せず、長く続けることが大切です。
竹国弘城(ファイナンシャル・プランナー)
金額変更(減額・増額)の注意点
投資商品が値下がりしているときは増額して多く買付け、値上がりしているときは減額して買付けを減らしたいという人もいるかもしれない。金額の変更がうまくいけば投資成果(リターン)を高められるだろう。
しかし、新NISAのつみたて投資枠では相場の状況にあわせた金額の変更はおすすめできない。値動きを予想できるならよいが、多くの人にとってそれは難しいからだ。
そもそも新NISAのつみたて投資枠は、同じ金額ずつ定期的に買付けを行う「定額の積立投資」を基本としており、金額を変更しなくても値下がりしているときは多く買付け、値上がりしているときは少なく買付ける仕組みになっている。
下表の例では、毎月の買付金額(積立金額)は一定だが、投資信託の基準価額の変動によって毎月の買付数量が変わり、2ヵ月目の値下がりしたタイミングでは多く買付け、3ヵ月目の値上がりしたタイミングでは少なく買付けられている。
1ヵ月目 | 2ヵ月目 | 3ヵ月目 | |||
---|---|---|---|---|---|
投資信託の基準価額 (1万口あたり) |
1万円 | 8,000円 | 12,000円 | ||
買付金額 | 3万円 | 3万円 | 3万円 | 【買付総額】 9万円 |
【平均購入単価 (1万口あたり)】 約9,730円 |
買付数量 | 3万口 | 3万7,500口 | 2万5,000口 | 【買付総数】 9万2,500口 |
この仕組みを「ドルコスト平均法」といい、平均購入単価が平準化され、長期的な運用成果が安定する効果を期待できる。
ドルコスト平均法は、積立金額を「常に一定」に保つことで成り立つ仕組みであり、金額を頻繁に変更してしまうと効果が損なわれてしまう。
よくあるQ&A
たとえばSBI証券の場合は、現金決済であれば「積立指定日の前営業日」まで、三井住友カード決済であれば「前月の10日」までである。
楽天証券の場合は、現金決済であれば「投資信託買付日の前営業日」まで、楽天カードクレジット決済または楽天キャッシュなら「前月の12日」までだ。
証券口座からの引き落としの場合は積立指定日の前営業日、楽天カードクレジット決済・楽天キャッシュ決済の場合は前月12日だ。
楽天カードクレジット決済と楽天キャッシュ決済は、毎月12日が翌月の変更締切日のため、例えば2月の購入から金額を変更したい場合は、1月12日までに変更を完了しておかなければならない。
新NISAで運用している商品を途中で売却した場合は、売却代金が証券口座に振り込まれる。新NISAでは、売却した商品分の非課税投資枠が翌年以降に復活し、新たな買付けに利用できる。
新NISA口座自体を解約(抹消)する場合は、非課税口座の廃止手続きが必要だ。
証券口座からの引き落としの場合は積立指定日の前営業日、楽天カードクレジット決済・楽天キャッシュ決済の場合は前月12日だ。
楽天カードクレジット決済と楽天キャッシュ決済は、毎月12日が翌月の変更締切日のため、例えば2月の購入から金額を変更したい場合は、1月12日までに変更を完了しておかなければならない。
より多くの方がお金について自ら考え行動できるよう、家計改善や住宅購入、資産形成、相続など、お金に関するコンサルティング、大手金融機関や各種メディアでの執筆・監修を行う。RAPPORT Consulting Office代表。
■保有資格
1級ファイナンシャルプランニング技能士
CFP®︎
一種証券外務員
サウナ・スパプロフェッショナル
【関連記事】
・ネット証券NISA口座ランキングTOP10!
・つみたてNISA(積立NISA)の口座ランキングTOP10
・初心者向け「つみたてNISA」の始め方を3ステップ解説!
・>つみたてNISA(積立NISA)の銘柄で最強な投資信託はどれ?
・つみたて(積立)NISAの商品の選び方と失敗しない変更方法
・初心者向けネット証券ランキング