「ネット証券」ではお金のやり取りがネット上で完結されるため、セキュリティ面に不安を感じることもあるだろう。ネット証券で実際に行われているセキュリティ対策や危機回避のため自分でできる対策を紹介する。
目次
1,ネット証券の堅牢なセキュリティ体制
ネット証券では通常、SSL/TLSと呼ばれる暗号化技術を採用している。
こうしたSSL/TSLプロトコルを採用しているサイトでは、URLが「https」で始まり、アドレスバーには鍵マークが、鍵マークをクリックするとSSL証明書情報が表示されるので、確認してみるとよいだろう。
さらに、主要ネット証券では「EV SSL」が導入されているのも安心材料だ。
他にも、マウス操作によるログイン入力も、主要ネット証券では標準になっている。
ログインする際に、ユーザーネームやパスワードを普段どおりキーボードから入力すると、キーボードの情報を盗み取るタイプのスパイウェアの標的となるからだ。
画面上のキーボードをマウスでクリックしてパスワード等を入力させるスパイウェア対策は、ネット証券各社で「セキュリティキーボード」「ソフトウェアキーボード」といった名称で導入されている。
また、ログイン時の本人確認には通常「口座番号」または「ユーザーネーム」と「ログインパスワード」が使われるが、取引を行う際には別途「取引パスワード/暗証番号」も使用することでセキュリティを強化している証券口座も多い。
ログインパスワードや取引パスワード/暗証番号については、各社が顧客に対して定期的な変更を推奨しています。これによって、悪意のある第三者がパスワードを推測して不正にログインするリスクを軽減できるからです。
2,SBI、楽天など代表的なネット証券のセキュリティ対策を紹介
ここまで紹介した基本的な対応以外にも、主要ネット証券では独自のセキュリティ対策をとっている。
中でも特徴的な対策を一部紹介する。
SBI証券―システム障害時にはバックアップサイトで対応
ネット証券でシステム障害が発生してインターネット取引ができなくなった場合、一般的にはコールセンターやシステム障害時専用のフリーコールで注文を受け付ける。
さらに、一定の条件を満たしていれば、パソコン用トレーディングツール「HYPER SBI」も代替手段として利用可能だ。
バックアップサイトやトレーディングツールはメインサイトとは別のデータセンターで管理されており、システム障害時にこのサイトにアクセスすれば、メインサイトと同様に取引できるのが特徴だ。
日頃から主にパソコンで取引する人は、あらかじめバックアップサイトもブックマークに追加しておくと安心でしょう。
さらに、顧客とSBI証券のやりとりは、TLSを用いて暗号化して通信している。
ログイン情報はもちろん、証券内メールの内容や個人情報なども、第三者の目に触れることはない。
楽天証券――「なりすまし」「ID・パスワード盗み取り」防止対策
フィッシング詐欺メールや迷惑メールの多くは送信元への「なりすまし」によって送られている。
DKIMでは、配信メールのヘッダに「dkim=pass」と記載されるので、ユーザーは受信したメールのヘッダで楽天証券からのものであることを確認できる。
ユーザーのログインには、ブロックチェーン技術による分散認証と認証キーを使用した分散認証を取り入れた「セコムあんしんログイン」を導入しており、不正なログインを厳重にチェックしている。
また楽天証券は以前、顧客と楽天証券の二者のみで認証キーをやりとりして本人確認を行っていましたが、現在は第三者機関も入れた三者の認証キーを導入しており、他者の不正ログインをより強力に防げるようになっています。
楽天証券で口座開設するなら、楽天カードを利用するのがおすすめだ。 楽天証券では、楽天カードでの投信の積立や保有でも楽天ポイントが付与される。楽天カードを持っている人はもちろん、まだ持っていない人もこの機会に新規申込すると良いだろう。
楽天カードでは、現在新規カード発行でもれなく5,000ポイントもらえるキャンペーンを実施中だ。
松井証券――不正出金を厳格に回避
松井証券では、パスワードや取引暗証番号の変更の際にも十分な本人確認が必要だ。
マネックス証券――SMSによる二要素認証を導入!
マネックス証券では、 不正出金防止のため、出金時にSMSによる二要素認証のサービスが利用可能となった。
3.実施したい8つの自己セキュリティ対策
ネット証券では顧客の個人情報や資産を保護するために可能な限りのセキュリティ対策を講じているが、万全のセキュリティ体制を整えるには、ユーザー側のセキュリティ対策も欠かせない。
ネット証券を利用するならば、以下に挙げるような自分でできる対策を徹底してほしい。
対策1,ウイルス対策ソフトをインストールする
対策2,徹底したパスワード管理
インターネットバンキングや他のネット証券とパスワードを使い回さないことも大切です。万が一の場合に、被害拡大を防ぐことができます。
対策3,パソコンの使用環境を常に最新に保つ
ブラウザには、128ビットのSSL/TLSをサポートしているMicrosoft Internet Explorer 9.0以降、Safari 7.0以降、Mozilla Firefox最新版、Google Chrome最新版以降を使用しましょう。これによって、ネット証券が導入している高度な認証技術を生かすことができます。
対策4,公共の場での取引を控える
また無料Wi-Fiはセキュリティの設定が甘い場合があり、通信の内容を他人に覗き見られるリスクがあるため十分に気を付けましょう。
対策5,怪しいサイトや不審なメールを閲覧しない
ウイルス感染の恐れがある不審なメールが届いた場合、リンク先にはアクセスせず、すぐに削除しましょう。
対策6,使用しないときは端末の電源をオフにする
対策7,スマートフォンに画面ロックをかける
画面ロックの種類としては、パスワードやパターン認証のほか、指紋や顔を使って認証する方法がある。
指紋や顔は第三者に不正に使用されるリスクが低いため、パスワードやパターン認証と比べて、より強固なセキュリティ対策といえます。
対策8,無線LANのセキュリティ設定を行う
4,ネット証券で情報が漏洩したらどうなるのか?
ネット証券で取引するうちに、万が一ログインIDやパスワードといった個人情報が漏洩すると、どのような被害が発生するのだろうか。
情報漏洩による代表的な被害としては、迷惑メールやDM、勧誘電話の増加などがあり、これをきっかけに対策強化に乗り出す人も多い。
情報漏洩を確認する方法
情報漏洩を確認したらまず何をすべきか?
また、自分がログインしようとした時に、すでに悪意の第三者が不正にアクセスしていた場合は、ただちにネット証券のカスタマーサポートセンターに電話しよう。
補償はどうなっているのか?
口座開設数No1
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投資信託に強い
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米国株が豊富
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5,そもそもネット証券とは?店舗型証券会社との違いを解説
ネット証券とは、口座の開設から取引まですべてオンラインで完結する証券のことだ。
ネット証券の中には小口の売買やポイントを使用した取引ができる業者もあるため、少額から投資を始めやすいのも特徴だ。
ネット証券のメリット
株式や投資信託などの取引を行うためには、手数料が必要だ。
金額や取引回数によって手数料が変わるほか、証券会社によっても金額は異なる。
ネット証券会社の中には、専用のアプリで取引ができるものもある。
証券会社の専用アプリは、取引だけでなく資産の管理や推移の把握にも役立つ。
経済ニュースや銘柄の情報、アナリストの見解などを見られるアプリもあるため、取引に限らず情報収集ツールとして使うことも可能です。
6,代表的なネット証券会社を紹介
ネット証券は多数存在するため、口座開設をする会社を選ぶことも重要だ。セキュリティ対策も行っており、比較的手数料の安いネット証券会社を紹介する。
SBI証券……外国株やポイント投資にも対応
SBI証券では、NISA(ニーサ)やiDeco(イデコ)等、税制優遇を得られる口座を開設することもできる。
SBI証券の取引には、専用サイトのほかスマートフォンアプリも使用できる。
またパソコンで取引を行う際は、専用のツール提供されている。
またSBI証券の特徴としては、比較的利益が狙いやすいIPO株の主幹事を多く引き受けている点が挙げられる。
さらに、国内ETFの現物取引が一部手数料無料である点も見逃せない。
創設年 | 1998年 |
---|---|
口座開設数 | 500万以上 |
預かり総資産額 | 20兆円以上 |
取扱銘柄数 | 4,500銘柄以上 |
SBI証券は、国内株式の売買手数料も安い。
1注文ごとに手数料が発生するスタンダートプランの手数料は以下の通りだ。
一注文の約定代金 | 手数料(税込) |
---|---|
~5万円 | 55円 |
~10万円 | 99円 |
~20万円 | 115円 |
~50万円 | 275円 |
ちなみにSBI証券ではスタンダードプランのほかに、一日あたりの約定金額に応じて手数料が一括で請求されるアクティブプランも提供されている。
一注文の約定代金 | 手数料(税込) |
---|---|
~100万円 | 0円 |
~200万円 | 1,238円 |
~300万円 | 1,538円 |
以降100万円増加ごと | 295円ずつ増加 |
一日の取引が100万円未満に収まることが多い人は、アクティブプランのほうが手数料を抑えられます。一方150万円以上の取引が多い人は、スタンダードプランの方がお得です。
楽天証券……楽天銀行やポイントと連携できる
楽天証券は、楽天市場や楽天銀行などを運営する楽天グループの証券会社です。
楽天証券の魅力は、楽天銀行との口座連携ができるほか、楽天カード決済や楽天ポイントを使用した投資にも対応していることだ。
さらに楽天銀行と連携させることで、取引ごとに楽天ポイントを得ることもできる。
創設年 | 1999年 |
---|---|
口座開設数 | 600万以上 |
預かり総資産額 | 10兆円以上 |
楽天証券の手数料は、「超割コース」と「いちにち定額コース」の2種類から選べる。超割コースの手数料は以下の通りだ。
一回の約定代金 | 手数料(税込) |
---|---|
~5万円 | 55円 |
~10万円 | 99円 |
~20万円 | 115円 |
~50万円 | 275円 |
~100万円 | 535円 |
一回の約定ごとに手数料がとられるのが超割コースである。
3,000万円を超えると一律1,070円(税込)の手数料となるため、高額取引が多い人には向いているだろう。
一方、いちにち定額コースの手数料は以下のようになっている。
一注文の約定代金 | 手数料(税込) |
---|---|
~100万円 | 0円 |
~200万円 | 2,200円 |
~300万円 | 3,300円 |
以降100万円増加ごと | 1,100円増加 |
一日の約定代金合計が100万円未満の人は、いちにち定額コースがお得となる。
松井証券……わかりやすさと安心感・実績がある
松井証券では、提携したクレジットカードを使って投資信託を購入すると、ポイントが貯まる制度を採用している。
貯まったポイントは再投資に使えるほか、他社ポイントやギフト券などの商品と交換できる。
創設年 | 1918年 |
---|---|
口座開設数 | 134万以上 |
預かり総資産額 | 3兆円以上 |
松井証券の日本株現物取引では、未成年含む25歳以下の手数料は無料だ。
これは約定代金が高額になっても変わらない。
若い世代で日本株の取引を盛んに行いたい人は、松井証券を利用すると良いだろう。
ちなみに、26歳以上の手数料は以下の通りである。
一日の約定代金合計 | 26歳以上の手数料(税込) |
---|---|
~50万円 | 0円 |
~100万円 | 1,100円 |
~200万円 | 2,200円 |
以降100万円増加ごと | 1,100円増加 |
1億円超 | 110,000(上限) |
上記手数料はネットでの取引手数料になる。
電話での取引や単元未満株の売却などには別途料金がかかるので注意しよう。
7,ネット証券を利用するなら、自己防衛対策でも手を抜かない
株式などの取引をインターネット経由で行うならば、パスワードの盗難やコンピュータ・ウイルスの感染、フィッシング詐欺などに対する対策は必須だ。
このような悪意ある第三者からの盗難や詐欺などから自分の資産を守るには、ネット証券とユーザー双方による対策が何より重要になる。
ネット証券では顧客の資産を保護するために、最新技術でセキュリティ対策をとっている。
ユーザーもネット証券のセキュリティ対策だけで安心せず、自分でできるセキュリティ対策を徹底させるべきだろう
8,よくある5つのQ&A
ネット証券を利用するのであれば、セキュリティ対策はしっかりしておく必要がある。各証券会社のセキュリティ対策に加えて、ユーザー自身ができる対策も知っておくべきだろう。
2013年より、総合証券とネット証券を使い分けながら、資産運用を開始。2017年から各種WEBサイトのフリーライターとして活動、現在は経済金融系記事を中心に執筆している。
■保有資格
証券外務員一種、二種
投資診断士
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
AFP認定者
2013年より、総合証券とネット証券を使い分けながら、資産運用を開始。2017年から各種WEBサイトのフリーライターとして活動、現在は経済金融系記事を中心に執筆している。
■保有資格
証券外務員一種、二種
投資診断士
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
AFP認定者
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