Macでネット証券各社のツールを使おうとしている40代もいるだろう。だが各社が提供している高機能なトレーディングツールや株価分析ツールにはMacに対応していないものもあるので注意したい。Macに対応しているのはどのネット証券でどんなツールがあるのだろうか。

目次

  1. 1,Mac対応の株取引ツールや各種分析ツールの一覧
  2. 2,Macが使えるネット証券各社のツール
  3. 3,SBI証券と楽天証券の投資ツールを比較
  4. 4, ネット証券のツールを利用するメリット
  5. 5,ネット証券のツールを利用する際に注意すること
  6. 6,Macユーザーは基本ブラウザ版で使うと考えたほうがいい
  7. Mac対応しているネット証券のツールについてよくある5つのQ&A
  8. 実際に株式投資を始めてみる

1,Mac対応の株取引ツールや各種分析ツールの一覧

(画像=Farknot Architect/stock.adobe.com)

主なネット証券ではWindows環境での使用を前提にしていることが多いが、ここではそれぞれのツールがMacに対応しているのかを表にした。

主要ネット証券 株取引ツール・各種分析ツールのMac対応状況一覧

ネット証券会社名 PC用ツール 取引内容 Mac対応状況
(推奨環境)
SBI証券 HYPER SBI 国内株式取引、
先物オプション取引
×
楽天証券 マーケットスピードⅡ 国内株取引・
投資情報
×
マーケットスピード 国内/米国株式取引、日経225先物、
オプション、海外先物、
カバーワラント、投資情報
×
MARKET SPEED
for Mac
国内株式、信用取引、投資情報
(Mac OS Catalina 10.15、
Mac OS Big Sur 11.0
Mac OS Monterey 12.0)
マーケットスピードFX FX取引 ×
楽天FX-WEB
(ブラウザ版)
FX取引
松井証券 ネットストック・
スマート(ブラウザ版)
国内株式、先物、オプション
ネットストック・ハイスピード 国内株式、先物、オプション ×
株価ボード 株価情報、銘柄管理
Mac OS X (10.15) /
Safari 13
QUICK情報 リアルタイム株価、
市況ユースなど
×
QUICKリサーチネット
(ブラウザ版)
リサーチレポート
テーマ投資ガイド テーマ別銘柄検索
(Mac OS 10.12.6
Mac OS X10.3)
チャートフォリオ チャート分析型銘柄検索
(Mac OS X10.3)
松井FP(ブラウザ版) ライフプラン
シミュレーション
NetFxトレーダー・プラス
(ブラウザ版)
FX取引
ネットストックトレーダー 国内株式、先物、オプション、
FX(会員専用)
×
ネットストックトレーダー・
プレミアム(高機能版)
国内株式、先物、オプション、
FX(会員専用)
×
フル板情報(BRiSK for松井証券)
(ブラウザ版)
フル板情報
アクティビスト
追跡ツール
アクティビストの
投資動向

(Mac OS 10.12.6)
マネックス証券 マネックストレーダー 株式、先物、オプション ×
Monex Trader FX
(ブラウザ版)
FX
(Mac OS最新版)
銘柄スカウター
(ブラウザ版)
銘柄分析ツール
マルチボード500
(ブラウザ版)
株価自動更新ツール 〇×
(Mac OS 10.13 以上)
フル板情報ツール 板情報 ×〇
(Mac OS 10.15)
チャートフォリオ
(ブラウザ版)
チャートによる銘柄検索
マーケットボード
(ブラウザ版)
株価情報
マーケットライダープレミアム
(ブラウザ版)
注文、約定確認、
残高照会、投資情報
×
マーケットライダー
(ブラウザ版)
投資情報 ×
MONEX VISION β
(ブラウザ版)
資産設計アドバイス
SNS型投資アプリ
「ferci」プラウザ版
投資SNS
au カブコム証券 Kabuステーション 国内株式、信用取引、
先物、オプション
×
現物株式
信用取引
カブナビ
(ブラウザ版)
スクリーニング
(Mac OS 10.x)
カブボード
(ブラウザ版)
銘柄管理など ×
カブボードフラッシュ
(ブラウザ版)
株価の自動更新
kabuスコープ
(ブラウザ版)
売買銘柄候補の検索 ×
kabuカルテ
(ブラウザ版)
テクニカル指標判別ツール ×
残高照会フラッシュ
(ブラウザ版)
残高照会自動更新画面 ×
保証金シミュレーター
(ブラウザ版)
保証金維持率
シミュレーション
EVERチャート 高機能チャート
(Mac OS X 10.x以降)
先物
オプション
先物・オプションボード
(ブラウザ版)
先物、オプション銘柄管理 ×
先物・オプションボードフラッシュ
(ブラウザ版)
先物、オプション価格の自動更新 ×
証拠金シミュレーター
(ブラウザ版)
証拠金のシミュレーション
先物OPナビ 先物オプション取引の
リスク管理ツール

(Mac OS 10.x以上)
FX auカブコム FXナビ 高機能FX取引ツール
(Mac OS X 10.x以降)
その他 債券シミュレーター
(ブラウザ版)
債券パフォーマンスの
シミュレーション
365CFDシンプルチャート
(ブラウザ版)
CFDチャート分析ツール
(MAC OS X 10.13以降)
GMOクリック証券 スーパーはっちゅう君 株式、先物、OP用高機能取引ツール ×
はっちゅう君 株式、225、先物用取引ツール ×
FX はっちゅう君FXプラス FX専用高機能取引ツール ×
FXツールバー FX投資情報ツール ×
プラチナチャート(ブラウザ版) 高品位テクニカルチャート
(Mac OS 10.13以上)
365FX はっちゅう君365 くりっく365用取引ツール ×
CFD はっちゅう君CFD CFD専用高機能取引ツール
(Mac 10.9以上)
DMM.com証券 DMM株STANDARD
(ブラウザ版)
国内株、米国株取引ツール
(Mac OS 10.12以降)
DMM株PRO 高機能取引ツール
(Mac OS 10.12以降)
SBIネオトレード証券 NEOTRADER R
(ダウンロード版)
株、先物・オプションの
高機能取引ツール
×
NEWOTRADE W
(プラウザ版)
株、先物・オプションの
高機能取引ツール
×
株価ボード 株価情報 ×
SBI証券楽天証券松井証券マネックス証券auカブコム証券GMOクリック証券DMM.com証券SBIネオトレード証券のホームページを参照して作成
※2021年11月21日時点

2,Macが使えるネット証券各社のツール

MacOSでも使用できるツールのうちダウンロード版で対応しているのは楽天証券と松井証券の2社だけだったが、DMM.com証券の株式取引ブランド「DMM株」が、ダウンロード版高機能取引ツールをMacに対応させた。

その他の証券会社でも、ブラウザ版であればたいていのツールをMacでも利用できる。

ネット証券各社のダウンロート版とブラウザ版のMac対応ツールの状況を見ていこう。

SBI証券――Macは原則ウェブサイトを利用する

(※SBI証券のホームページより引用)
SBI証券ではダウンロード版ツールはMacに対応していないため、資情報収集や取引にはウェブサイトを利用することになります。

ブラウザがMozilla Firefox最新版またはSafari最新版であることを確認したい。

>>SBI証券の口座開設はこちら

楽天証券――人気の「マーケットスピード」にはMac版あり

(※楽天証券のホームページより引用)
国内株式と信用取引については豊富な情報量と機能性の高さで人気のある「マーケットスピード」のMac版を使用できます。

それ以外にはブラウザ版ではあるが、FX取引専用の「楽天FX-WEB」も対応している。

>>楽天証券の口座開設はこちら

松井証券――投資情報ツールならMac対応だが取引はブラウザ版で

(※松井証券のホームページより引用)
ダウンロード版の高機能取引ツールはMacに対応していないので、取引ツールにはブラウザ版の「ネットストック・スマート」と「NetFxトレーダー・プラス」を使用します。

松井証券では投資情報ツールが多数用意されていて、以下がMac対応だ。

・ダウンロード版の「株価ボード」「テーマ投資ガイド」「チャートフォリオ」
・ブラウザ版の「QUICKリサーチネット」「松井FP」「フル板情報(BRiSK for松井証券)」

>>松井証券の口座開設はこちら

マネックス証券――ブラウザ版の取引ツール「Monex Trader FX」はMac対応

(※マネックス証券のホームページより引用)

Macで使用できるのはブラウザ版のFX取引専用「Monex Trader FX」で、FX以外の取引を行う場合はウェブサイトの取引画面を利用する。

投資情報ツールの多くはウェブサイトでMacユーザーを含む誰でも使用できます。

>>マネックス証券の口座開設はこちら

au カブコム証券――多数の投資情報、分析ツールがブラウザ版なら使用可

(※au カブコム証券のホームページより引用)

多数の投資情報、分析ツールがリリースされているが、ダウンロード版はすべてMacには対応していない。

現物株式、信用取引、先物、オプション、債券、そしてCFDに関するブラウザ版の投資情報、分析ツールについてはMacユーザーも使用できます。

GMOクリック証券――Macでは高機能取引ツール「はっちゅう君CFD」が利用可能

(※GMOクリック証券のホームページより引用)

Macは高機能取引ツール「はっちゅう君」シリーズには基本的に対応していない。ただし「はっちゅう君CFD」だけは対応。

高品位テクニカルチャートツールの「プラチナチャートプラス」「プラチナチャートCFD」はブラウザ版のツールであるがMacでも利用可能です。

>>GMOクリック証券の口座開設はこちら

DMM.com証券――ブラウザ版「DMM株STANDARD」に加え、ダウンロード版「DMM株PRO+」もMacに対応

(※DMM.com証券のホームページより引用)
国内株式・米国株式取引ツールのブラウザ版「DMM株STANDARD」に続き、ダウンロード版「DMM株PRO+」もMacで使用できるようになりました。

「DMM株STANDARD」、「DMM株PRO+」ともに、取引機能に加えチャート、ニュース、ランキング機能などが使える高機能ツールだ。

>>DMM 株の口座開設はこちら

3,SBI証券と楽天証券の投資ツールを比較

(画像=編集部作成)

ネット証券のトレードツールは、スムースな取引や的確な情報収集のために必要不可欠だ。

ネット証券各社はそれぞれ特色のあるトレードツールを提供しているが、どのツールが自分に合っているのか判断するのは難しい。

いろいろなツールを試してみるのもいいが、まずはネット証券の2強であるSBI証券と楽天証券のトレードツールを比較してみよう。

トレードツールの機能比較
SBI証券 楽天証券
プラウザ版
ツール
HYPER SBI
(Mac非対応)
プラウザ版
ツール
Market Speed
for Mac
国内株式取引
国内先物、
オプション取引
× ×
国内商品先物取引 × × × ×
米国株式取引 × ×
海外先物取引 × × × ×
アルゴ注文 × ×
条件の取消、
照会のみ可能
×
PTS信用 ×
マルチウインドウ × × ×
SBI証券楽天証券のホームページを参照して作成
※2021年11月21日時点

SBI証券と楽天証券のトレードツールの機能を整理してみると、ダウンロード版トレードツールの方がプラウザ版トレードツールよりも取引可能な商品が少ないことがわかります。

SBI証券のダウンロード版トレードツール「HYPER SBI」は、国内株式に加えて国内先物、オプション取引も可能だ。楽天証券のダウンロード版トレードツール「Market Speed for Mac」では、取引可能商品は国内株式のみである。

両社のダウンロード版トレードツールは、国内商品向きのツールであるといえる。

ダウンロード版トレードツールを利用するメリットはスムースな約定プロセスなので、国内株式や国内先物、オプションを高い頻度で取引し、約定のスムースさなどを重視する投資家向きだ。

プラウザ版トレードツールでは、SBI証券、楽天証券ともに外国株式が取引可能になり、より取引可能商品の幅が広がる。

日本株と外国株(主に米国株)をグローバル株として一体で運用する投資家などは、プラウザ版トレードツールを利用するほうがメリットがあるでしょう。

4, ネット証券のツールを利用するメリット

(画像=編集部作成)
ダウンロード版トレードツールを利用するメリットは、やはりスピーディーな約定です。

プラウザ版トレードツールだと、どうしても株価の更新などが少し遅れてしまう。

ダウンロード版トレードツールでは、株価は自動的にタイムラグなしに更新されるので、リアルタイムでの取引が可能でストレスがない。

デイトレードのように取引頻度が高く、約定値段を重視する投資スタイルでは、ダウンロード版トレードツールを利用するメリットが大きいのではないでしょうか。

5,ネット証券のツールを利用する際に注意すること

(画像=編集部作成)
ダウンロード版トレードツールを利用する際は、自分の運用スタイルにマッチしているかどうかで判断することが重要です。
SBI証券、楽天証券ともにダウンロード版トレードツールで取引できる商品は国内商品のみで、外国株式や海外先物取引には対応していません。

ダウンロード版トレードツールでは、日本の投資家に人気の米国株式を取引できないのはデメリットのひとつだろう。

同じトレードツールで日本株と外国株を一緒に管理できないのは不便だ。

一方でSBI証券のプラウザ版トレードツールは、日本株に加え外国株も取引できるので、外国株も投資対象とする投資家は利用するメリットがあるのではないか。

取引対象商品や取引頻度など、自分の運用スタイルで重視すべき項目を考慮して、ダウンロード版とプラウザ版のどちらを利用するかを判断すべきでしょう。

6,Macユーザーは基本ブラウザ版で使うと考えたほうがいい

主なネット証券の高機能高性能取引ツールはダウンロード版であり、楽天証券「MARKET SPEED for Mac」やDMM.com証券の株式取引ブランド「DMM株」が提供する「DMM株PRO+」などを除いて、Macには対応していない。そのため取引にはブラウザ版のツールを使用することが基本となる。

投資情報、分析ツールについてはネット証券各社から多数提供されており、ブラウザ版であればほとんどの場合Macでも使用できます。

ただしダウンロード版の投資情報、分析ツールは、松井証券の「株価ボード」「テーマ投資ガイド」「チャートフォリオ」のようにMac対応ツールもあるが、たいていはWindows用です。

Mac対応しているネット証券のツールについてよくある5つのQ&A

ダウンロード版でMacに対応しているツールを持つ証券会社は?
2021年11月21日現在、楽天証券、松井証券、DMM.com証券の3社である。

Macユーザーは基本ブラウザ版で使うと考えたほうがいいのはなぜ?
主なネット証券の高機能高性能取引ツールはダウンロード版だが、Macには対応していないことが多い。また、ダウンロード版の投資情報ツールなども、基本的にWindowsにしか対応していないが、ブラウザ版ならMac対応している。ただし数は少ないが、楽天証券「MARKET SPEED for Mac」やGMOクリック証券「はっちゅう君CFD」は、ダウンロード版でもMac対応している。投資情報、分析ツールでは松井証券の「株価ボード」「テーマ投資ガイド」「チャートフォリオ」はMac対応している。

楽天証券のMacで使えるツールの特徴は?
「マーケットスピード」のMac版は、国内株式と信用取引については豊富な情報量と機能性の高さが特徴。 ブラウザ版では、FX取引専用の「楽天FX-WEB」も対応している。

松井証券のMacで使えるツールの特徴は?
取引ツールにはブラウザ版の「ネットストック・スマート」と「NetFxトレーダー・プラス」を使用する。 松井証券では投資情報ツールが多数用意されていて、Mac対応は以下の通り。 ダウンロード版:「株価ボード」「テーマ投資ガイド」「チャートフォリオ」 ブラウザ版の:「QUICKリサーチネット」「松井FP」「フル板情報((BRiSK for松井証券) なお、ダウンロード版の高機能取引ツールはMacに対応していないので注意が必要だ。

SBI証券のMacで使えるツールの特徴は?
SBI証券ではダウンロード版ツール「HYPER SBI」はMacに対応していない。

実際に株式投資を始めてみる

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執筆・近藤真理
南山大学外国語学部卒業。野村證券の引受部門で勤務後、ビジネス系翻訳や工業系翻訳業務に従事。
2013年より、総合証券とネット証券を使い分けながら、資産運用を開始。2017年から各種WEBサイトのフリーライターとして活動、現在は経済金融系記事を中心に執筆している。

■保有資格
証券外務員一種、二種
投資診断士
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
AFP認定者
南山大学外国語学部卒業。野村證券の引受部門で勤務後、ビジネス系翻訳や工業系翻訳業務に従事。
2013年より、総合証券とネット証券を使い分けながら、資産運用を開始。2017年から各種WEBサイトのフリーライターとして活動、現在は経済金融系記事を中心に執筆している。

■保有資格
証券外務員一種、二種
投資診断士
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
AFP認定者

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