ふるさと納税は、応援したい自治体を選んで寄付することで、実質2,000円の自己負担でさまざまな返礼品を受け取れるお得な制度だ。会社員には、確定申告不要でふるさと納税を利用できる制度も用意されている。今回は、会社員がふるさと納税を利用する際の手続きや控除上限の目安、おすすめのふるさと納税先について解説する。これまで「どうやって利用するのかわからない」「確定申告をしなくてはいけないのではないか?」といった理由でふるさと納税を利用したことがない人は、これを機に始めてみてはいかがだろうか。

目次

  1. 1,ふるさと納税とは
  2. 2,ふるさと納税について年末調整での手続きは不要
  3. 3,ふるさと納税のワンストップ特例制度で控除を受けるには
  4. 4,会社員がふるさと納税するメリット
  5. 5,会社員がふるさと納税するデメリット・注意点
  6. 6,控除上限額の具体例
  7. 7,ふるさと納税の手続き
  8. 8,ふるさと納税先におすすめの自治体10選
  9. 会社員のふるさと納税に関してよくあるQ&A
  10. 実際にふるさと納税を始めてみる

1,ふるさと納税とは

(画像=編集部作成)
ふるさと納税とは?
ふるさと納税は、生まれ故郷や応援したい自治体を選び、寄付する制度です。
所定の手続きを行えば、寄付金額の2,000円を超える部分が所得税・住民税から控除されます(全額控除となる寄付額には上限あり)。

実態としては納税ではなく「寄付」なのですが、控除や還付の分だけ納税額が減り、実質的に寄付先へ納税したような形になることから、「ふるさと納税」と呼ばれています。

納税者は、納税先(寄付先)や寄附金の使い道を自分で決めることができ、寄付のお礼として地域の特産品など魅力的な返礼品を受け取れる。

2,ふるさと納税について年末調整での手続きは不要

(画像=編集部作成)
ふるさと納税による税金の控除や還付を受けるためには、「確定申告」を行うか「ふるさと納税ワンストップ特例制度」を利用する必要があります。
勤務先の年末調整では控除や還付を受けられないため、その際に行う手続きはありません。

確定申告 ふるさと納税ワンストップ特例制度
手続方法 ふるさと納税をした翌年に税務署で確定申告をする。 申告書には、ふるさと納税先の自治体から送付される「寄附金受領証明書」を添付する。 ふるさと納税を行うたびに、ふるさと納税先の自治体へ「ふるさと納税ワンストップ特例制度」の申請書を提出する。
手続期限 確定申告は、原則翌年の3月15日まで。 ※還付を受けるためだけに確定申告をする場合、翌年1月1日から5年間手続きが可能。 申請書は、ふるさと納税先の自治体に翌年の1月10日までに必着で送付。
利用条件 なし ・確定申告をしなくてよい人 ・年間の寄付先が5自治体以内
(複数回同じ自治体に寄付した場合は、1自治体とカウントする)
還付・控除の対象となる税金 その年の所得税と翌年の住民税 翌年の住民税
※筆者作成

ワンストップ特例制度を利用する場合は所得税の還付はないが、その分も含めて住民税から控除される

そのため、最終的な控除額は確定申告を行う場合と同じになる。

確定申告を行う場合、ワンストップ特例制度は利用できない。会社員でも確定申告をしなければならない所得がある人や、医療費控除などを受けるために確定申告を行う人などは、ふるさと納税の控除を受けるための手続きも確定申告で行う。
ワンストップ特例制度の申請書を提出していても、寄付先の自治体数が6を超えると、確定申告が必要になります。特例申請書を提出している自治体分も含め、その年に行ったすべてのふるさと納税について申告が必要です。

確定申告をしなかった寄付については、控除を受けられないので注意しましょう。

特例申請書の提出後に確定申告を行った場合は、確定申告の内容が優先されるため、申請書を提出した自治体への連絡や手続きは不要だ。

3,ふるさと納税のワンストップ特例制度で控除を受けるには

ふるさと納税ワンストップ特例を利用して、控除を受ける際のポイントを紹介する。

寄附額や寄附先は、多すぎると負担が増えたり、確定申告が必要になったりすることがあるので注意しよう。

自分がいくらまで寄附できるのかを事前に把握し、計画的に寄附を行うことが大切だ。

確定申告の対象でないことを確認する

まずは、確定申告が必要になる副業の収入や医療費控除などがないか確認しましょう。
会社員でも年収が2,000万円以上は、年末調整の対象外なので確定申告が必要だ。確定申告が必要な人は、ワンストップ特例を利用できない。

控除上限額を算出する

2,000円を超える自己負担なしで寄附できる限度額(控除上限額)は、ふるさと納税を行う本人の年収や家族構成(配偶者控除や扶養控除対象者の有無やその年齢)、その他の控除の有無や金額によって異なります。
正確な控除上限額は収入や控除額が確定する年末までわからないが、前年の金額からおおよその目安はわかる。ふるさと納税サイトには、簡単に控除上限額を試算できるシミュレーターが用意されているので、うまく活用するとよいだろう。

寄附先を5団体(自治体)以内で選ぶ

ワンストップ特例を利用するためには、寄附先の自治体数を5つ以内に収める必要があります。特例を利用するなら、寄附先は5つ以内に絞りましょう。

控除枠を無駄なく利用するには、自身の控除上限額を踏まえて、それぞれの自治体にいくら寄附するかを決める必要がある。

5団体に寄附して控除枠が余った場合は、同じ自治体にもう一度寄附してもよいだろう。同じ自治体に複数回寄附しても、自治体数のカウントは変わらないので、特例の利用に支障はない。

寄附を申し込む

寄附を申し込む際は、「ワンストップ特例制度申請書」の送付希望欄にチェックを入れることを忘れないようにしましょう。
ふるさと納税サイトや自治体によっては、必要事項が記載された申請書を送ってもらえるところもある。自分でもダウンロードできるが、送ってもらったほうが便利だ。

返礼品と寄附金受領証明書、ワンストップ特例制度申請書を受け取る

寄附金受領証明書・ワンストップ特例制度申請書と返礼品は、別々に届きます。

旬の時期に合わせて発送される返礼品など、寄附してから受け取るまで時間がかかるケースもあるため、発送時期はよく確認しておこう。

ワンストップ特例制度を利用する場合、寄附金受領証明書の提出は不要ですが、寄附金額の確認や確定申告が必要になった場合に備えて大切に保管しておきましょう。

ワンストップ特例制度申請書を自治体へ返送する

ワンストップ特例制度申請書を受け取ったら必要事項を記入し、なるべく早く返送しましょう。
申請書は、「翌年の1月10日までに寄附先の自治体に必着」となっています。提出期限を過ぎると特例を利用できず、確定申告が必要になります。

4,会社員がふるさと納税するメリット

(画像=編集部作成)

ふるさと納税には、以下のようなメリットがある。

寄付金の使い道を自分で決められる

ふるさと納税では、どの自治体に寄付するかを自分で決め、その使い道を選択できます。

自分の故郷や応援したい自治体に、自分が望んだ使い道で自分のお金を使ってもらえるのは、ふるさと納税ならではのメリットです。

返礼品を受け取れる

寄付先の自治体から届く返礼品は、ふるさと納税の大きな魅力だ。

控除上限額までの寄附金は、2,000円を差し引いた全額が税金から控除されるため、実質的な負担は2,000円で済みます。

各自治体では、地域の特産品や宿泊サービスなど、趣向を凝らした返礼品を多数用意しているため、選ぶ楽しさもあります。返礼品選びを通して、日本各地の魅力を発見するきっかけにもなるでしょう。

寄付のタイミングは原則自由

ふるさと納税は通年で行われており、いつ寄付するかは原則自由です。

ボーナス時など、家計に無理のないタイミングで行えます。

クレジットカード払いが可能

ふるさと納税では、一部の自治体を除きクレジットカード払いが可能です。

振込手数料不要でいつでも手続きができるほか、通常のショッピングと同様にクレジットカードのポイントが貯まります。ふるさと納税は比較的金額が大きいため、ポイント還元のメリットは大きいです。

特定サイトから寄付すればポイントが貯まる

ふるさと納税は、自治体に直接申し込むこともできるが、民間のふるさと納税サイトを利用するのが一般的だ。

サイトによっては、寄付額に応じたポイント還元を受けられます。
<ポイント還元のある主なふるさと納税サイト>
  • 楽天ふるさと納税……楽天ポイントで還元(出典=楽天ふるさと納税)
  • ふるなび……ふるなびポイントで還元(Amazonギフト券などに交換可能。出典=ふるなび)
  • さとふる……PayPayボーナスにより還元

複数のサイトから申し込める自治体に寄付するなら、ポイント還元が多いサイトを利用したほうが有利だ。

還元率は、利用時の条件やキャンペーンなどで変わることがあるため、事前に確認しておきましょう。

5,会社員がふるさと納税するデメリット・注意点

(画像=編集部作成)

ふるさと納税には、以下のような注意点もある。

節税にはならない

ふるさと納税は節税にはなりません。
控除上限額内の寄付について、2,000円を差し引いた金額が本来納める所得税・住民税から控除(還付)される制度であり、最終的な支払額が減るわけではないからだ。むしろ控除されない2,000円分、最終的な負担は増える。

確定申告が必要になることがある

ふるさと納税で所得税や住民税の控除を受けるには、原則確定申告が必要です。
ただし、本来確定申告をする必要のない会社員などは、ふるさと納税先が5自治体以内の場合、ふるさと納税ワンストップ特例制度を利用することで、確定申告をしなくても控除を受けられます。

6自治体以上にふるさと納税をした場合は、原則どおり確定申告が必要になる。

確定申告は、やり方さえ知っていればそれほど難しくないが、手間はかかる

いくら寄付したらよいのかがわかりにくい

寄付金のうち2,000円を除く全額が控除される上限額(控除上限額)は、おおむね個人住民税所得割の2割にあたります。
実際の控除上限額は、納税者(寄付者)のその年の収入額や家族構成、他の控除の有無・金額によって決まります。収入などが変化すれば控除上限額も変わるため、ふるさと納税を行う時点では確定しません。

いくらまでなら全額が控除されるのかがわかりにくい点は、ふるさと納税のハードルが高い要因といえる。

ふるさと納税サイトの控除額シミュレーターを利用すれば、控除上限額の目安を簡単に試算できるので、うまく活用したい。

控除上限額を超える寄付は自己負担が生じる

ふるさと納税では控除上限額を超える寄付も可能ですが、超えた部分は全額控除の対象にならず、自己負担が生じます。

最初に支払いが発生する

ふるさと納税は寄付した年の翌年以降に税金が還付される、あるいは支払う税金が安くなる仕組みであり、最初に支払いが発生します。このタイムラグには注意が必要です。

所得税はふるさと納税を行った翌年に確定申告をすると1ヵ月前後で還付され、住民税は翌年6月から翌々年の5月に支払う税額から控除される。

6,控除上限額の具体例

(画像=編集部作成)

2,000円の自己負担額を除く全額が控除される場合の控除上限額は、いくらなのだろうか。

年収や家族構成ごとに、控除上限額の目安を確認しておこう。

参考として、受け取れる返礼品相当額を寄付額の3割として計算した目安も併せて掲載した。

ふるさと納税の返礼品にかかる費用は、寄付額の3割以下とするルールがある。これには返礼品の調達費用のほか、送料や広告費、その他募集にかかる費用も含まれているため、通常返礼品相当額は寄付額の3割よりも少なくなる。ただし、自治体が市場価格よりも安く調達できる場合もあるため、寄付額の3割を上回る返礼品を受け取れることもある。

独身者の控除上限額の目安

下の表は、独身者の控除上限額の目安を年収別に計算したものだ。

基礎控除、給与所得控除、社会保険料控除の適用を受け、住宅ローン控除や医療費控除などの控除を受けないと仮定している。他の控除を受ける場合、控除上限額は以下の目安よりも少なくなる。

ふるさと納税を行う本人の給与収入(額面) ふるさと納税の控除上限額の目安 参考:受け取れる返礼品相当額(上限)の目安
300万円 約2万8,000円 約8,000円
400万円 約4万3,000円 約1万2,000円
500万円 約6万1,000円 約1万8,000円
600万円 約7万7,000円 約2万3,000円
700万円 約10万9,000円 約3万2,000円
800万円 約13万1,000円 約3万9,000円
900万円 約15万3,000円 約4万5,000円
1,000万円 約17万7,000円 約5万3,000円
1,500万円 約38万4,000円 約11万5,000円

共働き夫婦で配偶者の給与収入が201万円超の場合は配偶者(特別)控除が適用されないため、控除上限額の目安は上記と同額になる

また、15歳未満の子どもは控除額に影響しないため、配偶者(特別)控除が適用されない夫婦に15歳未満の子どもがいる場合も同様だ。

夫婦二人世帯(配偶者が専業主婦で配偶者控除適用あり)の控除上限額の目安

下の表は、配偶者が専業主婦で配偶者控除が適用される夫婦二人世帯の控除上限額の目安を、年収別に計算したものだ。

基礎控除、給与所得控除、社会保険料控除、配偶者控除の適用を受け、住宅ローン控除や医療費控除などの控除を受けないと仮定している。

ふるさと納税を行う本人の給与収入(額面) ふるさと納税の控除上限額の目安 参考:受け取れる返礼品相当額(上限)の目安
300万円 約1万9,000円 約5,000円
400万円 約3万3,000円 約9,000円
500万円 約4万9,000円 約1万4,000円
600万円 約6万8,000円 約2万円
700万円 約8万5,000円 約2万5,000円
800万円 約12万円 約3万6,000円
900万円 約14万1,000円 約4万2,000円
1,000万円 約16万5,000円 約4万9,000円
1,500万円 約38万円 約11万4,000円

この夫婦に子どもがいる場合、子どもの年齢が15歳未満であれば控除上限額の目安は上記と同額だ。

子どもの年齢が16歳以上であれば、扶養控除により控除上限額は上記よりも少なくなります。

夫婦・子ども2人・住宅ローン控除あり世帯の控除上限額の目安

下の表は夫婦と子ども2人の世帯で、住宅ローン控除を受けている場合の控除上限額を年収別に計算したものだ。

配偶者は扶養の範囲内でパートとして働き(年収100万円、配偶者控除適用あり)、子どもは小学生(10歳)と中学生(14歳)、住宅ローン控除額は30万円とする。また基礎控除、給与所得控除、社会保険料控除(給与収入の15%と仮定)、配偶者控除、住宅ローン控除以外の控除を受けないと仮定している。

ふるさと納税を行う本人の給与収入(額面) ふるさと納税の控除上限額の目安 参考:受け取れる返礼品相当額(上限)の目安
300万円 約1万9,000円 約5,000円
400万円 約3万3,000円 約9,000円
500万円 約4万9,000円 約1万4,000円
600万円 約6万9,000円 約2万円
700万円 約8万6,000円 約2万5,000円
800万円 約12万円 約3万6,000円
900万円 約14万1,000円 約4万2,000円
1,000万円 約16万3,000円 約4万8,000円
1,500万円 約36万4,000円 約10万9,000円
ふるさとチョイス・控除上限額シミュレーションを用いて試算(1,000円未満は切り捨て)

住宅ローン控除とふるさと納税を併用する場合、ワンストップ特例制度を利用すれば、控除上限額や住宅ローン控除額への影響はありません。

確定申告をする場合は、所得税と住民税を計算する際のもととなる課税所得がふるさと納税によって減るため、所得税から住宅ローン控除額を控除しきれない場合に、上記の金額までふるさと納税をすると住宅ローン控除額が減るおそれがある

例えば、上記の条件において年収600万円の人がふるさと納税で6万9,000円を寄付すると、確定申告で控除を受けた場合の住宅ローン控除額は約29万5,500円となり、控除額は4,500円減る。住宅ローン控除額への影響がなくなるのは、寄付額が2万5,000円以下の場合だ。一般的に、住宅ローン控除額が減少しても返礼品を受け取ったほうがメリットは大きいため、あまり気にすることはないだろう。とはいえ、このような影響があることは知っておきたい。

7,ふるさと納税の手続き

(画像=編集部作成)

寄付の申し込みから控除・還付を受けるまでの流れを確認しておこう。

ふるさと納税ワンストップ特例制度を利用する場合の流れ

ふるさと納税ワンストップ特例制度を利用する場合の流れは、以下のとおりだ。

ふるさと納税の手続き(ワンストップ特例制度を利用する場合)
  • STEP1 控除上限額の目安を確認する
    いくら寄付するのかを決めるために、控除上限額の目安を確認する。寄付する時点では年収や他の控除額などが確定していないため、昨年の源泉徴収票に記載された金額などをもとにして、今年の年収や控除額を想定して試算する。
  • STEP2 寄付する自治体を決める
    寄付(応援)したい自治体や返礼品の内容などから、寄付する自治体を決める。
    ふるさと納税サイトを利用すれば、自治体や返礼品、寄附金の使い道などから検索できるので便利だ。サイトによって掲載されている自治体が異なるため、複数のサイトを併用するとよいだろう。
  • STEP3 寄付を申し込む
    寄付する自治体が決まったら、申し込む。申込者の氏名・連絡先などの情報や寄付金額、寄附金の使い道、決済方法、返礼品の内容などを入力する。
    自治体からのワンストップ特例制度申請書(寄附金税額控除に係る申告特例申請書)の送付も同時に申し込んでおこう。寄付の申し込みページに、送付希望のチェック欄がある。申請書は、各自治体や総務省のホームページからダウンロードすることもできる。
    クレジットカード決済の場合は、申し込みと同時に寄付が完了する。
  • STEP4 返礼品と寄附金受領証明書、ワンストップ特例制度申請書を受け取る
    寄付した自治体から届く返礼品と寄附金受領証明書、ワンストップ特例制度申請書(寄附金税額控除に係る申告特例申請書)を受け取る。寄附金受領証明書は、返礼品と別に送付される。
    返礼品が届く時期は、自治体や申し込んだ返礼品の内容によって異なるため、申込時に確認しておこう。
  • STEP5 ワンストップ特例制度申請書を自治体へ返送する
    ワンストップ特例制度申請書(寄附金税額控除に係る申告特例申請書)に必要事項を記載し、翌年の1月10日までに必着で寄付先の自治体へ郵送する。申請書には、マンナンバー(個人番号)確認書類と本人確認書類を添付する必要がある。
    申請書を受け取った寄付先の自治体から住所地の自治体に情報が共有され、住所地の自治体で最終的な控除額が計算される。
  • STEP(6)翌年分の住民税から控除を受ける
    控除上限額以下の寄付をした場合は、寄付額から2,000円を差し引いた金額が翌年の住民税から控除される。一般的な会社員の場合、住民税は毎月の給与から天引きされており、翌年6月から翌々年5月までの1年間、給与から天引きされる住民税から毎月控除される。

確定申告をする場合の流れ

確定申告によって控除を受ける場合の手続きの流れは、以下のとおりだ。

ワンストップ特例制度を利用する場合と同じ内容については、詳細を省略する。

ふるさと納税の手続き(確定申告をする場合)
  • STEP1 控除上限額の目安を確認する
  • STEP2 寄付する自治体を決める
  • STEP3 寄付を申し込む
    ワンストップ特例制度申請書(寄附金税額控除に係る申告特例申請書)の送付申し込みは不要だ。
  • STEP4 返礼品と寄附金受領証明書を受け取る
    寄附金受領証明書は確定申告の手続きで必要になるので、大切に保管しておこう。受け取りから申告まで間があくときは要注意だ。
  • STEP5 確定申告をする
    前年の1月1日から12月31日までに行ったふるさと納税をまとめて、確定申告を行う。
    申告期間は、原則2月16日から3月15日まで。所得の申告がなく、ふるさと納税や医療費控除などによる還付を受けるだけであれば、1月1日以降5年間は確定申告(還付申告)が可能だ。
    還付申告であれば時間的余裕があるが、手続きが終わるまで還付(控除)は受けられないので、なるべく早めに済ませよう。
  • STEP6 所得税の還付、翌年分の住民税から控除を受ける
    所得税の還付金は、確定申告後1〜2ヵ月で指定した口座に振り込まれる。
    住民税からの控除分は、翌年6月から翌々年5月までの1年間、給与から天引きされる住民税から毎月控除される。

8,ふるさと納税先におすすめの自治体10選

(画像=編集部作成)

ふるさと納税先として、どの自治体を選べばよいのだろうか。

今回はふるさと納税先としておすすめの自治体を、寄附金総額実績や返礼品の内容などから厳選し、10選として紹介する。ふるさと納税先を選ぶ際の参考にしてほしい。

自治体名 人口※1 特色 代表的な返礼品
北海道・紋別(もんべつ)市 2万1,317人 オホーツク海沿岸のほぼ中央に位置し、漁業・農業(酪農・畜産業)・林業・水産加工業が主な産業。流氷が有名。 ホタテ、毛ガニ、ズワイガニ、ウニ、バター など
北海道・根室(ねむろ)市 2万4,858人 北海道東端に位置し、三方を海に囲まれているため、水産資源が豊富。日本で観察できる野鳥の半数を超える、約330種類が生息する野鳥の宝庫でもある。 ウニ、いくら、花咲ガニ、ズワイガニ、ホタテ、サーモン など
北海道・白糠(しらぬか)郡白糠町 7,539人 北海道東部に位置し、暖流と寒流が交わる絶好の漁場となっている。 いくら、すじこ、明太子、サーモン、えぞ鹿肉 など
山形県・寒河江(さがえ)市 4万719人 山形県中央部に位置し、最上川と寒河江川が流れる「日本一さくらんぼの里」。果物を中心とした農業が盛んで、ブランド米「つや姫」「はえぬき」や、そば、地酒なども有名。 米(はえぬき・つや姫)、さくらんぼ、桃、ラ・フランス、りんご、そば など
山梨県・富士吉田(ふじよしだ)市 4万8,183人 富士山の北麓、標高700〜900mに位置する高原都市。古くから富士山信仰の町として栄え、富士山の湧水を活かした産業が盛ん。 羽毛布団、炭酸水、ミネラルウォーター、ヘアケア用品、シャインマスカット など
静岡県・焼津(やいづ)市 13万8,921人 静岡県中部に位置する。漁業、水産加工業が盛んで、遠洋漁業基地としてカツオやマグロが水揚げされる焼津港、近海のアジ・サバなどが水揚げされる小川港、駿河湾のサクラエビが水揚げされる大井川港がある。 魚介類・水産加工品(マグロ・カツオ、缶詰、干物など)、ビール、静岡茶 など
兵庫県・加西(かさい)市 4万3,482人 兵庫県南部、播州平野のほぼ中央に位置する。温暖な気候と肥沃な土壌で育つ農産物やその加工品が特産。赤穂浪士ゆかりの地でもある。 家電(アラジン)、家具(ICHIBA)、神戸牛、鍋(アサヒ軽金属) など
兵庫県・洲本(すもと)市 4万2,781人 淡路島の中央に位置する。大阪湾と瀬戸内海に面し、豊富な自然が生み出す山海の幸は朝廷などにも献上され、「御食国(みけつくに)」とも呼ばれた。 淡路牛、淡路島玉ねぎハンバーグ、天然活アワビ、玉ねぎ、洲本温泉利用券 など
宮崎県・都城(みやこのじょう)市 16万3,571人 霧島連山に囲まれた宮崎県南部に位置する。算出額日本一を誇る畜産のまち。霧島山麓で育つサツマイモを原料に造られる焼酎も有名で、こちらも出荷額日本一。 宮崎牛、ブランド豚肉、宮崎地鶏、焼酎、米、サツマイモ(紅はるか)、うなぎ など
鹿児島県・志布志(しぶし)市 3万646人 鹿児島県南東部に位置する。霧島山系の地下水がシラス大地を通して湧き出し、うなぎの養殖が盛ん。 うなぎ、黒毛和牛、焼酎、ちりめん など

会社員のふるさと納税に関してよくあるQ&A

ふるさと納税に関して、よくある質問と回答をまとめた。

会社員がふるさと納税をするメリットは?
ふるさと納税のメリットは、納税先(寄附先)や税金(寄附金)の使い道を自分で選べ、実質2,000円の負担で地域の特産品など魅力的な返礼品を受け取れることだ。一定の条件を満たす会社員であれば、「ふるさと納税ワンストップ特例制度」を利用すれば、簡単な手続きでふるさと納税ができる。
会社員がふるさと納税をする際に必要な手続きは?
ふるさと納税は、ふるさと納税サイトなどを利用し、寄附先や寄附額、返礼品を決めて申し込む。
控除を受けるには、「確定申告」または「ふるさと納税ワンストップ特例制度」の申請が必要だ。自分が特例制度の対象となるかどうかは、事前に確認しておこう。寄附額を決めるにあたっては、今年の収入や控除額の見込み額をもとに、控除上限額を試算する必要がある。
会社員がふるさと納税をする際に気をつけるべきことは?
ワンストップ特例制度を利用する人は、寄附先が5つ以上にならないように気をつけよう。ワンストップ特例制度を利用した場合の控除は、すべて住民税から差し引かれる。対象はふるさと納税をした都市の翌年に支払う住民税であり、翌年の6月から翌々年の5月までの1年間、給与から天引きされる住民税が安くなる。支払いが先行し、控除を受けられるのは半年以上先になることにも注意したい。
会社員がふるさと納税する場合の控除上限額は?
自己負担が2,000円となる寄附額(控除上限額)は、ふるさと納税を行う本人の年収や家族構成(配偶者控除や扶養控除対象者の有無やその年齢)、その他の控除の有無や金額によって異なるので、自分の条件で試算してみよう。
額面年収が600万円の場合、控除上限額の目安は独身の人で約7万7,000円、専業主婦の配偶者がいる人で約6万8,000円だ。
会社員のふるさと納税先におすすめの自治体は?
自分が応援したい自治体や、欲しい返礼品がある自治体に寄附するのがベストだ。寄附先に迷った場合は、今回紹介した自治体の中から自分に合うところを選ぶとよいだろう。

実際にふるさと納税を始めてみる

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竹国弘城
名古屋大学工学部機械航空工学科卒業。証券会社、保険代理店での勤務を経て、ファイナンシャルプランナーとして独立。
より多くの方がお金について自ら考え行動できるよう、家計改善や住宅購入、資産形成、相続など、お金に関するコンサルティング、大手金融機関や各種メディアでの執筆・監修を行う。RAPPORT Consulting Office代表。

■保有資格
1級ファイナンシャルプランニング技能士
CFP®︎
一種証券外務員
サウナ・スパプロフェッショナル
名古屋大学工学部機械航空工学科卒業。証券会社、保険代理店での勤務を経て、ファイナンシャルプランナーとして独立。
より多くの方がお金について自ら考え行動できるよう、家計改善や住宅購入、資産形成、相続など、お金に関するコンサルティング、大手金融機関や各種メディアでの執筆・監修を行う。RAPPORT Consulting Office代表。
■保有資格
1級ファイナンシャルプランニング技能士
CFP®︎
一種証券外務員
サウナ・スパプロフェッショナル

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