仮想通貨(暗号資産)の取引にかかる手数料は、取引所(販売所)ごとに金額が異なる。仮想通貨の取引で利益を出すためにも手数料は無視できない。特に、仮想通貨を少額で取引する場合と取引頻度が高い場合は手数料に注意したい。

目次

  1. 1.仮想通貨(暗号資産)取引にかかる5つの手数料
  2. 2.取引手数料が安い仮想通貨取引所ランキングTOP5
  3. 3.仮想通貨(暗号資産)の手数料を比較する2つのポイント
  4. 4.仮想通貨(暗号資産)の取引手数料を節約する方法
  5. 5.仮想通貨の少額取引では手数料の節約が重要
  6. 6.仮想通貨の手数料でよくある4つのFAQ

1.仮想通貨(暗号資産)取引にかかる5つの手数料

1.仮想通貨(暗号資産)取引にかかる5つの手数料
(画像=MONEY TIMES編集部制作)

仮想通貨の取引で必ず押さえておきたいポイントのひとつが手数料である。

仮想通貨の売買により得た利益が、手数料負担により減ることがあるからだ。

仮想通貨の現物取引にかかる5つの手数料を確認しよう。

仮想通貨の現物取引にかかる手数料
  • 口座開設手数料
  • 日本円の入出金手数料
  • スプレッド
  • 仮想通貨の取引手数料
  • 仮想通貨の送金手数料

仮想通貨取引にかかる手数料1,口座開設手数料……無料の取引所(販売所)が多い

仮想通貨を取引するには取引所(販売所)に口座を開設する必要がある。

仮想通貨の口座開設手数料は無料のところが多いです。
松本雄一

口座開設の申し込み前に、念のため口座開設手数料が無料か確認しておきましょう。

仮想通貨取引にかかる手数料2,日本円の入出金手数料……入金方法の違いが手数料に影響

日本円で仮想通貨を購入する場合には、あらかじめ取引所の口座に日本円を入金する。

主な入金方法には、「銀行振込(振込入金)」と「クイック(即時)入金」の2種類がある。

銀行振込

銀行振込は、取引所が提携していない金融機関からでも入金できるメリットがあるものの、取引所の口座に入金が反映されるのに時間がかかるデメリットがある。

クイック入金

クイック入金は、取引所が提携している金融機関から入金する方法。取引所(販売所)の口座への入金が即時に反映されるメリットがあるものの、提携外の金融機関からは利用できないデメリットがある。

取引所(販売所)によって入金方法で手数料が異なることもあり、入金方法の利便性と手数料、入金反映までの時間を検討して入金方法を決定したい。

日本円での出金は、一般的に取引所(販売所)の口座から利用者の銀行口座への振込にて行われる。

松本雄一

取引所(販売所)によっては出金手数料の負担があります。

入金時の手数料が無料でも、出金時に手数料がかかる取引所があるため気を付けましょう。

仮想通貨取引にかかる手数料3,スプレッド……買値と売値の差

スプレッドとは?
スプレッドとは、買値(Ask)と売値(Bid)の差のことである。
たとえば、ビットコインの購入価格が100万円/BTC、売却価格が99万円/BTCの場合には、スプレッドは1万円(=100万円-99万円)/BTCである。
もし、1BTCを100万円で購入した場合、売却価格が99万円/BTCから100万円/BTCに値上がりするまで含み損を抱えた状態になる(他の手数料の負担を除く)。

スプレッドは、取引所と販売所で異なる。

松本雄一

取引所は、買いたい利用者と売りたい利用者の注文から買値と売値の差が生じるのに対して、販売所は販売所(業者)と利用者との取引になるため、販売所(業者)がスプレッドを決めています。

スプレッドは、狭い(買値と売値が近い)ほうが利益を出しやすいです。

仮想通貨取引にかかる手数料4,仮想通貨の取引手数料……スプレッドとは別に負担する取引の際のコスト

取引手数料は、仮想通貨の購入や売却の際に、取引所(販売所)に支払う手数料のことだ。

仮想通貨の取引手数料は、スプレッドとは別に取引所(販売所)へ支払う必要があります。
松本雄一

取引手数料は、取引所(販売所)によって異なります。特に販売所では、取引手数料を無料にする代わりにスプレッドを広く(買値と売値の差が大きい)する場合もあるので気を付けましょう。

仮想通貨取引にかかる手数料5,仮想通貨の送金手数料……取引所とマイナー(採掘者)へ支払う2種類がある

保有している仮想通貨を別のウォレットに移す際にかかるのが送金手数料だ。

送金手数料には、「取引所へ支払う手数料」と「マイナー手数料」の2種類がある。

取引所へ支払う手数料

取引所へ支払う手数料とは、送金の際に取引所(販売所)が受け取る手数料だ。手数料は取引所(販売所)によって異なり、手数料無料にしている取引所(販売所)もある。

マイナー手数料

マイナー手数料とは、保有する仮想通貨を他のウォレットへ送る際に、送金の処理をしてくれるマイナー(採掘者)に支払う手数料であり、マイニング(採掘)作業の報酬になる。

松本雄一

取引所(販売所)がウェブサイトなどに掲載している送金手数料は取引所へ支払う手数料であり、それとは別にマイナー手数料もかかることを把握しておきましょう。

【関連記事】
>>Coincheck(コインチェック)のメリット・デメリットは?手数料や取り扱い通貨数など特徴を紹介

2.取引手数料が安い仮想通貨取引所ランキングTOP5

2.手数料が安い仮想通貨取引所ランキングTOP5
(画像=(写真= NOBU/stock.adobe.com))

手数料の安い仮想通貨の取引所(販売所)を比較してみたい。

比較する仮想通貨取引所(販売所)は次の5社だ。

仮想通貨取引所(販売所)
  • Coincheck
  • BITPOINT
  • GMOコイン
  • bitFlyer
  • DMM Bitcoin
取引手数料が安い仮想通貨の取引所(販売所)ランキング
1 2 3 4 5
証券会社 Coincheck BITPOINT GMOコイン bitFlyer DMM Bitcoin
口座開設
手数料
無料 無料 無料 無料 無料
取引所での取引手数料 無料 無料 Maker:-0.01%
Taker:0.05%
0.01~0.2% 取引所なし
販売所での取引手数料 無料 無料 無料 無料 無料(BitMatch取引を除く*5)
日本円の
入金手数料
0円*2~1,018円または
入金金額×0.11%+495円
無料*1 無料*1 0円*3 ~330円 無料*4
日本円の
出金手数料
407 円 330円 無料 220円~770円 無料
仮想通貨の送金手数料 仮想通貨の種類で異なる
ビットコインは0.0005 BTC
無料 無料 仮想通貨の種類で異なる
ビットコインは0.0004BTC
無料
※各取引所(販売所)の公式サイト(CoincheckBITPOINTGMOコインbitFlyerDMM Bitcoin)を参照して筆者作成(2021年10月6日時点)
*1 振込(振込手数料は利用者の負担)と即時入金ともに入金手数料無料
*2 振込(振込手数料は利用者の負担)の場合は入金手数料無料
*3 振込(振込手数料は利用者の負担)と住信SBIネット銀行からのクイック入金の場合は入金手数料無料
*4 振込(振込手数料は利用者の負担)とクイック入金ともに入金手数料無料
*5 BitMatch取引手数料は銘柄により異なる


これらの取引所(販売所)5社のうち、どれがよいかは取引スタイルなどで変わる。

ここでは、手数料の中でも取引手数料を重視した取引所(販売所)ランキングTOP5を紹介しよう。

1位,Coincheck……取引所と販売所での取引手数料が無料

2位,Coincheck……取引所と販売所での取引手数料が無料
Coincheck
Coincheckは、ダウンロード数と取り扱い通貨数がNo.1(Coincheck社による発表)の取引所だ。現在は、東証一部上場のマネックスグループ傘下である。

出典:Coincheck『Coincheckが選ばれる理由』

Coincheckの手数料(税込)

口座開設手数料
テキストテキスト
無料
日本円の入金手数料 銀行振込 無料(振込手数料は利用者の負担)
コンビニ入金 3万円未満 770円
3万円以上
30万円以下
1,018円
クイック入金 3万円未満 770円
3万円以上
50万円未満
1,018円
50万円以上
50万円未満
入金金額×0.11% +495 円
日本円の出金手数料
テキストテキスト
407 円
取引所での取引手数料
テキストテキスト
無料
販売所での取引手数料
テキストテキスト
無料
仮想通貨の送金手数料 仮想通貨の種類で異なる
ビットコインは0.0005 BTC
※Coincheck公式サイトの「手数料」「取引所手数料」を参照して筆者作成(2021年10月6日時点)

Coincheckの日本円の入金手数料は、銀行振込なら無料です。銀行振込の振込手数料は利用者の負担になるため、ネット銀行などの振込手数料無料のサービスを利用するといいでしょう。
松本雄一

取引所と販売所での取引手数料はどちらも無料です。スプレッドが狭い仮想通貨を選べば、取引手数料を節約できます。

2位,BITPOINT……日本円の入金手数料、仮想通貨の取引手数料・送金手数料が無料

1位,BITPOINT……日本円の入金手数料、仮想通貨の取引手数料・送金手数料が無料

BITPOINT
BITPOINTは、各種手数料が無料のものが多く、初心者でも利用しやすい取引所(販売所)だ。

BITPOINTの手数料(税込)

口座開設手数料 無料
日本円の入金手数料 銀行振込 無料(振込手数料は利用者の負担)
即時入金 無料
日本円の出金手数料 330円
取引所での取引手数料 無料
販売所での取引手数料 無料
仮想通貨の送金手数料 無料
※BITPOINT公式サイトの「手数料」「よくあるご質問」を参照して筆者作成(2021年10月6日時点)

BITPOINTは、日本円の入金手数料が銀行振込と即時入金ともに無料です。

仮想通貨の送金手数料も無料だが、日本円の出金手数料は振込手数料として330円の負担がある。

松本雄一

BITPOINTの取引手数料は取引所と販売所ともに無料です。多くの手数料が無料のため、手数料を節約したい人はぜひチェックしたい取引所(販売所)です。

3位,GMOコイン……取引所の取引手数料は一部がマイナスのため手数料を受け取れる

GMOコイン
GMOコインは、オリコン顧客満足度調査(2021年)にて暗号資産取引所の現物取引ランキングで第1位を獲得。GMOインターネットグループで堅牢なセキュリティを期待できる取引所(販売所)である。

出典:オリコン『おすすめの暗号資産取引所 現物取引(仮想通貨)ランキング・比較』

GMOコインの手数料(税込)

口座開設手数料 無料
日本円の入金手数料 銀行振込 無料(振込手数料は利用者の負担)
即時入金 無料
日本円の出金手数料 無料
取引所での取引手数料 Maker(メイカー):-0.01%
Taker(テイカー):0.05%
販売所での取引手数料 無料
仮想通貨の送金手数料 無料
※GMOコイン公式サイトの「手数料費用」「入出金(日本円・暗号資産)」を参照して筆者作成(2021年10月6日時点)


GMOコインは、日本円の入出金手数料が無料であり、送金手数料も無料です。DMM Bitcoinと共に、少額から始める際に手数料を節約しやすい取引所(販売所)です。

取引手数料は販売所では無料だが、取引所では手数料が設定されている。

松本雄一

ただし、Maker(メイカー)の場合には取引手数料がマイナスであり、Makerでの取引では取引手数料を受け取れるメリットがあります。

Maker(メイカー)とは?
Makerとは、取引所の板に並ぶ指値注文の売買が成立した際に、その指値注文を出していた参加者である。逆に、その売買が成立した注文を出した相手方の参加者をTaker(テイカー)とよぶ。

出典:GMOコイン『Maker、Takerとは』

4位,bitFlyer……6年連続ビットコイン取引量国内No.1(※1)による取引しやすさ

4位,bitFlyer……6年連続ビットコイン取引量国内No.1による取引しやすさ
*1 Bitcoin 日本語情報サイト調べ。国内暗号資産交換業者における 2020年1月-12月の月間出来高(差金決済/先物取引を含む) 2021年10月31日現在(出典=bitFlyer

bitFlyer
bitFlyerは、ビットコインの取引量が2016年から2021年まで6年連続国内No.1(*2)(bitFlyer社による発表)であり、流動性が高いことによる取引しやすさを期待できる。
*2 Bitcoin 日本語情報サイト調べ。国内暗号資産交換業者における 2016年-2020年の年間出来高(差金決済/先物取引を含む) 2021年10月31日現在(出典=bitFlyer


bitFlyerの手数料(税込)

口座開設手数料 無料
日本円の入金手数料 銀行振込 無料(振込手数料は利用者の負担)
クイック入金 住信SBIネット銀行から 無料
住信SBIネット銀行以外から 330円
日本円の出金手数料 三井住友銀行の場合 3万円未満 220円
3万円以上 440円
三井住友銀行以外の場合 3万円未満 550円
3万円以上 770円
取引所での取引手数料 0.01~0.2%
ビットコインは0.01 ~ 0.15%
販売所での取引手数料 無料
仮想通貨の送金手数料 仮想通貨の種類で異なる
ビットコインは0.0004BTC
※bitFlyer公式サイトの「手数料一覧・税」を参照して筆者作成(2021年10月6日時点)


bitFlyerの日本円の入金手数料は、銀行振込なら無料です。住信SBIネット銀行の口座を持っているなら、住信SBIネット銀行からのクイック入金も手数料無料で利用できます。

取引手数料は販売所では無料だが、取引所では0.01~0.2%の負担がある。

松本雄一

ただし、bitFlyerは国内トップレベルの取引量があるため、取引手数料の負担を上回る取引しやすさのメリットを得られる可能性があります。

5位,DMM Bitcoin……取引所と販売所のハイブリッド方式であるBitMatch取引が特徴

DMM Bitcoin
DMM Bitcoinは、取引所がなく販売所のみの提供だが、取引所と販売所のハイブリッド方式といえるBitMatch取引が利用可能だ。BitMatch取引では、取引所方式での売買が成立すれば、販売所のスプレッドよりも低い手数料での取引を期待できる。

DMM Bitcoinの手数料(税込)

口座開設手数料 無料
日本円の入金手数料 銀行振込 無料(振込手数料は利用者の負担)
クイック入金 無料
日本円の出金手数料 無料
取引所での取引手数料 取引所なし
販売所での取引手数料 無料(BitMatch取引を除く*1)
仮想通貨の送金手数料 無料
※DMM Bitcoin公式サイトの「暗号資産(仮想通貨)取引の手数料について」を参照して筆者作成(2021年10月6日時点) *1 BitMatch取引手数料は現物取引の場合は2~44円(取引単位あたり)


DMM Bitcoinでは、日本円の入金手数料は銀行振込とクイック入金ともに無料。日本円の出金手数料も無料であり、少額から始めたい人が入出金の手数料を節約できる嬉しい料金設定です。

販売所の取引手数料は無料で、BitMatch取引の場合には取引手数料の負担の代わりにスプレッドなしの取引ができる。

BitMatch取引

BitMatch取引は、販売所方式と取引所方式(オークション方式)を合わせた DMM Bitcoin独自の取引方法。BitMatchで、売り手と買い手のマッチングが行われるが、約定における取引相手はDMM Bitcoinとなる。

出典:DMM Bitcoin『BitMatch注文とは?』

【関連記事】
>>仮想通貨投資に向いている人、向いていない人の特徴とは?

3.仮想通貨(暗号資産)の手数料を比較する2つのポイント

3.仮想通貨(暗号資産)の手数料を比較する2つのポイント
(画像=MONEY TIMES編集部制作)

仮想通貨の手数料はどのようなポイントで比較すればよいのだろうか。

仮想通貨の「取引手数料」と「スプレッド」に焦点を当てて、考えてみたい。

仮想通貨手数料の比較ポイント1,取引頻度に応じて「取引手数料」の重要性が上がる

仮想通貨の取引手数料は、取引の頻度によって重要性が変わってくる。

長期投資などで取引頻度が低ければ取引手数料を負担する頻度は低く、デイトレードなどで頻繁に取引する場合は、取引手数料を頻繁に負担する。

そのため、取引頻度が高い場合は取引手数料の負担が大きくなり、取引手数料の重要性が上がることになります。頻繁に取引する場合には、取引手数料を重視して利用する取引所(販売所)を決めましょう。

仮想通貨手数料の比較ポイント2,取引に慣れていないなら「スプレッド」を重視

スプレッドは取引手数料と違って、公式サイトで簡単に比較できない。

そのため、取引に不慣れなうちは、取引所(販売所)によるスプレッドの違いが分かりにくい。

スプレッドの比較では、「時間帯」と「取引量」が注意すべきポイントです。

スプレッドは時間帯によって変動することがあるため、スプレッドの比較は同じ時間帯で比較するのがよいだろう。

また、仮想通貨の価格が急変した場合にはスプレッドが拡大することがあるので気を付けたい。

取引量が少ない取引所(販売所)はスプレッドが大きく、取引量が多いところはスプレッドが小さい傾向がある。

松本雄一

仮想通貨の取引量が多く、人気がある取引所(販売所)を利用するのがおすすめです。

仮想通貨取引に慣れていない場合には、手数料を抑えるためにスプレッドを重視して取引所(販売所)を比較しましょう。スプレッドを比較するには、販売所では注文画面の販売価格と売却価格の差から確認できます。

【関連記事】 >>仮想通貨のマイニング(採掘)とは何?仕組みをわかりやすく解説

4.仮想通貨(暗号資産)の取引手数料を節約する方法

4.仮想通貨(暗号資産)の取引手数料を節約する方法
(画像=MONEY TIMES編集部制作)

取引手数料を節約するために、いくつかの方法を紹介しよう。

仮想通貨の取引手数料を節約する方法
  • メインで使う取引所(販売所)と売買したい仮想通貨を見極める
  • 販売所ではなく取引所を利用する
  • 手数料が安い取引所を選ぶ

節約方法1,メインで使う取引所(販売所)と売買したい仮想通貨を見極める

スプレッドは仮想通貨の種類によって異なる。

さまざまな取引所(販売所)にて多種の仮想通貨を取引すると、スプレッドが大きい取引から小さい取引まで混在し、スプレッドを含む手数料の把握が難しくなる。

スプレッドを含めた取引手数料を把握しやすくするには、メインで取引する取引所(販売所)と仮想通貨の種類を絞り込むのがおすすめです。

節約方法2,販売所ではなく取引所を利用する

仮想通貨取引所と販売所はどちらを利用したほうがよいのだろうか。

取引所と販売所を比較するポイントはスプレッドです。

仮想通貨販売所のスプレッドは、販売所の業者にて決められるため、スプレッドが広くなりやすい傾向がある。

仮想通貨取引所では、売り注文と買い注文の受給から売りと買いの差額が生じるため、一般的に販売所のスプレッドよりも差額が少ない傾向だ。

松本雄一

そのため、売りと買いの差額が少ない傾向の「取引所」から利用するところを探すのがおすすめです。

節約方法3,手数料が安い取引所を選ぶ

複数の仮想通貨取引所から利用するところを決めるには、手数料を比較するのがよいでしょう。

比較する手数料は、前述の手数料比較表を参考にして、口座開設手数料、入出金手数料、取引所の取引手数料だ。

仮想通貨を送金することがあれば、送金手数料も比較しておきたい。

これらの手数料を比較して、手数料が安い取引所を選ぶのがおすすめだ。

【関連記事】
>>仮想通貨投資を始めるなら考えたい国内取引所5選

5.仮想通貨の少額取引では手数料の節約が重要

5.仮想通貨の少額取引では手数料の節約が重要
(画像=(写真= jirsak/stock.adobe.com))

仮想通貨の手数料は、定率と定額の2種類に分けられる。

定率の手数料

扱う金額によって手数料が変動

定額の手数料

扱う金額にかかわらず一定の金額を負担

仮想通貨の取引に関する手数料は定率が多く、入出金や送金に関する手数料は定額が多い傾向だ。

たとえば、取引の際には取引金額の定率0.XX%の手数料があり、入金の際には定額XXX円の手数料負担があるような場合だ。

松本雄一

仮想通貨の少額取引では、定額の手数料では手数料率が高くなります。手数料を節約するように意識しましょう。

例として、1万円と100万円をCoincheckに入金して取引し、その後出金した場合の定額の手数料の負担を比較してみたい。

入金方法としてクイック入金を利用した場合の比較が次だ。

Coincheckにクイック入金にて入金し、出金した場合の手数料比較(1万円と100万円のケース)

資金 1万円 100万円
入金手数料 (クイック入金) 770円 1,595円 (1,000,000円×0.11% + 495 円)
出金手数料 407円 407円
入出金手数料 合計 1,177円 2,002円
資金に対する 手数料の比率 約12% (1,177÷10,000) 約0.2% (2,002÷1,000,000)
※Coincheck公式サイトの「手数料」を参照して筆者作成(2021年10月6日時点)


このケースでは、資金が100万円の場合の入出金手数料は約0.2%に対して、1万円の場合は約12%もの手数料負担になる。

入金にクイック入金ではなく銀行振込を利用し、ネット銀行などの振込手数料無料のサービスを利用して入金手数料を節約する場合が次だ。

Coincheckに銀行振込にて入金し、出金した場合の手数料比較(1万円と100万円のケース)

資金 1万円 100万円
入金手数料 (振込手数料無料の銀行振込) 0円 0円
出金手数料 407円 407円
入出金手数料 合計 407円 407円
資金に対する 手数料の比率 約4% (407÷10,000) 約0.04% (407÷1,000,000)
※Coincheck公式サイトの「手数料」を参照して筆者作成(2021年10月6日時点)


このケースでは、入金をリアルタイム入金から銀行振込(振込手数料無料)へ変更したことで、資金(1万円)に対して約8%もの手数料を節約できた。

松本雄一

このように、資金が少額の場合には手数料の節約が重要です。入出金以外に定額の手数料負担がある場合にも注意しましょう。p>

【関連記事】
>>仮想通貨取引はFXとどう違う? 類似点と相違点を比較

6.仮想通貨の手数料でよくある4つのFAQ

6.仮想通貨の手数料でよくある4つのFAQ
(画像=(写真= christianchan/stock.adobe.com))

仮想通貨の手数料について、よくある質問を確認しよう。

手数料の安い仮想通貨取引所は?
資金額や入出金・取引の頻度などによって手数料を重視するポイントはさまざまである。そのため、どの仮想通貨取引所の手数料が一番安いとは一概には言えない。
松本雄一

その人の資金額や取引のスタイルにより重視するポイントを見極めて、取引所の手数料を比較するのがおすすめです。取引頻度が低いなら取引手数料の重要度はあまり高くありませんが、取引頻度が高いなら取引手数料を重視しましょう。

仮想通貨取引にかかる5つの手数料とは?
仮想通貨の現物取引にかかる手数料は「口座開設手数料」「日本円の入出金手数料」「スプレッド」「取引手数料」「送金手数料」の5つだ。
口座管理手数料
口座開設手数料は仮想通貨の取引所(販売所)に口座をつくる手数料であり、無料の場合が多い。
日本円の入金手数料
日本円の入金手数料は、仮想通貨を買うための資金を入れる手数料であり、利用する銀行などの金融機関によって手数料が変わることがある。日本円の出金手数料は有料と無料の取引所(販売所)がある。
スプレッド
スプレッドは、買値(Ask)と売値(Bid)の差であり、仮想通貨では販売所が設定する買値と売値の差を意味するのが一般的だ。
取引手数料
取引手数料は、取引所では無料や定率の手数料負担などがある。GMOコインの取引所のように、一部でマイナスの手数料の設定もある。販売所の取引手数料は無料のところが多い。販売所はスプレッドで利益を得るため、取引手数料の負担を省く傾向があるからだ。
仮想通貨の送金手数料
仮想通貨の送金手数料は、取引所(販売所)に払う手数料だ。送金の際には、マイナー(採掘者)に払うマイナー手数料も必要である。
取引所の手数料を比較するポイントは?

取引頻度が高いなら、取引所の取引手数料が重要なポイントになる。取引所の取引手数料が無料なのは、CoincheckやBITPOINTだ。Maker(メイカー)の場合はマイナス手数料になるGMOコインは、使い方次第で手数料を受け取れる。

また、bitFlyerやDMM BitcoinのBitMatch取引は手数料負担があるものの、取引量の多さが取引しやすさのメリットになる可能性がある。

入出金の手数料を比較すると、手数料無料で入出金可能なのはDMM BitcoinとGMOコインだ。送金手数料では、DMM BitcoinとGMOコイン、BITPOINTが無料である。

松本雄一

これらのポイントを考慮して、取引所の手数料を比較するのがおすすめです。

取引手数料を節約するには?
取引手数料を節約するには、取引手数料が無料でスプレッドが広い販売所よりも、取引手数料が低い取引所を選ぶのがおすすめである。
取引所選びでは取引手数料が低いことも大切ですが、取引しやすさも重視しましょう。取引量が多ければ取引が成立しやすくなり、有利な価格で取引できることがあります。
松本雄一

取引所によって仮想通貨ごとの取引量は異なります。慣れてきたら、仮想通貨ごとに取引所を使い分けるなど工夫することで、お得な取引につながる可能性があります。

【関連記事】
>>仮想通貨の取引所とは 販売所とどう違う?


松本雄一
執筆・松本雄一
外資系コンピューター会社にてカスタマーサポート・開発・セキュリティ対策などを経験後に独立。自らの投資経験をもとに株式や投資信託などの投資情報を発信している。興味のある分野はフィンテックや新しい金融商品など。
外資系コンピューター会社にてカスタマーサポート・開発・セキュリティ対策などを経験後に独立。自らの投資経験をもとに株式や投資信託などの投資情報を発信している。興味のある分野はフィンテックや新しい金融商品など。


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