つみたてNISA(積立NISA)の銘柄で最強な投資信託はどれ?投資初心者が銘柄を選ぶときのポイントも解説

2020.10.2
投資

つみたてNISAを使えば、「分散・積立・長期」という投資の三原則を自動的に満たすことができる。資産形成のノウハウをこれから学ぶ初心者にうってつけだ。金融庁選りすぐりの商品だけが対象となっているが、なかでも注目すべきはどのような銘柄だろうか。

目次
1.最強の銘柄を選ぶときの3つのポイント
2.有力な投資信託5選
3.つみたてNISAが最強の投資である3つの理由
4.リスク面とコスト面で最強な銘柄選びを

1.つみたてNISA(積立NISA)で最強の銘柄を選ぶときの3つのポイント

つみたてNISAの対象商品は指定インデックス投資信託156本、アクティブ運用投資信託等18本、上場株式投資信託(ETF)7本のみだ(2020年4月1日発表時点)。これらは全て安全性・コスト面で問題なしと金融庁がお墨付きを与えたもので、初心者にとって負担の大きい銘柄選びの手間がかなり軽減されている。
それでも、100本を超える商品から自分に最適なものを選び出さなければならない。何を基準にすればよいのだろうか。堅実に、できればあまり手間をかけたくない投資初心者は次の3点を重視するのがいいだろう。

⑴1本でバランスよく投資できる

初めから自分でポートフォリオを組むのは難しい。投資信託1本で全世界や複数資産に投資できる商品を検討するのも1つの手だ。銘柄選びでリスクを分散する方法としては、「地域分散」と「資産分散」がある。

地域分散は異なる地域の銘柄や通貨に投資することで、特定の地域の値下がりを別の地域の値上がりでカバーするために行う。資産分散は特性の異なる複数の資産を組み合わせる分散投資方法だ。資産の種類とは、国内株式・国内債券・海外株式・海外債券・国内REIT・海外REITなどを指す。

市場全体に投資できるのがインデックス投資信託だ。地域範囲は日本全体、米国全体、先進国全体、全世界と、該当する指数をベンチマークとするファンドを選べばよい。複数の資産を組み入れているファンドは「バランス型」と呼ばれる。

つみたてNISAに強いネット証券TOP3
ネット証券
会社名
取扱
商品数
最低
積立
金額
ポイント還元
つみたてNISAの
取扱商品数1位

SBI証券
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162 100円 年率0.1%~
楽天カード決済で
還元率1%超

楽天証券
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158 100円 年率0.12%~
初心者でも安心
手厚いサポート体制

松井証券
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152 100円 信託報酬ー0.3%

(2)純資産総額が大きく増加傾向にある

つみたてNISAのように長期で投資をするのであれば、成長性より安定性に着目したい。投資信託の安全性をはかるには、純資産総額が参考になる。純資産総額は基準価額に受益者口数を掛けたもので、投資信託の規模を表す。この金額が大きいほど安定性が高い。

つみたてNISA対象商品の純資産総額は極端に低いものは存在しない。対象商品の純資産総額の条件はアクティブ運用投信の場合「50億円以上」に設定されている。インデックス型投信には特に規定はないが、100億を超えればまずまずだと考えて良い。

だが、純資産総額が大きくても減少傾向なら要注意だ。組み入れている有価証券の時価下落や保有者が売却に動いている可能性がある。逆に、順調に資金が流入しているファンドなら今後の成長も期待できる。

参考にSBI証券のつみたてNISA対象銘柄のうち、調査時点で純資産総額が上位10本の銘柄を抽出し、かつ純資産総額の前月比増加率が高いファンド順にランキングにまとめた(※下の表は2020年9月1日時点を基準とする)。

純資産総額増加率ランキング(前月比伸び率)
    純資産総額(百万円) 前月比 3ヵ月比
1 eMAXIS Slim 米国株式
(S&P500)
150,450 16.69% 46.10%
2 楽天・全米株式
インデックス・ファンド
134,108 12.19% 30.70%
3 eMAXIS Slim 先進国株式
インデックス
125.198 9.54% 26.00%
4 <購入・換金手数料なし>
ニッセイ外国株式
インデックスファンド
198,516 7.51% 18.09%
5 SMT グローバル株式
インデックス・オープン
79,067 6.00% 12.69%

純資産総額の高さでは、レオス・キャピタルワークスの「ひふみプラス」とセゾン投信の「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」が抜きんでているが、ここ1ヵ月の伸び率では上の表のような結果となった。上位は1,000億円を超えるファンドが並ぶ。1位の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は7月時点でも伸び率がトップだ。純資産総額は3ヵ月で40%以上の増加である。

2番手につけたのは楽天投信の「楽天・全米株式インデックス・ファンド」だ。1ヵ月で12%、3ヵ月で30%以上純資産総額を伸ばしている。この2銘柄から分かるのは米国株式市場の好調さだ。米国株式市場の時価総額の約80%をカバーしているS&P500は1年の年次リターン16.65%のプラス、四半期でも10.54%のプラスになっている。

3位の「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」と4位の「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」は、ともに先進国株式の指数をベンチマークにしている。米国や欧州など幅広い国々が対象だが、実態は大部分を米国株式が占めるなど、米国株式市場の影響を大きく受ける。株価上昇により組み入れ銘柄の時価総額が上昇し、純資産総額を押し上げたと考えられる。

⑶信託報酬が安い

投資信託は便利な金融商品だが、運用をプロに委ねるため「信託報酬」という手数料が発生することが難点だ。つみたてNISAは長期で運用するものなので、信託報酬の安さは重要である。

あくまでも試算だが、信託報酬が0.1%の投資信託に毎月3万円を積み立てて20年間運用すれば、費用は信託報酬だけで7万2,795円だが、0.2%なら14万4,626円だ。長期投資では0.1%の違いが大きな差となる。

つみたてNISAの対象商品からはあらかじめ極端に信託報酬が高いものは除外されている。つみたてNISAの投資信託の信託報酬は法令上の上限が決められており、国内外・海外に投資するファンドは0.75%(税抜)、国内向けは0.5%(税抜)を超えては設定できない。つみたてNISA対象の公募投信(株式型)の信託報酬率の平均はインデックス型で0.27%、アクティブ型で0.96%(2020年4月1日時点)だ。

実際に取引されている公募投信(インデックス投信)の信託報酬は、国内外・海外向け平均が0.32%、国内向け平均が0.27%となっており、法令よりはるかに低く抑えられている。つみたてNISAは非課税期間が20年という制度上の特徴から長期投資のインセンティブが働き、金融機関にとっては信託報酬率が低くても十分に利益が見込める分野となっていることが大きい。

信託報酬は高いものでは2%を超える。ただ、投資信託の信託報酬率はどんどん低下する傾向にあるため、つみたてNISAの中でもできるだけコストの安いものを選びたい。

つみたてNISAで買える信託報酬が安いファンドをみてみよう。対象期間は2020年5月末時点だ。

    信託報酬等(税込)
1 野村スリーゼロ先進国株式投信 0.00%
2 SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド 0.09%
3 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 0.10%
4 SBI先進国株式インデックス・ファンド 0.10%
5 ニッセイ 外国株式インデックスファンド 0.10%
6 eMAXIS Slim先進国株式インデックス 0.10%
※※モーニングスタースター社の低信託報酬ランキングより
 

注目なのが「野村スリーゼロ先進国株式投信」だ。購入時手数料、信託財産留保額が無料であるだけでなく、なんと信託報酬までが0円となっている。ここまで安くできるのは多くの条件が付けられているからだ。

たとえばこの商品は野村オンラインサービスからのみ申し込めるつみたてNISA専用商品で、野村證券の窓口や他社で購入することはできない。メールアドレス・Web交付サービス・メール交付サービスに登録している人のみが対象だ。しかも、信託報酬0%は2030年12⽉31⽇までの期限付き。2031年1⽉1⽇以降は0.11%(税抜0.10%)が課せられる。

なお、つみたてNISA口座対応の証券会社を、信託報酬率が0.3%以下の投資信託の取扱数で比較したのが以下の表だ。

信託報酬率0.3%以下の商品取扱数ランキング
ネット証券 取扱商品数
1位 SBI証券 80本
国内金融機関で最多
2位 楽天証券 79本
3位 松井証券 75本
4位 au カブコム証券 72本
※2020年6月5日時点

2.つみたてNISA(積立NISA)銘柄で有力な投資信託5選

つみたてNISA人気銘柄を見ると、上述の条件を満たしたものが多い。各証券会社が提供している「積立設定件数」や「資金流入」のランキングを用いて、よく買われている5銘柄を選出した。選出にあたり代表的な金融機関であるSBI証券、楽天証券、松井証券、マネックス証券のデータを総合した(2020年9月7日時点の情報より)。

1位——eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)……好調の米国株式指数をベンチマークにし基準価額が増加傾向 

  • 純資産総額……1,543.66億円
  • 信託報酬……0.0968%(税込)

三菱UFJ国際投信の松田通社長は、「eMAXIS Slim(イーマクシススリム)シリーズ」が2020年9月に合計純資産残高 5,000 億円を突破したと発表した。低コスト追求で人気を博している同シリーズだが、まだ設定来5年も経たないうちに代表的なファンドシリーズに成長した。

中でも成長著しいのが「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」だ。好調の米国株式指数をベンチマークにし、信託報酬は年率0.1%を切る低さだ。基準価額はまだコロナ前までには戻り切っていないが、3ヵ月で8.5%、1ヵ月で3.3%と順調に上げてきている。

<購入できる金融機関例>

  • SBI証券 
  • 楽天証券 
  • 松井証券 
  • マネックス証券 
  • auカブコム証券

2位——eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)……世界中の株式に低コストで分散投資が可能

  • 純資産総額……457.50億円
  • 信託報酬……0.1144%(税込)

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim(イーマクシススリム)シリーズ」のグローバル分散投資銘柄だ。日本を含む先進国および新興国の株式市場に連動する。自身で地域分散をおこなうのが難しい場合はこれ1銘柄で全世界に投資できる。

とはいえ米国株式の組み入れ比率が55.8%と圧倒的だ。騰落率を市場別に見ると、意外に新興国株式の寄与度が高い。現在は米国が好調だが、今後のことを考えると幅広い地域を組み入れているファンドが期待できるのかもしれない。

<購入できる金融機関例>

  • SBI証券 
  • 楽天証券 
  • 松井証券 
  • マネックス証券 
  • auカブコム証券

3位——eMAXIS Slim 先進国株式インデックス……日本を除く先進国の株式市場の動向を表す指標に連動

  • 純資産総額……1,245.27億円
  • 信託報酬……0.1023%(税込)

各証券会社の月間積立設定件数を集計すると、1位から3位までが三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim(イーマクシススリム)シリーズ」という結果になった。信託報酬の安さに加え、分かりやすさも一因と考えられる。

「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」の場合、MSCIコクサイ・インデックスという、日本を除く先進国の株式市場の動向を表す指標に連動する。国内向けや株式以外の資産を対象とする銘柄と合わせてバランスを取ると良い。

<購入できる金融機関例>

  • SBI証券 
  • 楽天証券 
  • 松井証券 
  • マネックス証券 
  • auカブコム証券

4位——<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド……低コストにこだわったインデックス型

  • 純資産総額……195,890億円
  • 信託報酬……0.1023%(税込)

<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドは、ニッセイアセットマネジメントが展開する、「<購入・換金手数料なし>シリーズ」の先進国株式を対象とするインデックスファンドだ。ベンチマークは「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」と同じMSCIコクサイ・インデックスである。どちらも信託報酬が0.1023%と、お互いに意識しているかのようだ。設定当初は0.4095%だった信託報酬は徐々に引き下げられ現在の水準になっている。

<購入できる金融機関例>

  • SBI証券 
  • 楽天証券 
  • 松井証券 
  • マネックス証券 
  • auカブコム証券

5位——楽天・全米株式インデックス・ファンド……大型株から小型株まで網羅し米国株式市場全体に投資

  • 純資産総額……1348.13億円
  • 信託報酬……0.162%(税込)

楽天・全米株式インデックス・ファンドは、楽天投信投資顧問のインデックスファンドシリーズの1つだ。愛称は「愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式)」である。CRSP USトータル・マーケット・インデックスに連動することで米国株式市場全体に投資する。

他の米国株式指数との違いは、大型株から小型株まで網羅していることにある。銘柄数も約3,500と、NYダウ30銘柄やS&P500に比べて幅広い。ETFに関心がある人なら、バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)に投資するといったほうが分かりやすいかもしれない。

<購入できる金融機関例>

  • SBI証券 
  • 楽天証券 
  • 松井証券 
  • マネックス証券 
  • auカブコム証券

3.つみたてNISA(積立NISA)が投資初心者にとって最強の投資である3つの理由

金融投資で重要なことは、いかに「当たり」を引くかではなく、いかに「ハズレ」を引かないかという点にある。数多ある金融商品の中から値上がりするものを探し当てられるかが焦点になりがちだが、そうではない。予測は誰にも不可能であり、リスクをどれだけコントロールできるかが結果を左右する。

そのリスクコントロールに必要なのが先ほど述べた「長期・分散・積立」の原則だ。つみたてNISAはあらかじめこれらに沿った投資しかできない仕組みになっている。しかも値上がり益と分配金は非課税だ。

異なる種類に投資してリスクを分散できる

「分散投資」という言葉は聞いたことがあるだろう。1種類の金融商品に全額突っ込むのではなく、値動きの異なる複数の商品に分けてリスクを軽減する投資の基本である。複数の事業を手掛けることで特定事業が落ち込んだときもカバーできる総合商社の手法と似ている。

分散投資は投資先の「地域」を分散する方法と、株式・債券・REITなど「資産」を分散する方法がある。投資信託ならそのどちらも満たす商品が存在する。

「ドルコスト平均法」により買値を抑えられる

投資は「安いときに買って高いときに売る」ことによって値上がり益が得られる。しかし、売買のタイミングはプロにも難しい。そこで購入のタイミングを分散させる積立投資という方法を活用する。毎月など一定額ずつ購入することで高値づかみを防ぎ、購入金額を抑えることができる。

また、一定額内で購入するので、安いときには口数を多く、高いときには少しだけといった買い方が自然とできる。これを「ドルコスト平均法」という。もちろん万能ではない。値下がりが続く株や投資信託ではこの手法を使っても損をする。値上がりを続ける銘柄であれば一括で買って売ったほうが利益は高くなる。しかし、上昇と下落を繰り返すケースであれば、ドルコスト平均法はその威力を発揮する。

長期投資することで収益がプラス化しやすい

銘柄選定や売買のタイミングが難しい金融投資では、時間を味方に付けることによって初心者でも元本割れする可能性をかなり低くすることができる。金融庁の調査では、保有期間が5年の場合よりも20年のほうが運用成績はプラスに安定することが明らかになっている。利益を再投資することで得られる複利の効果も長期になるほど大きい。

金融商品のなかには値動きが激しいものや数年で廃止になってしまうなど長期投資に向かないものが存在する。しかし、つみたてNISAでは信託契約期間が長く分配頻度が毎月ではないといった長期投資に適した条件を満たす商品に限られている。

4.つみたてNISA(積立NISA)ではリスク面とコスト面で最強な銘柄を選ぶ

先ほど紹介したのは現時点で安定性・コスト面で優良と考えられるファンドだが、将来を保証するものではない。選ぶ基準のほうを参考にしていただきたい。慣れてくれば新興国やREITなどにも挑戦してみてもいいだろう。その際には、つみたてNISAがふさわしいのか、あるいは一般NISAや特定口座が適しているのかの検証も併せて必要である。

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篠田わかな
執筆・篠田わかな
外資系経営コンサルティング会社で製造・物流・小売部門のコンサルタント業務/システム改革プロジェクトに参画。退職後独学でFP技能士の資格を取得。開業して個人事業主となり、マネー・ビジネス分野の執筆、企業からの請負業務を手がける。
外資系経営コンサルティング会社で製造・物流・小売部門のコンサルタント業務/システム改革プロジェクトに参画。退職後独学でFP技能士の資格を取得。開業して個人事業主となり、マネー・ビジネス分野の執筆、企業からの請負業務を手がける。
 
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