つみたてNISA(積立NISA)で最強の銘柄はどれ?投資初心者が投資信託を選ぶときのポイントを解説

2020.7.3
投資

つみたてNISAを使えば、「分散・積立・長期」という投資の三原則を自動的に満たすことができる。資産形成のノウハウをこれから学ぶ初心者にうってつけだ。金融庁選りすぐりの商品だけが対象となっているが、なかでも注目すべきはどのような銘柄だろうか。

目次
1.最強の銘柄を選ぶときの3つのポイント
2.有力な投資信託5選
3.つみたてNISAが最強の投資である3つの理由
4.リスク面とコスト面で最強な銘柄選びを

1.つみたてNISA(積立NISA)で最強の銘柄を選ぶときの3つのポイント

つみたてNISAの対象商品は指定インデックス投資信託156本、アクティブ運用投資信託等18本、上場株式投資信託(ETF)7本のみだ(2020年4月1日発表時点)。これらは全て安全性・コスト面で問題なしと金融庁がお墨付きを与えたもので、初心者にとって負担の大きい銘柄選びの手間がかなり軽減されている。
それでも、100本を超える商品から自分に最適なものを選び出さなければならない。何を基準にすればよいのだろうか。堅実に、できればあまり手間をかけたくない投資初心者は次の3点を重視するのがいいだろう。

⑴1本でバランスよく投資できる

初めから自分でポートフォリオを組むのは難しい。投資信託1本で全世界や複数資産に投資できる商品を検討するのも1つの手だ。銘柄選びでリスクを分散する方法としては、「地域分散」と「資産分散」がある。

地域分散は異なる地域の銘柄や通貨に投資することで、特定の地域の値下がりを別の地域の値上がりでカバーするために行う。資産分散は特性の異なる複数の資産を組み合わせる分散投資方法だ。資産の種類とは、国内株式・国内債券・海外株式・海外債券・国内REIT・海外REITなどを指す。

市場全体に投資できるのがインデックス投資信託だ。地域範囲は日本全体、米国全体、先進国全体、全世界と、該当する指数をベンチマークとするファンドを選べばよい。複数の資産を組み入れているファンドは「バランス型」と呼ばれる。

つみたてNISAに強いネット証券TOP3
ネット証券
会社名
取扱
商品数
最低
積立
金額
ポイント還元
つみたてNISAの
取扱商品数1位

SBI証券
詳細はこちら
162 100円 年率0.1%~
楽天カード決済で
還元率1%超

楽天証券
詳細はこちら
158 100円 年率0.12%~
初心者でも安心
手厚いサポート体制

松井証券
詳細はこちら
152 100円 信託報酬ー0.3%

⑵純資産総額が大きく増加傾向にある

純資産総額とは投資信託の規模を表すもので、人気のあるファンドは純資産総額が大きい。つまり安定性が高いと言える。つみたてNISAのように長期で投資をするのであれば、成長性よりは安定性に着目したい。

つみたてNISAは一定以上の純資産があることが条件なので、極端に低いものは存在しない。対象商品の純資産残高の条件はアクティブ運用投信の場合「50億円以上」に設定されている。インデックス型投信には特に規定はないが、100億を超えるものはかなりの大型ファンドと考えていい。

参考にSBI証券のつみたてNISAの月間積立設定件数ランキング(5/1~5/31)の上位10本のうち、純資産総額が全体の上位10位以内で、純資産総額の前月比増加率が高いファンド順に表にまとめた(※下の表は2020年6月1日時点を基準とする)。

純資産増加率ランキング(前月比伸び率)
    純資産総額(百万円) 前月比 3ヵ月比
1 eMAXIS Slim 米国株式
(S&P500)
102,975 16.72% 83.80%
2 ニッセイ日経225
インデックスファンド
152,387 12.71% 10.26%
3 楽天・全米株式
インデックス・ファンド
102,604 12.42% 32.56%
4 eMAXIS Slim
先進国株式インデックス
99,363 12.14% 30.66%
5 レオス-ひふみプラス 542,625 10.28% 13.64%
※筆者作成

コロナウイルス感染症拡大の影響で3月はどの銘柄も基準価額を大きく下げており、純資産総額も減少傾向が続いていた。しかしその反動で4月から6月にかけて純資産は軒並み増加しており、特に米国をはじめとする先進国に投資するファンドに資金が流入している。

三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は3ヵ月前に比べて83%以上純資産を増やした。同じく三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」や楽天投信投資顧問の「全米株式インデックス・ファンド」も前月から12%以上、3ヵ月で約30%の増額だ。

「ひふみプラス」は前月比増加率では10%程度だが、もともと純資産総額が高いので金額にすると相当である。総額5000億円超えは他社に大きく差をつけている。

⑶信託報酬が安い

投資信託は便利な金融商品だが、運用をプロに委ねるため「信託報酬」という手数料が発生することが難点だ。つみたてNISAは長期で運用するものなので、信託報酬の安さは重要である。

あくまでも試算だが、信託報酬が0.1%の投資信託に毎月3万円を積み立てて20年間運用すれば、費用は信託報酬だけで7万2,795円だが、0.2%なら14万4,626円だ。長期投資では0.1%の違いが大きな差となる。

つみたてNISAの対象商品からはあらかじめ極端に信託報酬が高いものは除外されている。つみたてNISAの投資信託の信託報酬は法令上の上限が決められており、国内外・海外に投資するファンドは0.75%(税抜)、国内向けは0.5%(税抜)を超えては設定できない。つみたてNISA対象の公募投信(株式型)の信託報酬率の平均はインデックス型で0.27%、アクティブ型で0.96%(2020年4月1日時点)だ。

実際に取引されている公募投信(インデックス投信)の信託報酬は、国内外・海外向け平均が0.32%、国内向け平均が0.27%となっており、法令よりはるかに低く抑えられている。つみたてNISAは非課税期間が20年という制度上の特徴から長期投資のインセンティブが働き、金融機関にとっては信託報酬率が低くても十分に利益が見込める分野となっていることが大きい。

信託報酬は高いものでは2%を超える。ただ、投資信託の信託報酬率はどんどん低下する傾向にあるため、つみたてNISAの中でもできるだけコストの安いものを選びたい。

つみたてNISAで買える信託報酬が安いファンドをみてみよう。対象期間は2020年5月末時点だ。

    信託報酬等(税込)
1 野村スリーゼロ先進国株式投信 0.00%
2 SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド 0.09%
3 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 0.10%
4 SBI先進国株式インデックス・ファンド 0.10%
5 ニッセイ 外国株式インデックスファンド 0.10%
6 eMAXIS Slim先進国株式インデックス 0.10%
※※モーニングスタースター社の低信託報酬ランキングより

注目なのが「野村スリーゼロ先進国株式投信」だ。購入時手数料、信託財産留保額が無料であるだけでなく、なんと信託報酬までが0円となっている。ここまで安くできるのは多くの条件が付けられているからだ。

たとえばこの商品は野村オンラインサービスからのみ申し込めるつみたてNISA専用商品で、野村證券の窓口や他社で購入することはできない。メールアドレス・Web交付サービス・メール交付サービスに登録している人のみが対象だ。しかも、信託報酬0%は2030年12⽉31⽇までの期限付き。2031年1⽉1⽇以降は0.11%(税抜0.10%)が課せられる。

なお、つみたてNISA口座対応の証券会社を、信託報酬率が0.3%以下の投資信託の取扱数で比較したのが以下の表だ。

信託報酬率0.3%以下の商品取扱数ランキング
ネット証券 取扱商品数
1位 SBI証券 80本
国内金融機関で最多
2位 楽天証券 79本
3位 松井証券 75本
4位 au カブコム証券 72本
※2020年6月5日時点

2.つみたてNISA(積立NISA)銘柄で有力な投資信託5選

上述のポイントを踏まえたものが、投資信託の有力な候補となるだろう。実際の人気銘柄と比較してみよう。証券会社が提供している「積立設定件数」や「資金流入」のランキングを用いて5銘柄を選出した。対象金融機関はSBI証券、楽天証券、松井証券、マネックス証券のデータを総合した(2020年6月26日時点の情報より)。

なお、これから紹介する投資信託を全て取り扱っているのはSBI証券のみとなっている。

>>SBI証券の詳細はこちら(SBI証券公式サイト)

1位——eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

  • 純資産総額……1,119.70億円
  • 信託報酬……年率0.0968%(税込)

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slimシリーズ」の中心的銘柄で、アメリカの主要株価指数S&P500をベンチマークとするインデックスファンドだ。eMAXIS Slimシリーズは信託報酬の低さと対象商品の分かりやすさから人気を博している。

米国株式に投資するこのファンドは純資産総額が1,000億円を超え、信託報酬は0.1%以下と全ファンドのベスト5に入る低コスト商品となっている。新型コロナウイルス流行に伴う基準価額下落から、多くのファンドは回復基調にあるが、特に米国をはじめとする先進国が投資対象の銘柄は回復が早い。

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)においては、2020年3月24日時点で8,432円だった基準価額は6月8日には1万1,948円をつけるほどだ。前出の純資産増加率ランキングでは前月比、3ヵ月比ともに1位となっている。

<購入できる金融機関例>

2位——eMAXIS Slim 先進国株式インデックス

  • 純資産総額……1,049.21億円
  • 信託報酬……0.1023%(税込)

同じく三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slimシリーズ」の先進国株式インデックスが2位に入った。MSCIコクサイ・インデックスに連動するよう設計されており、日本を除く先進国を投資対象とする。先進国と銘打ってあるが、実態は70%が米国への投資である。新型コロナウイルス流行による株価下落からの戻りが早いのはこの構成比率によるもののようだ。

2020年3月24日時点で9,110円だった基準価額は6月8日に1万2,912円、純資産総額は637.43億円から1,088.34億円にまで増加している。「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2018」で1位に選出された実績を持つ。

<購入できる金融機関例>

3位——楽天・全米株式インデックス・ファンド

  • 純資産総額……1,074.81億円
  • 信託報酬……0.162%(税込)

楽天投信投資顧問のインデックスファンドシリーズの1つ、楽天・全米株式インデックス・ファンドは3位にランクインした。バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)という上場投資信託に投資するのが大きな特徴で、米国株式市場の大型株から小型株まで広く分散投資できる。アメリカ全土に投資できるファンドはほかにあまり見かけない。

「S&P500」は主要株式を数値化したもので、楽天・全米株式インデックス・ファンドのほうがより多くの銘柄をカバーしている。銘柄名に「楽天」と入っているが、楽天証券以外の証券会社でも購入可能だ。2017年9月からの運用開始で、2020年5月には早くも純資産総額1,000億円を突破している。

<購入できる金融機関例>

4位——<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド

  • 純資産総額……1,731.58億円
  • 信託報酬……0.1023%(税込)

<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドは、ニッセイアセットマネジメントが運用する「<購入・換金手数料なし>シリーズ」の1つだ。日本を除く先進22か国の株式に投資し、新興国は対象とならない。MSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)社が提供する指数「MSCIコクサイ・インデックス」に連動している。

国別ではアメリカが71.2%と圧倒的で、アップルやマイクロソフトといった大型優良株が主な組み入れ銘柄だ。純資産残高はコロナショック直後も1,000億円を維持し、6月には1,700億円を超えている。日本や新興国は対象とせず、収益性の高い先進国企業全体に投資したい場合に向いている。

<購入できる金融機関例>

5位:ひふみプラス

  • 純資産総額……5,251.63億円
  • 信託報酬……1.078%(税込)

「ひふみプラス」はレオス・キャピタルワークスが運用するアクティブファンドだ。インデックス型のファンドが多くを占めるつみたてNISAにおいて、市場の平均以上のリターンの獲得を目指す数少ないファンドである。その規模は巨大で、純資産残高は5,000億円を超える。

特定のインデックスに連動するのではなく、国内外の市場価値が割安と考えられる銘柄を選別して積極運用を行う。株式組み入れ比率は状況に応じて変動し、国内および世界の大型株から超小型株までを投資対象とする。このように運用には手間とスキルを要するため、信託報酬は1%を超え、最近流行の低コスト銘柄の10倍と高めだが、アクティブファンドとしては低く抑えられているほうだ。

<購入できる金融機関例>

3.つみたてNISA(積立NISA)が投資初心者にとって最強の投資である3つの理由

金融投資で重要なことは、いかに「当たり」を引くかではなく、いかに「ハズレ」を引かないかという点にある。数多ある金融商品の中から値上がりするものを探し当てられるかが焦点になりがちだが、そうではない。予測は誰にも不可能であり、リスクをどれだけコントロールできるかが結果を左右する。

そのリスクコントロールに必要なのが先ほど述べた「長期・分散・積立」の原則だ。つみたてNISAはあらかじめこれらに沿った投資しかできない仕組みになっている。しかも値上がり益と分配金は非課税だ。

異なる種類に投資してリスクを分散できる

「分散投資」という言葉は聞いたことがあるだろう。1種類の金融商品に全額突っ込むのではなく、値動きの異なる複数の商品に分けてリスクを軽減する投資の基本である。複数の事業を手掛けることで特定事業が落ち込んだときもカバーできる総合商社の手法と似ている。

分散投資は投資先の「地域」を分散する方法と、株式・債券・REITなど「資産」を分散する方法がある。投資信託ならそのどちらも満たす商品が存在する。

「ドルコスト平均法」により買値を抑えられる

投資は「安いときに買って高いときに売る」ことによって値上がり益が得られる。しかし、売買のタイミングはプロにも難しい。そこで購入のタイミングを分散させる積立投資という方法を活用する。毎月など一定額ずつ購入することで高値づかみを防ぎ、購入金額を抑えることができる。

また、一定額内で購入するので、安いときには口数を多く、高いときには少しだけといった買い方が自然とできる。これを「ドルコスト平均法」という。もちろん万能ではない。値下がりが続く株や投資信託ではこの手法を使っても損をする。値上がりを続ける銘柄であれば一括で買って売ったほうが利益は高くなる。しかし、上昇と下落を繰り返すケースであれば、ドルコスト平均法はその威力を発揮する。

長期投資することで収益がプラス化しやすい

銘柄選定や売買のタイミングが難しい金融投資では、時間を味方に付けることによって初心者でも元本割れする可能性をかなり低くすることができる。金融庁の調査では、保有期間が5年の場合よりも20年のほうが運用成績はプラスに安定することが明らかになっている。利益を再投資することで得られる複利の効果も長期になるほど大きい。

金融商品のなかには値動きが激しいものや数年で廃止になってしまうなど長期投資に向かないものが存在する。しかし、つみたてNISAでは信託契約期間が長く分配頻度が毎月ではないといった長期投資に適した条件を満たす商品に限られている。

4.つみたてNISA(積立NISA)ではリスク面とコスト面で最強な銘柄を選ぶ

先ほど紹介したのは現時点で安定性・コスト面で優良と考えられるファンドだが、将来を保証するものではない。選ぶ基準のほうを参考にしていただきたい。慣れてくれば新興国やREITなどにも挑戦してみてもいいだろう。その際には、つみたてNISAがふさわしいのか、あるいは一般NISAや特定口座が適しているのかの検証も併せて必要である。

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執筆・

外資系経営コンサルティング会社にて製造・物流・小売部門のコンサルタントとして業務/システム改革プロジェクトに参画。退職後独学でFP技能士の資格を取得。開業して個人事業主となり、マネー・ビジネス分野の執筆、企業からの請負業務を手がける。
 

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