証券会社間で株を移動させる方法 メリットとデメリットも紹介

2019.2.1
INVESTMENT
(写真=NicoEINino/Shutterstock.com)
(写真=NicoEINino/Shutterstock.com)
どの証券会社にも、ほかの証券会社との間で株式を移動できるサービスがある。株式の売買取引とは異なるこのサービスは、どのような場合に活用できるのか、手数料は発生するのか、また、手続きに際してどのような点に注意すればよいのだろうか?

別の証券会社への株式の移動する方法と想定されるケース

現在保有している株式を、別の証券会社へ移動することは、一般的に難しくない。
  1. 移管元の証券会社に「口座振替依頼書」もしくは「特定口座内上場株移管依頼書」を請求する(郵送やネットからのダウンロードなど)※口座の種類によって、どちらになるかは各社HPで確認
  2. 書類に必要事項を記入して、捺印して、移管元に郵送する
  3. だいたい2~3週間ほどで移管が完了(※証券会社によって異なる)
という3ステップ。ではどのような場合に「株式移管」をした方がいいのか。株式移管が役立つケースなど、知っておくと役立つ事例を一部紹介する。

ケース1 手数料を抑えたい場合

株式を別の証券会社に移動する最もシンプルな理由はコスト削減だろう。10年・20年前に証券口座を開設している場合、取引で発生する手数料を負担に感じることがある。きめ細やかなコンサルティング・サービスが売りの店舗型総合証券でも、最近では割安な手数料を設定したオンライン取引も行っている。

それでも、ネット証券ならもっと手数料が安くなるはずと考えれば、株式を手数料の安いネット証券に移動するのも手だ。こうした場合、株価の影響を受けることなく、手数料の安い別の証券会社に株式を移動する「株式移管出庫・入庫」サービスが役に立つ。

ケース2 亡くなった親族の株式を相続した場合

亡くなった親族から株式を相続すると、一般的には被相続人の証券口座と株式の株主名簿、両方の名義変更手続きを行う。しかし、相続人が非相続人(亡くなった親族)とは別の証券会社の口座を主口座としていた場合、相続人の証券口座に相続した株式を移管する方法も選択できる。こうすることで、一つの証券口座で、相続した株式と自分の資産をまとめて管理できるので、煩わしさを軽減できる。

ケース3 証券会社を一カ所にまとめて、担保資産を増やす場合

証券会社には担保を証券会社に差し入れると、その何倍もの取引ができる金融商品がある。株式の信用取引・先物・CFD・FXのような、差金決済取引と呼ばれる金融商品がその例だ。こうした取引で必要になる担保つまり証拠金には、証券口座の預り金や株式、または証券会社によっては投資信託などが充てられる。証拠金に振り替えられる預り金や保有する株式が少なければ、別の証券会社で保有している株式を移管入庫して証拠金に充てることで、より大きな取引が可能になる。
 

株式を移動するサービスのメリット・デメリットを確認

株式を別の証券会社に移動する「株式移管サービス」は、証券会社のサービスの一環として行われている。証券会社間で手数料や手続きに大きな違いはないが、このサービスは便利な反面、気を付けるべき点もある。ここでは、手数料や手続きなどの観点から、株式移管にどのようなメリット・デメリットがあるかをまとめておきたい。

メリット① 手数料は出庫・入庫とも実質無料の証券会社が多い

最大のメリットとして挙げられるのはコスト削減になる点だ。一方の証券会社で保有する株式を売却すれば売付手数料が、他方の証券会社で同一銘柄を購入すれば買付手数料が必要になる。それに対して株式移管サービスでは、出庫・入庫とも手数料が無料、または株式の移管元から移管先への出庫手数料だけ有料になるなど、手数料を抑えることができる。証券会社によって入庫・出庫手数料の有無や有料の場合の料金体系が異なるので、手続きの前に確認するとよいだろう。

メリット② 相場環境を気にせず株式を移動できる

株式の売買にあたっては、売り・買いに適した相場環境であるかを判断した上で取引する必要がある。株式移管サービスなら、一定の条件を満たせば(「・当初の取得単位が引き継がれるのは一定の条件を満たす場合だけ」で後述)、相場や株価を気にせず、購入した当初の取得単価のまま別の証券会社に株式を移動することができる。

デメリット① 移管できる銘柄に制約がある

株式移管サービスで気を付けたいのは移管できる銘柄に制約がある点だ。ETF・ETN・REIT・証券投資法人、一部単位未満株、およびCB(転換社債型新株引受権付社債)を含む国内上場株式、ならびに移管元・移管先証券会社が取り扱う外国の取引所上場株式などであれば株式移管は可能だ。しかし、単位未満株のうち、整理・監理銘柄や移管元・移管先証券会社の取扱対象外銘柄を移管することはできない。さらに、証券保管振替機構で取り扱っていない銘柄や上場廃止銘柄・未上場株式・eワラントなども移管できないので注意したい。

デメリット② 移管手続き完了まで売買取引ができない

株式の移管手続きが完了するまでは株式の売買ができないこともデメリットに挙げられるだろう。証券会社から取り寄せた「移管依頼書」に必要事項を記入・提出してから一定期間を過ぎると、移管先証券会社のWEB画面に株式が反映される。移管手続きが完了するこの時点までは、移管手続き中の株式を取引することはできない。手続きに要する日数は証券会社によって異なるので、株式移管後の売却などを予定している人は、手続きを依頼する際に所要日数を確認しておくべきだ。

デメリット③ 当初の取得単位が引き継がれるのは一定の条件を満たす場合だけ

株式の取得単価が株式移管で引き継がれるのは、移管元証券会社の特定口座に保管されていた株式を、「特定口座内上場株式等移管依頼書」を使って移管先証券会社の特定口座に移管する場合だけだ。特定口座から一般口座ならびに一般口座から特定口座への移管はできないこと、加えて特定口座から特定口座への移管であっても「口座振替依頼書」を使用した移管依頼だと取得単価は引き継がれない点にも十分注意してほしい。

株式を移動する際に気を付けたいことは?

株式を別の証券会社に移動する、つまり株式移管サービスを利用する際に、証券会社によっては出庫手数料が発生することがある。その場合、手数料の金額と、売買による取引手数料や相場分析に関わる手間をトレードオフして、株式移管サービスが手数料に見合っているかを確認する作業を行う必要がある。

さらに、移管時の株式相場によっては、株価が当初の取得価格と大幅に乖離する事態も想定される。株式の移動では、当初の取得単価を引き継ぐことで、このような株価変動の影響を避けることができる。そのためには、移管元の特定口座から移管先の特定口座への移管と、「特定口座内上場株式等移管依頼書」を使用した手続きを徹底することが重要になる。

文・近藤真理(フリーラーター)

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