「スイングトレード」は難しい?銘柄の選び方、チャートの見方、見極めのコツ、おすすめの証券会社などわかりやすく解説

2020.5.16
INVESTMENT
(写真=soul_studio/Shutterstock.com)
(写真=soul_studio/Shutterstock.com)
株の初心者でも、「スイングトレード」という言葉を聞いたことがあるのではないだろうか。難しそうに見えるが、どんな取引なのだろうか?そのメリット・デメリットやコツ、NG行動、おすすめの会社など、「スイングトレード」の基本を解説する。

目次
1,スイングトレードとは?
2,「デイトレード」との違いは保有期間の長さ
3,銘柄の選び方のコツ
4,購入タイミング=入口を見極めるコツ
5,売却タイミング=出口を見極めるコツ
6,スイングトレードにおすすめのネット証券3選
7,スイングトレードでの3つのNG行動
8,スイングトレードが向いている人はどんな人?

1,スイングトレードとは?数日~3ヵ月で売買する投資手法

「スイングトレード」とは、1つの銘柄の売買を数日間から数週間、長くても3ヵ月程度の間に完結させる、短期投資手法の一種である。

この投資手法は、基本的に短期的な株価のトレンド(値動き)を狙って利益を出すのが特徴だ。銘柄のファンダメンタル分析(企業の業績や財務分析)より、チャートを使ったテクニカル分析を重視した取引を行う点も、長期投資を前提とする一般的な株式投資とは大きく異なる。

ポジションの保有期間が比較的長いので、上昇トレンドに乗れば利益率も高くなる。また、新規注文から反対売買までに時間があるため、1日中パソコンの前でチャートを凝視する必要がないことも大きなメリットだ。さらに、定期預金や株式の長期投資に比べて、短期間で資金を回して利益を出すことができるので、資金効率も良い。

このようなメリットがあるため、時間や資金に制約のある個人投資家やビジネスパーソンの資産形成、または副業として、スイングトレードはおすすめの投資手法と言える。

2,「デイトレード」との違いは保有期間の長さ

スイングトレードもデイトレードも短期投資手法であるが、両者の違いはポジションの保有期間にある。

スイングトレードでは、新規注文から決済注文までの期間が数日から数週間、長くても3ヵ月程度である。対するデイトレードは数分から、長くてもその日の立会がクローズするまでに取引が完結する。翌日にポジションを持ち越すことがない、「超短期投資」手法と呼ばれることもある。

ポジションの保有期間の違いは重要で、これによって反対売買のタイミングを決断するまでのスピード感や心構えも大きく変わる。スイングトレードは、株価のトレンドを確認してから落ち着いて注文を出すことができる。一方デイトレードでは、場合によっては数秒、数分で売りのタイミングが到来することもあり、瞬間的な判断が欠かせない。

デイトレードに比べると、スイングトレードは初心者や会社員でも取引しやすい投資手法と言える。とはいえ、一定の利益を上げて資産形成につなげるためには、
  • 銘柄の選び方
  • 購入タイミングの決め方
  • 売却タイミングの決め方
のそれぞれで正しい判断を下せるよう最低限の知識は持っておきたい。ここからは、それぞれ何を見ればスイングトレードを成功させられるか、コツを紹介する。初心者でもすぐ使いこなせるテクニカル分析方法を解説していこう。

3,銘柄の選び方のコツ――スクリーニング条件と上昇トレンドの判断基準

スイングトレードの銘柄選びでは、気になる銘柄を絞り込んでチャート分析をして、短期の上昇トレンドにある銘柄をピックアップするのが原則だ。まずは勢いのある企業や、ニュースで話題になっている商品またはサービスを提供している企業をピックアップするのもいいだろう。

ステップ1,スクリーニングで適した銘柄をピックアップ

それに加えて、ネット証券のスクリーニング機能を使って、条件に合致する銘柄を絞り込むこともできる。

条件を設定するときには、短期間で売買することを考慮して、十分な流動性のある銘柄を選ぶこと。株の初心者であれば、株価暴落のリスクを最小限に抑えるために、値動きの小さい中・大型株であることも条件に入れたい。

これらを踏まえて、スクリーニングの条件を、例えば以下のように設定する。
  • 東証一部、二部上場
  • TOPIX100採用銘柄
  • 時価総額100億円以上
  • 中・大型株
この場合は100社程度が抽出されるので、その中から興味のある銘柄を選び出す。

ステップ2,チャートで上昇トレンドを判断する

対象銘柄が上昇トレンドにあるかどうかを確認する際は、日経平均株価などの日本株全体や同業種銘柄も上昇トレンドにあることを確認したい。これによって、株価が下落するリスクを低減できる。

スイングトレードでは、企業の本質的価値を測るファンダメンタル分析よりも、値動きのパターンから将来の値動きを予測するテクニカル分析を重視する。スイングトレードの対象銘柄だけが、日経平均株価や同業種のトレンドと乖離することは少ないので、これら3つのトレンドが上昇基調であれば、対象銘柄も上昇トレンドにあると考えていい。

テクニカル分析でよく使われるのは、株価チャートに移動平均線を表示して、双方の関係から今後の株価の動向を予測する方法だ。「日足」の株価チャートと、5日線と25日線の2本の移動平均線を使うことが多い。

以下のすべてのチャートでは、緑色の線は5日移動平均線(短期線)、紫色の線は25日移動平均線(中期線)を示している。

【サンプルチャート①】
※緑が5日移動平均線(短期線)、紫が25日移動平均線(中期線)

「サンプルチャート①」を見てほしい。株価チャートと移動平均線を使ったテクニカル分析では、上昇トレンドと下降トレンドには以下の特徴がよく見られる。
 

このようにして上昇トレンドにある銘柄を特定できたら、第一関門突破だ。

4,購入タイミング=入口を見極めるコツ――ゴールデンクロスと押し目買い

スイングトレード対象銘柄の買い時を判断する方法は、いろいろある。株の初心者は、最もシンプルで一般的な「ゴールデンクロス」と「上昇トレンドの押し目買い」から覚えよう。

見極めのコツ1,ゴールデンクロス……5日移動平均線が25日平均線を超えるタイミング

サンプルチャート①にあるように、ゴールデンクロスとは2本の移動平均線が交差して、5日移動平均線が25日移動平均線の上に抜けること。それを境に、5日移動平均線はほぼ右肩上がりに推移し、株価は若干の上げ下げを繰り返しながら、緩やかな上昇トレンドを描く。

ゴールデンクロス以降の株価は、基本的に2本の移動平均線の上に位置している。ゴールデンクロスは上昇トレンドの入り口であり、買い時であると言われている。

このサインを確認したら、その後の値上がりを期待できるので、しばらくは株をそのまま保有しておけばいい。

しかし、注意しなくてはならないこともある。それは、膠着状態が続いているような場合は、ゴールデンクロスとデッドクロスが頻繁に現れることがあることだ。そのため、膠着状態の中のゴールデンクロスか、上昇トレンド入りのゴールデンクロスかをしっかり見極めなければならない。

相場が急騰・暴落する際も、短期線の上下の変動が大きくなる。そのため、ゴールデンクロスやデッドクロスが発生した時には、すでにタイミングを逸していることもある。相場急変時に、このサインを目安にするのは危険だ。

見極めのコツ2,上昇トレンドの押し目買い……下がった株価が移動平均線付近で反発するタイミング

上昇トレンドにおけるわかりやすい買い時に、「押し目」がある。

【サンプルチャート②】
※緑が5日移動平均線(短期線)、紫が25日移動平均線(中期線)

「サンプルチャート②」の丸で囲んだ部分を見てほしい。順調に上昇していた株価は上昇トレンドにあるものの、25日移動平均線の近辺まで下がっている。これは「押し目」と呼ばれ、

株価が一定期間上昇→利確で売りが入る→株価が下落

という調整局面であることを示している。「押し目買い」とは、この下落タイミングで後の反発を想定して買い注文を入れることだ。実際にこの押し目買いのタイミングで多くの買いが入り、出来高も大幅に増えているのが見て取れる。

押し目買いの注意点としては、株価が25日移動平均線を下回るとそのまま下落してしまう可能性もあることだ。25日移動平均線より上にある場合は下げ止まったことをローソク足で確認し、すでに25日移動平均線下回っている場合は、25日移動平均線を超えた時点で買いを入れるほうが良いとされている。このとき、移動平均線が上向きで上昇トレンドにあることを確認するのを忘れないでほしい。

5,売却タイミング=出口を見極めるコツ――デッドクロスと利食いのタイミング

スイングトレードの売り時にも、いろいろなパターンがある。ここでは、ゴールデンクロスの逆パターンの「デッドクロス」と、利益が出やすい利食いのタイミングを覚えよう。

見極めのコツ1,デッドクロス……5日移動平均線が25日移動平均線を下回るタイミング

【サンプルチャート①】
 
※緑が5日移動平均線(短期線)、紫が25日移動平均線(中期線)

再び「サンプルチャート①」を見ると、デッドクロスが丸で囲まれているのがわかるだろう。これは、5日移動平均線が25日移動平均線を下回るタイミングであり、このサイン以降、株価は2本の移動平均線の下方を右肩下がりに推移している。

デッドクロスは、下降トレンドの入り口で発生することが多い。どこまで下落するか判断することは難しいため、デッドクロスを確認した時点で保有する株式を速やかに売却するのが無難だ。

見極めのコツ2,利食い……利益を確定するために売るタイミング

数ある売り時のうち、ゴールデンクロスで購入した銘柄を売るタイミングとして、以下のサンプルチャート③の丸で囲まれた部分に注目してほしい。

【サンプルチャート③】
 
※下段の緑色折れ線グラフは5日移動平均線乖離率、紫色折れ線グラフは25日移動平均乖離率

上昇トレンドにある株価が25日移動平均線から大きく乖離したタイミングで売り、利確できるのが理想だ。この時の株価は天井となるため、ゴールデンクロスで購入していた場合、利益はほぼ最大となる。

実際には、チャート形成途中の株価チャートを見ても、株価の天井を判断することは難しい。そこで、サンプルチャート③のように、移動平均線乖離率を表示して、乖離率から判断するといいだろう。

移動平均乖離率とは、現在の株価が移動平均線とどのくらい離れているかを示すものだ。一般的に株価は、基本的には移動平均線と同じくらいの値になると言われている。しかし急騰・急落時は、乖離率が大幅に高くなったり低くなったりする。乖離率が高くなり始めたら、売りのタイミングが到来していると判断できるのだ。

6,スイングトレードにおすすめのネット証券3選――SBI証券、楽天証券、auカブコム証券

このように、スイングトレードにはテクニカル分析が欠かせない。短期売買を重ねるので、取引手数料もかさみやすい。さらに、株価が急落して含み損を抱えてしまうリスクもある。

これらを踏まえると、スイングトレードに使うなら、テクニカル分析をしやすい環境が整っていること、取引手数料が安いこと、リスクヘッジがしやすい条件付注文ができるネット証券を利用するのがおすすめだ。

おすすめネット証券1,SBI証券……取引手数料の安さが魅力

SBI証券の取引手数料の安さは、業界最安水準。1注文ごとの約定代金が5万円以下なら手数料は55円、10万円以下で99円、20万円で115円、50万円で275円(すべて税込)という安さだ。(2020年4月28日現在)

スイングトレードは、比較的短期間で取引を繰り返して利益を積み重ねるため、手数料が安いことによるメリットは大きい。

スマートフォンアプリの「SBI証券株アプリ」は、使いやすさと機能性、チャートの見やすさが特長で、スイングトレードの強い味方になるはずだ。

おすすめネット証券2,楽天証券……多彩な分析チャートを備える

高機能トレーディングツールとして定評のある「マーケットスピード」には、20種類もの分析チャートが用意されている。スイングトレードではテクニカル分析が重要なので、マーケットスピードのチャート分析機能は大いに役立つだろう。

後継の「マーケットスピードⅡ」は、新機能追加などで使いやすさが向上している。見たいチャートをすぐ見られる「マイチャート機能」が追加され、IFD注文やIFO注文もより便利で手軽にできるようになっている。

おすすめネット証券3,auカブコム証券……自動売買発注方式が豊富

リスク管理に長けた自動売買発注方式の豊富さでは、ネット業界No.1と言われている。一般的な逆指値注文から±指値注文、リレー注文、時間指定注文など7種類が用意され、それぞれの投資家のリスク管理に適した自動売買発注方式を利用できる。

スイングトレードではロスカットラインの設定など、注文時点からのリスクヘッジが投資成績を大きく左右するので、自動売買は取引の生命線になるだろう。

7,スイングトレードでの3つのNG行動 ロスカットできない、もみ合い時の行動、一喜一憂

スイングトレードはテクニカル分析で売買のタイミングを判断するため、手間のかかるファンダメンタル分析が不要で、株の初心者でもチャレンジしやすい。ただし短期トレードであることや、株式投資の性質上、損失の拡大を防ぐためには避けなければならないことがある。

NG行動1、ロスカットできない→逆指値注文などで強制ロスカット

スイングトレードは短期で投資成果が出る反面、値動きが大きくなるケースが多い。売却のタイミングを逃すと瞬時に株価が急落し、大きな損失を被るおそれがある。下降トレンドに入ったタイミングで売却できなかった場合でも、損失を限定するためにロスカットラインをあらかじめ設けておくことは非常に重要だ。

「買付価格から10%あるいは15%株価が下落したら、自動的に売却する」と決めておけば、「そのうち株価が反発するはず」と期待して損失を広げてしまう事態を避けられる。

そこで新規注文の際は、執行条件や価格条件などを設定する条件付注文やリバース注文を利用するようにしたい。これによって株価の暴落などが発生しても、事前に設定したトリガー条件を満たすと自動発注されて、損失の拡大を防ぐことができる。

NG行動2、もみ合い相場で不要な行動を起こす→静観すべし

もみ合い相場では、些細な値動きに反応して売買するのは極めて危険だ。

相場が拮抗しているのは、投資家同士のかけひきが続いているからだ。その中でゴールデンクロスが発生しても、その直後にデッドクロスが現れるという展開は少なくない。

株の初心者のうちは、もみ合い相場に直面したら、まずは静観して見守ることが肝要だ。上昇または下降の力強いトレンドを確認してから、買いまたは売りを入れて、高値掴みや安値売りを回避したい。

NG行動3、1件ごとの投資成績に一喜一憂する→トータルでの勝ちを目指す

スイングトレードでは、過去のチャートパターンを分析して今後の値動きを予想する。それでも相場環境によっては、分析結果に反して損切りが必要になることもある。チャート分析は絶対ではないのだ。

それを踏まえて、1件ごとの勝ち負けに一喜一憂するのではなく、「年間でスイングトレードの投資成績が最終的に勝ちであれば良し」と考えて臨みたい。

8,スイングトレードが向いている人はどんな人?

長期投資とは異なり、スイングトレードではテクニカル分析能力が投資成績を左右する。

そのため、判断力に自信がある人や、コツコツとチャート分析を継続できる几帳面さを備えた人にはおすすめの投資手法だ。短期トレードを繰り返すため、地道なプロセスの積み重ねが苦にならない人にも適している。デイトレードのように終日チャートと向き合う必要がないので、時間があまりない人にもおすすめできる。

それに対して、良く考えて決断したい人や、将来性のある企業を株主としてバックアップしたい人、どっしり構えて株式投資に取り組みたい人などは、長期投資を前提とした株式投資が向いている。

個人投資家に人気のあるスイングトレードだが、自分に合うかどうかは、自身の性格や投資に臨む姿勢などを考慮して判断してほしい。

文・近藤真理(フリーライター)
 

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