共働きの妻が産休・育休中でも夫の「配偶者控除」を受けられる 意外と知らない節税法

2018.10.23
FINANCE
(写真=Flamingo Images/Shutterstock.com)
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共働きで妻もバリバリと働いており、扶養にも配偶者控除にも無縁だったという人は、産休・育休中に所得控除が受けられることを知らないことが多い。配偶者控除は所得税を節税できる代表的な手段で、仮にあなたの年収が900万円なら10万9,000円の減税になる。2018年から配偶者控除改正により控除の範囲が変わり、対象になる世帯が増えることが予想される。せっかくの節税のチャンス、使わない手はない。

意外と知られていない「共働きの配偶者控除」 手当や給付金は収入とみなされない

「共働きの妻の産休・育休中は、配偶者控除が受けられないのではないか」という誤解の原因は、各種手当の存在だ。

妻が出産のための仕事を休んだ間は、健康保険から「出産手当金」と「出産育児一時金」が、雇用保険からは「育児休業給付金」が支給される。一定の収入があるため控除の対象にならないのではないかと考える人が多いのだが、実はこれらは収入にはカウントされない。税金の対象とはならないので、当然非課税だ。

2018年の配偶者控除改正により、夫の年収が1,220万円以下の場合、妻の収入が年間150万円を超えなければ配偶者控除が、201万円以下なら配偶者特別控除が受けられる。つまり、共働きの妻が産休・育休中、会社から支払われる給与が年間201万円以下なら控除が受けられる。

もともと妻が専業主婦で配偶者控除になじみがある場合見逃しは少ないが、共働きでいつも控除の対象になっていないと、つい忘れがちになる。

配偶者控除の節税額 自分の年収900万円の場合は10万9,000円

配偶者控除でどのくらいの節税になるのだろうか。自分の年収が900万円であるケースを例に試算する。

所得税の控除額38万円×所得税率20%=7万6,000円
住民税の控除額33万円×住民税率10%=3万3,000円
合計10万9,000円

配偶者控除が適用された場合、年間10万円以上の節税になる。産休・育休中に妻が手当以外で何らかの収入を得ない限り、手取りが10万円以上増える計算だ。子供ができて今後何かと出費がかさむ夫婦にとっては、この金額は大きいのではないだろうか。

自分の年収が1,120万円以下なら所得税38万円の控除が受けられるが、それ以上1,170万円以下で26万円、1,220万円以下で13万円のように徐々に恩恵が減らされる。1,220万円を超えると完全になくなるので、高所得者は恩恵を受けられない制度ともいえる。

会社員が控除を受けるためには年末調整をすればいい

配偶者控除の適用を受けるためには、会社勤めであれば、「年末調整」の書類に記入するだけで済む。具体的には「扶養控除申告書」と「配偶者控除等申告書」だ。毎年10月から11月頃、勤務先から配布される。

扶養控除申告書は扶養控除を受けるための申告書だが、配偶者控除対象の配偶者がいる場合も記入する必要がある。該当するのは「源泉控除対象配偶者」欄、項目は氏名・生年月日・個人番号・その年の所得見込額などだ。

配偶者控除申告書は、具体的に配偶者の収入を記載する。産休・育休中で働いていない妻の場合、年間所得38万円以下かつ年齢70歳未満に該当し、夫の年収と組み合わせて該当する区分(どの控除額に該当するか)を選択する。ここにある妻の「合計所得金額」には、出産育児一時金や出産手当金、育児休業給付金は含まなくて良い。妻の所得金額が低いほど、夫は高い控除が受けられる。

還付申告は過去5年までさかのぼれる

年末調整が間に合わなかった会社員は、確定申告で還付申告をおこなう。還付申告は確定申告の時期(2019年なら2月18日~3月15日)以外でも申告可能で、2018年分の還付申告なら2019年1月1日から5年以内が期限となる。

過去に共働きの妻が産休・育休で、条件に当てはまるにも関わらず配偶者控除をしていなかった場合でも、過去5年までさかのぼって還付申告できる。

ただし、適用される税法は当時のもので、2017年以前の配偶者控除を申告する場合、配偶者控除は年間103万円以下、配偶者特別控除は年間141万円以下となるので注意したい。

文・篠田わかな(フリーライター・ファイナンシャルプランナー)

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