仮想通貨(暗号資産)の取引にかかる手数料は、取引所(販売所)ごとに金額が異なる。仮想通貨の取引で利益を出すためにも手数料は無視できない。特に、仮想通貨を少額で取引する場合と取引頻度が高い場合は手数料に注意したい。
目次
1.仮想通貨(暗号資産)取引にかかる5つの手数料
仮想通貨の取引で必ず押さえておきたいポイントのひとつが手数料である。
仮想通貨の売買により得た利益が、手数料負担により減ることがあるからだ。
仮想通貨の現物取引にかかる5つの手数料を確認しよう。
- 口座開設手数料
- 日本円の入出金手数料
- スプレッド
- 仮想通貨の取引手数料
- 仮想通貨の送金手数料
仮想通貨取引にかかる手数料1,口座開設手数料……無料の取引所(販売所)が多い
仮想通貨を取引するには取引所(販売所)に口座を開設する必要がある。
口座開設の申し込み前に、念のため口座開設手数料が無料か確認しておきましょう。
仮想通貨取引にかかる手数料2,日本円の入出金手数料……入金方法の違いが手数料に影響
日本円で仮想通貨を購入する場合には、あらかじめ取引所の口座に日本円を入金する。
主な入金方法には、「銀行振込(振込入金)」と「クイック(即時)入金」の2種類がある。
銀行振込は、取引所が提携していない金融機関からでも入金できるメリットがあるものの、取引所の口座に入金が反映されるのに時間がかかるデメリットがある。
クイック入金は、取引所が提携している金融機関から入金する方法。取引所(販売所)の口座への入金が即時に反映されるメリットがあるものの、提携外の金融機関からは利用できないデメリットがある。
取引所(販売所)によって入金方法で手数料が異なることもあり、入金方法の利便性と手数料、入金反映までの時間を検討して入金方法を決定したい。
日本円での出金は、一般的に取引所(販売所)の口座から利用者の銀行口座への振込にて行われる。
取引所(販売所)によっては出金手数料の負担があります。
入金時の手数料が無料でも、出金時に手数料がかかる取引所があるため気を付けましょう。
仮想通貨取引にかかる手数料3,スプレッド……買値と売値の差
もし、1BTCを100万円で購入した場合、売却価格が99万円/BTCから100万円/BTCに値上がりするまで含み損を抱えた状態になる(他の手数料の負担を除く)。
スプレッドは、取引所と販売所で異なる。
取引所は、買いたい利用者と売りたい利用者の注文から買値と売値の差が生じるのに対して、販売所は販売所(業者)と利用者との取引になるため、販売所(業者)がスプレッドを決めています。
仮想通貨取引にかかる手数料4,仮想通貨の取引手数料……スプレッドとは別に負担する取引の際のコスト
取引手数料は、仮想通貨の購入や売却の際に、取引所(販売所)に支払う手数料のことだ。
取引手数料は、取引所(販売所)によって異なります。特に販売所では、取引手数料を無料にする代わりにスプレッドを広く(買値と売値の差が大きい)する場合もあるので気を付けましょう。
仮想通貨取引にかかる手数料5,仮想通貨の送金手数料……取引所とマイナー(採掘者)へ支払う2種類がある
保有している仮想通貨を別のウォレットに移す際にかかるのが送金手数料だ。
送金手数料には、「取引所へ支払う手数料」と「マイナー手数料」の2種類がある。
取引所へ支払う手数料とは、送金の際に取引所(販売所)が受け取る手数料だ。手数料は取引所(販売所)によって異なり、手数料無料にしている取引所(販売所)もある。
マイナー手数料とは、保有する仮想通貨を他のウォレットへ送る際に、送金の処理をしてくれるマイナー(採掘者)に支払う手数料であり、マイニング(採掘)作業の報酬になる。
取引所(販売所)がウェブサイトなどに掲載している送金手数料は取引所へ支払う手数料であり、それとは別にマイナー手数料もかかることを把握しておきましょう。
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>>Coincheck(コインチェック)のメリット・デメリットは?手数料や取り扱い通貨数など特徴を紹介
2.取引手数料が安い仮想通貨取引所ランキングTOP5
手数料の安い仮想通貨の取引所(販売所)を比較してみたい。
比較する仮想通貨取引所(販売所)は次の5社だ。
- Coincheck
- BITPOINT
- GMOコイン
- bitFlyer
- DMM Bitcoin
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
証券会社 | Coincheck | BITPOINT | GMOコイン | bitFlyer | DMM Bitcoin |
口座開設 手数料 |
無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 取引所での取引手数料 | 無料 | 無料 | Maker:-0.01% Taker:0.05% |
0.01~0.2% | 取引所なし |
販売所での取引手数料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料(BitMatch取引を除く*5) | 日本円の 入金手数料 |
0円*2~1,018円または 入金金額×0.11%+495円 |
無料*1 | 無料*1 | 0円*3 ~330円 | 無料*4 |
日本円の 出金手数料 |
407 円 | 330円 | 無料 | 220円~770円 | 無料 |
仮想通貨の送金手数料 | 仮想通貨の種類で異なる ビットコインは0.0005 BTC |
無料 | 無料 | 仮想通貨の種類で異なる ビットコインは0.0004BTC |
無料 |
これらの取引所(販売所)5社のうち、どれがよいかは取引スタイルなどで変わる。
ここでは、手数料の中でも取引手数料を重視した取引所(販売所)ランキングTOP5を紹介しよう。
1位,Coincheck……取引所と販売所での取引手数料が無料
出典:Coincheck『Coincheckが選ばれる理由』
Coincheckの手数料(税込)
口座開設手数料 テキストテキスト |
無料 | ||
日本円の入金手数料 | 銀行振込 | 無料(振込手数料は利用者の負担) | |
コンビニ入金 | 3万円未満 | 770円 | |
3万円以上
30万円以下 |
1,018円 | ||
クイック入金 | 3万円未満 | 770円 | |
3万円以上
50万円未満 |
1,018円 | ||
50万円以上
50万円未満 |
入金金額×0.11% +495 円 | ||
日本円の出金手数料 テキストテキスト |
407 円 | ||
取引所での取引手数料 テキストテキスト |
無料 | ||
販売所での取引手数料 テキストテキスト |
無料 | ||
仮想通貨の送金手数料 | 仮想通貨の種類で異なる ビットコインは0.0005 BTC |
取引所と販売所での取引手数料はどちらも無料です。スプレッドが狭い仮想通貨を選べば、取引手数料を節約できます。
2位,BITPOINT……日本円の入金手数料、仮想通貨の取引手数料・送金手数料が無料
BITPOINTの手数料(税込)
口座開設手数料 | 無料 | |
日本円の入金手数料 | 銀行振込 | 無料(振込手数料は利用者の負担) |
即時入金 | 無料 | |
日本円の出金手数料 | 330円 | |
取引所での取引手数料 | 無料 | |
販売所での取引手数料 | 無料 | |
仮想通貨の送金手数料 | 無料 |
仮想通貨の送金手数料も無料だが、日本円の出金手数料は振込手数料として330円の負担がある。
BITPOINTの取引手数料は取引所と販売所ともに無料です。多くの手数料が無料のため、手数料を節約したい人はぜひチェックしたい取引所(販売所)です。
3位,GMOコイン……取引所の取引手数料は一部がマイナスのため手数料を受け取れる
出典:オリコン『おすすめの暗号資産取引所 現物取引(仮想通貨)ランキング・比較』
GMOコインの手数料(税込)
口座開設手数料 | 無料 | |
日本円の入金手数料 | 銀行振込 | 無料(振込手数料は利用者の負担) |
即時入金 | 無料 | |
日本円の出金手数料 | 無料 | |
取引所での取引手数料 | Maker(メイカー):-0.01%
Taker(テイカー):0.05% |
|
販売所での取引手数料 | 無料 | |
仮想通貨の送金手数料 | 無料 |
取引手数料は販売所では無料だが、取引所では手数料が設定されている。
ただし、Maker(メイカー)の場合には取引手数料がマイナスであり、Makerでの取引では取引手数料を受け取れるメリットがあります。
4位,bitFlyer……6年連続ビットコイン取引量国内No.1(※1)による取引しやすさ
bitFlyerの手数料(税込)
口座開設手数料 | 無料 | ||
日本円の入金手数料 | 銀行振込 | 無料(振込手数料は利用者の負担) | |
クイック入金 | 住信SBIネット銀行から | 無料 | |
住信SBIネット銀行以外から | 330円 | ||
日本円の出金手数料 | 三井住友銀行の場合 | 3万円未満 | 220円 |
3万円以上 | 440円 | ||
三井住友銀行以外の場合 | 3万円未満 | 550円 | |
3万円以上 | 770円 | ||
取引所での取引手数料 | 0.01~0.2% ビットコインは0.01 ~ 0.15% |
||
販売所での取引手数料 | 無料 | ||
仮想通貨の送金手数料 | 仮想通貨の種類で異なる
ビットコインは0.0004BTC |
取引手数料は販売所では無料だが、取引所では0.01~0.2%の負担がある。
ただし、bitFlyerは国内トップレベルの取引量があるため、取引手数料の負担を上回る取引しやすさのメリットを得られる可能性があります。
5位,DMM Bitcoin……取引所と販売所のハイブリッド方式であるBitMatch取引が特徴
DMM Bitcoinの手数料(税込)
口座開設手数料 | 無料 | |
日本円の入金手数料 | 銀行振込 | 無料(振込手数料は利用者の負担) |
クイック入金 | 無料 | |
日本円の出金手数料 | 無料 | |
取引所での取引手数料 | 取引所なし | |
販売所での取引手数料 | 無料(BitMatch取引を除く*1) | |
仮想通貨の送金手数料 | 無料 |
販売所の取引手数料は無料で、BitMatch取引の場合には取引手数料の負担の代わりにスプレッドなしの取引ができる。
BitMatch取引は、販売所方式と取引所方式(オークション方式)を合わせた DMM Bitcoin独自の取引方法。BitMatchで、売り手と買い手のマッチングが行われるが、約定における取引相手はDMM Bitcoinとなる。
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3.仮想通貨(暗号資産)の手数料を比較する2つのポイント
仮想通貨の手数料はどのようなポイントで比較すればよいのだろうか。
仮想通貨の「取引手数料」と「スプレッド」に焦点を当てて、考えてみたい。
仮想通貨手数料の比較ポイント1,取引頻度に応じて「取引手数料」の重要性が上がる
仮想通貨の取引手数料は、取引の頻度によって重要性が変わってくる。
長期投資などで取引頻度が低ければ取引手数料を負担する頻度は低く、デイトレードなどで頻繁に取引する場合は、取引手数料を頻繁に負担する。
仮想通貨手数料の比較ポイント2,取引に慣れていないなら「スプレッド」を重視
スプレッドは取引手数料と違って、公式サイトで簡単に比較できない。
そのため、取引に不慣れなうちは、取引所(販売所)によるスプレッドの違いが分かりにくい。
スプレッドは時間帯によって変動することがあるため、スプレッドの比較は同じ時間帯で比較するのがよいだろう。
また、仮想通貨の価格が急変した場合にはスプレッドが拡大することがあるので気を付けたい。
取引量が少ない取引所(販売所)はスプレッドが大きく、取引量が多いところはスプレッドが小さい傾向がある。
仮想通貨の取引量が多く、人気がある取引所(販売所)を利用するのがおすすめです。
【関連記事】 >>仮想通貨のマイニング(採掘)とは何?仕組みをわかりやすく解説
4.仮想通貨(暗号資産)の取引手数料を節約する方法
取引手数料を節約するために、いくつかの方法を紹介しよう。
- メインで使う取引所(販売所)と売買したい仮想通貨を見極める
- 販売所ではなく取引所を利用する
- 手数料が安い取引所を選ぶ
節約方法1,メインで使う取引所(販売所)と売買したい仮想通貨を見極める
スプレッドは仮想通貨の種類によって異なる。
さまざまな取引所(販売所)にて多種の仮想通貨を取引すると、スプレッドが大きい取引から小さい取引まで混在し、スプレッドを含む手数料の把握が難しくなる。
節約方法2,販売所ではなく取引所を利用する
仮想通貨取引所と販売所はどちらを利用したほうがよいのだろうか。
仮想通貨販売所のスプレッドは、販売所の業者にて決められるため、スプレッドが広くなりやすい傾向がある。
仮想通貨取引所では、売り注文と買い注文の受給から売りと買いの差額が生じるため、一般的に販売所のスプレッドよりも差額が少ない傾向だ。
そのため、売りと買いの差額が少ない傾向の「取引所」から利用するところを探すのがおすすめです。
節約方法3,手数料が安い取引所を選ぶ
比較する手数料は、前述の手数料比較表を参考にして、口座開設手数料、入出金手数料、取引所の取引手数料だ。
仮想通貨を送金することがあれば、送金手数料も比較しておきたい。
これらの手数料を比較して、手数料が安い取引所を選ぶのがおすすめだ。
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5.仮想通貨の少額取引では手数料の節約が重要
仮想通貨の手数料は、定率と定額の2種類に分けられる。
扱う金額によって手数料が変動
扱う金額にかかわらず一定の金額を負担
仮想通貨の取引に関する手数料は定率が多く、入出金や送金に関する手数料は定額が多い傾向だ。
たとえば、取引の際には取引金額の定率0.XX%の手数料があり、入金の際には定額XXX円の手数料負担があるような場合だ。
仮想通貨の少額取引では、定額の手数料では手数料率が高くなります。手数料を節約するように意識しましょう。
例として、1万円と100万円をCoincheckに入金して取引し、その後出金した場合の定額の手数料の負担を比較してみたい。
入金方法としてクイック入金を利用した場合の比較が次だ。
Coincheckにクイック入金にて入金し、出金した場合の手数料比較(1万円と100万円のケース)
資金 | 1万円 | 100万円 |
---|---|---|
入金手数料 (クイック入金) | 770円 | 1,595円 (1,000,000円×0.11% + 495 円) |
出金手数料 | 407円 | 407円 |
入出金手数料 合計 | 1,177円 | 2,002円 |
資金に対する 手数料の比率 | 約12% (1,177÷10,000) | 約0.2% (2,002÷1,000,000) |
このケースでは、資金が100万円の場合の入出金手数料は約0.2%に対して、1万円の場合は約12%もの手数料負担になる。
入金にクイック入金ではなく銀行振込を利用し、ネット銀行などの振込手数料無料のサービスを利用して入金手数料を節約する場合が次だ。
Coincheckに銀行振込にて入金し、出金した場合の手数料比較(1万円と100万円のケース)
資金 | 1万円 | 100万円 |
---|---|---|
入金手数料 (振込手数料無料の銀行振込) | 0円 | 0円 |
出金手数料 | 407円 | 407円 |
入出金手数料 合計 | 407円 | 407円 |
資金に対する 手数料の比率 | 約4% (407÷10,000) | 約0.04% (407÷1,000,000) |
このケースでは、入金をリアルタイム入金から銀行振込(振込手数料無料)へ変更したことで、資金(1万円)に対して約8%もの手数料を節約できた。
このように、資金が少額の場合には手数料の節約が重要です。入出金以外に定額の手数料負担がある場合にも注意しましょう。p>
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6.仮想通貨の手数料でよくある4つのFAQ
仮想通貨の手数料について、よくある質問を確認しよう。
その人の資金額や取引のスタイルにより重視するポイントを見極めて、取引所の手数料を比較するのがおすすめです。取引頻度が低いなら取引手数料の重要度はあまり高くありませんが、取引頻度が高いなら取引手数料を重視しましょう。
取引頻度が高いなら、取引所の取引手数料が重要なポイントになる。取引所の取引手数料が無料なのは、CoincheckやBITPOINTだ。Maker(メイカー)の場合はマイナス手数料になるGMOコインは、使い方次第で手数料を受け取れる。
また、bitFlyerやDMM BitcoinのBitMatch取引は手数料負担があるものの、取引量の多さが取引しやすさのメリットになる可能性がある。
入出金の手数料を比較すると、手数料無料で入出金可能なのはDMM BitcoinとGMOコインだ。送金手数料では、DMM BitcoinとGMOコイン、BITPOINTが無料である。
これらのポイントを考慮して、取引所の手数料を比較するのがおすすめです。
取引所によって仮想通貨ごとの取引量は異なります。慣れてきたら、仮想通貨ごとに取引所を使い分けるなど工夫することで、お得な取引につながる可能性があります。
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