国内には6000本近くの公募投資信託がある。これだけの商品数から選ぶとなると、初心者には途方もない作業だろう。ただ投資信託選びは、見るべきポイントさえ押さればそこまで難しくはない。コストを意識した商品選びのポイントとおすすめファンドを紹介しよう。

目次
1.投資信託選びの3ステップ
2.投資信託の個別銘柄を比較するときの3つのポイント
3.信託報酬の低い投資信託ランキング
4.おすすめの投資信託10選
5.アクティブファンドやETFも選択肢に

1.投資信託選びの3ステップ

簡単に投資信託の選び方を紹介しよう。国内に6,000本近くもある投資信託を1本ずつ見ていくことは不可能に近いが、以下の3ステップである程度は選別できる。

STEP1……投資地域・投資対象を選択する

まずは株式、債券、REIT(不動産投資信託)といった投資対象のなかから投資地域・投資対象を選択しよう。国内だけに投資するのか海外も含めるか、どういった商品に投資するのかを決める。

STEP2……インデックスファンドかアクティブファンドを選択する

投資地域と投資対象を決めたらインデックスファンドかアクティブファンドのどちらを選ぶか、投資信託の種類を選択しよう。インデックスファンドとは日経平均株価やTOPIXなど市場全体の動きを表す指数に連動した投資成果を目指すファンドのことだ。一方のアクティブファンドはファンド・マネージャーが投資先や投資割合などを決め、指数を上回る成果を目指し運用する。そのためアクティブファンドはインデックスファンドよりも相対的にコストが高くなる傾向にある。

STEP3……個別銘柄を比較する 

購入したい商品の種類が絞られたら、個別商品の比較を行う。個別銘柄を選択する際は投資地域・投資対象を限定し、同じ土俵の商品で比較しよう。たとえば国内株式と海外株式の投資信託では標準的なコストも異なるからだ。

2.投資信託の個別銘柄を比較するときの3つのポイント

個別銘柄の比較について、投資初心者は次の3つのポイントを押さえておこう。

投資信託を選ぶポイント1……コストが低い商品を選ぶ

投資信託の運用でコストは非常に重要である。同じ商品に投資を行っている場合、当然だがコストが低い商品のほうがリターンは大きい。投資信託のコストは「直接コスト」と「間接コスト」に分かれる。直接コストは買付時に支払う販売手数料、売却時に支払う信託財産留保額など、間接コストは運用期間中に発生する信託報酬などだ。

近年では販売手数料などの直接コストが掛からない商品が増えているため、間接コストの比較が重要だ。

投資対象が同じファンドA(信託報酬:年率0.1%)とファンドB(信託報酬:年率1.0%)があるとしよう。投資対象資産が1年で3.0%上昇した場合、投資家に還元される利益はそこから信託報酬を割り引いたものになる。ファンドAでは 3.0%-0.1%=2.9%、ファンドBでは3.0%-1.0%=2.0%だ。

信託報酬が低いと、受け取る利益は当然大きくなる。各銘柄の目論見書で信託報酬率を確認し、なるべく低い商品を選択しよう。

投資信託を選ぶポイント2……純資産総額の大きいものを選ぶ

純資産総額の比較も大事だ。投資信託は純資産総額がなるべく大きいものを選択しよう。一般的に純資産総額が30億円以上あることが、安定した運用の一つの目安とされる。余裕をもちたいなら、なるべく100億円以上ある投資信託が良いだろう。
純資産総額は投資信託の純資産、つまり投資家の持ち分を指し、基準価額に総口数をかけて計算される。

純資産総額が大きい投資信託は、単に人気があって資金が集まっているというだけでなく、コスト面で規模のメリットを活かせるという利点もある。

純資産総額が小さいと、投資家からの売却依頼に応えるために必要な資産を取り崩すなど、安定した運用ができない可能性がある。場合によっては繰上償還(予定されていた信託期間が終了する前に、運用が終了すること)もあり得る。

投資信託を選ぶポイント3……運用実績のいいものを選ぶ

投資信託の運用報告書や目論見書にベンチマークと運用実績を比較した表やグラフがある。インデックスファンドであればベンチマークと連動しているか、アクティブファンドであればベンチマークを超える運用実績を残しているかを確認しよう。

運用実績を見るときには、短期の実績だけでなく、必ず長期の運用実績も確認しておこう。同じ種類の投資信託で同じ対象期間の運用実績に大きな差がある場合には、パフォーマンスの良い投資信託を選択しよう。

3.信託報酬の低い投資信託ランキング

投資信託のなかで比較を行いやすいコストに着目し、信託報酬の低い投資信託の上位5ファンドを投資対象別に紹介する。資産クラスごとの信託報酬の最低水準がわかるはずだ。(出典:モーニングスター社の公表データ。各数値は2020年9月15日時点のもの)

信託報酬の低い「国内株式型」投資信託ランキングTOP6

国内株式型の上位は全て上場投資信託(ETF)だ。一般的にETFは販売会社を通さない分、信託報酬が低くなる。一方で、株式と同様に売買手数料が発生するため、総合的なコスト計算が必要だ。

順位 ファンド名 運用会社 信託報酬
(税込)
純資産総額
1 iシェアーズ・コア TOPIX ETF ブラックロック・ジャパン 0.07% 4,376億6,900万円
2 SMDAM トピックス上場投信 三井住友DS
アセットマネジメント
0.08% 136億5,400万円
2 NZAM 上場投信 TOPIX 農林中金全共連
アセットマネジメント
0.08% 865億9,500万円
4 MAXIS JPX日経
インデックス400上場投信
三菱UFJ国際投信 0.09% 4,522億1,000万円
4 MAXIS トピックス上場投信 三菱UFJ国際投信 0.09% 1兆7378億4,900万円
4 One ETF トピックス アセットマネジメントOne 0.09% 2,477億6,100万円
※筆者作成

信託報酬の低い「国内債券型」投資信託ランキングTOP9

国内債券型も1位と2位はETFになった。4位は信託報酬0.13%で全くの同率、インデックスファンドが6つも並んでいる。

順位 ファンド名 運用会社 信託報酬
(税込)
純資産総額
1 iシェアーズ・コア 日本国債 ETF ブラックロック・ジャパン 0.07% 104億6,300万円
2 (NEXT FUNDS)国内債券・
NOMURA-BPI総合
『愛称:国内債券ETF』
野村アセットマネジメント 0.08% 27億4,400万円
3 年金積立日本短期債券オープン
『愛称:DC日本短期債券オープン』
日興アセットマネジメント 0.11% 8億4,800万円
4 iFree日本債券インデックス 大和アセットマネジメント 0.13% 1億7,200万円
4 三菱UFJ 日本国債ファンド
(毎月決算型)
三菱UFJ国際投信 0.13% 134億9,500万円
4 Smart-i 国内債券インデックス りそなアセットマネジメント 0.13% 9億2,100万円
4 eMAXIS Slim国内債券インデックス 三菱UFJ国際投信 0.13% 98億4,600万円
4 ダイワ つみたて
インデックス日本債券
大和アセットマネジメント 0.13% 4億5,300万円
4 ニッセイ 国内債券
インデックスファンド
ニッセイアセットマネジメント 0.13% 82億3,700万円
※筆者作成

信託報酬の低い「国内REIT型」投資信託ランキングTOP5

国内REIT型も上位はETFが占めたが、6位にインデックスファンドが2つランクインした。信託報酬率のランキング上位と下位の差は0.02ポイントと大差ない。

順位 ファンド名 運用会社 信託報酬
(税込)
純資産総額
1 ダイワ上場投信-東証REIT指数 大和アセットマネジメント 0.17% 1,279億2,500万円
1 (NEXT FUNDS)
東証REIT指数連動型上場投信
野村アセットマネジメント 0.17% 3,338億6,500万円
1 One ETF 東証REIT指数 アセットマネジメントOne 0.17% 358億7,100万円
1 上場インデックスファンド
日経ESGリート
『愛称:上場ESGリート』
日興アセットマネジメント 0.17% 35億7,000万円
5 iシェアーズ・コア Jリート ETF ブラックロック・ジャパン 0.18% 2,263億2,400万円
※筆者作成

信託報酬の低い「国際株式型」投資信託ランキングTOP6

1位の「野村 スリーゼロ先進国株式投信」は2030年12月末まで信託報酬が無料だ。信託報酬が無料なのは国内ではこのファンドだけである。国際株式型の資産クラスは信託報酬の引き下げが活発であり、ほかの資産クラスに比べ信託報酬の水準は低めだ。

順位 ファンド名 運用会社 信託報酬
(税込)
純資産総額
1 野村 スリーゼロ
先進国株式投信
野村アセットマネジメント 0.00% 1億2,600万円
2 iシェアーズ S&P500 米国株 ETF ブラックロック・ジャパン 0.08% 104億4,400万円
2 iシェアーズ S&P500 米国株 ETF
(H有)
ブラックロック・ジャパン 0.08% 20億6,300万円
4 SBI・バンガード・S&P500
インデックス・ファンド
『愛称:SBI・バンガード・S&P500』
SBIアセットマネジメント 0.09% 689億9,300万円
4 MAXIS 全世界株式
(オール・カントリー)上場投信
三菱UFJ国際投信 0.09% 24億5,400万円
4 MAXIS 米国株式
(S&P500)上場投信
三菱UFJ国際投信 0.09% 47億9,900万円
※筆者作成

信託報酬の低い「国際債券型」投資信託ランキングTOP7

国際債券型も1位はETFであるが、3位には通常の投資信託もランクインした。各ファンドの信託報酬率はほぼ同じである。

順位 ファンド名 運用会社 信託報酬
(税込)
純資産総額
1 (NEXT FUNDS)外国債券・
FTSE世界国債(除く日本・H有)
『愛称:外国債券(為替ヘッジあり)ETF』
野村アセットマネジメント 0.13% 99億9,100万円
1 (NEXT FUNDS)外国債券・
FTSE世界国債(除く日本・H無)
『愛称:外国債券(為替ヘッジなし)ETF』
野村アセットマネジメント 0.13% 62億5,700万円
3 ダイワ つみたてインデックス外国債券 大和アセットマネジメント 0.15% 4億5,600万円
3 iシェアーズ・コア 米国債7-10年ETF
(H有)
ブラックロック・ジャパン 0.15% 149億4,600万円
3 iシェアーズ・コア 米国債7-10年 ETF ブラックロック・ジャパン 0.15% 103億9,800万円
3 eMAXIS Slim先進国債券インデックス 三菱UFJ国際投信 0.15% 133億6,900万円
3 ニッセイ 外国債券インデックスファンド ニッセイアセットマネジメント 0.15% 145億800万円
※筆者作成

信託報酬の低い「国際REIT型」投資信託ランキングTOP7

国際REIT型も1位はETFであるが2位以降には通常の投資信託もランクインした。他の資産クラスよりも信託報酬率が高い傾向だ。

順位 ファンド名 運用会社 信託報酬
(税込)
純資産総額
1 (NEXT FUNDS)外国REIT・
S&P先進国REIT(除く日本・H無)
『愛称:外国REIT(為替ヘッジなし)ETF』
野村アセットマネジメント 0.19% 39億6,300万円
2 Smart-i 先進国リートインデックス りそなアセットマネジメント 0.22% 12億5,300万円
2 eMAXIS Slim 先進国リートインデックス 三菱UFJ国際投信 0.22% 26億2,200万円
2 iシェアーズ 米国リート ETF ブラックロック・ジャパン 0.22% 113億2,900万円
5 ニッセイ Gリートインデックスファンド ニッセイアセットマネジメント 0.30% 64億3,300万円
5 三井住友・DC外国リート
インデックスファンド
三井住友DS
アセットマネジメント
0.30% 66億2,100万円
5 たわらノーロード先進国リート アセットマネジメントOne 0.30% 78億7,300万円
※筆者作成

信託報酬の低い「バランス型」投資信託ランキングTOP12

バランス型の1位「MHA ライフナビゲーション2020」は2020年を目標としたターゲットイヤー型であるため、現在は安定運用へ移行している。そのため2位になった11ファンドがコスト最下限と見てよいだろう。

順位 ファンド名 運用会社 信託報酬
(税込)
純資産総額
1 MHAM ライフナビゲーション2020
『愛称:ライフ ナビ 2020』
アセットマネジメントOne 0.11% 13億5,700万円
2 三菱UFJ DC年金バランス(株式25) 三菱UFJ国際投信 0.15% 8億4,300万円
2 DCニッセイ ワールドセレクトF
(安定型)
ニッセイアセットマネジメント 0.15% 48億8,200万円
2 DCニッセイ ワールドセレクトF
(標準)
ニッセイアセットマネジメント 0.15% 363億3,700万円
2 三菱UFJ DC年金バランス
(株式15)
三菱UFJ国際投信 0.15% 12億3,100万円
2 eMAXIS Slimバランス
(8資産均等型)
三菱UFJ国際投信 0.15% 614億600万円
2 三菱UFJ DC年金バランス
(株式40)
三菱UFJ国際投信 0.15% 22億3,200万円
2 たわらノーロード バランス
(8資産均等型)
アセットマネジメントOne 0.15% 109億5,000万円
2 三菱UFJ DC年金バランス
(株式65)
三菱UFJ国際投信 0.15% 14億1,800万円
2 ニッセイ・インデックスバランスF
(4資産均等)
ニッセイアセットマネジメント 0.15% 71億3,500万円
2 DCニッセイ ワールドセレクトF
(債券重視)
ニッセイアセットマネジメント 0.15% 164億5,900万円
2 DCニッセイ ワールドセレクトF
(株式重視)
ニッセイアセットマネジメント 0.15% 183億7,500万円
※筆者作成

4.初心者におすすめの投資信託10選

投資対象ごとに信託報酬の安い投資信託がわかったところで、初心者におすすめのファンドを投資対象別に紹介していこう。投資信託を選ぶ際は信託報酬の安さだけでなく、純資産総額や運用実績も重要になってくる。今回は国内株式型、国際株式型、バランス型からはそれぞれ2つをピックアップし、全10銘柄を選定したので参考にしてほしい。

⑴おすすめ投資信託(国内株式型/日経平均株価)……iFree 日経225インデックス

  • ファンド名……iFree 日経225インデックス
  • 運用会社……大和アセットマネジメント
  • 純資産総額……112億1,200万円(2020年9月15日時点)
  • 信託報酬……0.154%(税込)

「iFree 日経225インデックス」は国内株式型のなかで日経平均株価をベンチマークとする投資信託だ。国内株式型ではETFをのぞく日経平均株価をベンチマークとする通常の投資信託のなかでは、最低水準の信託報酬である。

日経平均株価に連動する低コストでシンプルなインデックスファンドであり、純資産総額も100億円を超えている。投資初心者にも分かりやすいのでおすすめだ。

⑵おすすめ投資信託(国内株式型/TOPIX)……ニッセイTOPIXインデックスファンド

  • ファンド名……<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド
  • 運用会社……ニッセイアセットマネジメント
  • 純資産総額……308億4,700万円(2020年9月15日時点)
  • 信託報酬……0.154%(税込)

国内株式型でTOPIXをベンチマークとする投資信託であれば、「ニッセイTOPIXインデックスファンド」が良いだろう。TOPIXをベンチマークするなかで最低水準の信託報酬であり、純資産総額も申し分ない水準だ。ベンチマークとの連動性が非常に高く、運用面で安定感がある点も大きな魅力である。

⑶おすすめ投資信託(国内債券型)……eMAXIS Slim 国内債券インデックス

  • ファンド名……eMAXIS Slim 国内債券インデックス
  • 運用会社……三菱UFJ国際投信
  • 純資産総額……98億7,700万円(2020年9月15日時点)
  • 信託報酬……0.132%(税込)

国内債券型では「eMAXIS Slim 国内債券インデックス」をピックアップした。国内債券型は安定運用をするときに重要な選択肢だ。低金利環境での運用となるため、コストの意識が非常に重要となる。

このファンドは先ほど紹介したランキングでも4位にランクインしており、コストの低さは十分な水準だ。純資産総額も100億円に迫り、運用実績もベンチマークとの連動が取れている。リスクを避けたい場合にはおすすめといえるだろう。

⑷おすすめ投資信託(国内REIT型)……ニッセイJリートインデックスファンド

  • ファンド名……<購入・換金手数料なし>ニッセイJリートインデックスファンド
  • 運用会社……ニッセイアセットマネジメント
  • 純資産総額……122億4,000万円(2020年9月15日時点)
  • 信託報酬……0.275%(税込)

国内REIT型のおすすめファンドは「ニッセイJリートインデックスファンド」である。先ほどのランキングでは選外になり、コスト面ではランキング上位の投資信託にやや劣るものの、安定した純資産総額を誇り、ベンチマークとの連動性も高い点を評価した。

⑸おすすめ投資信託(国際株式型/先進国株式型)……ニッセイ外国株式インデックスファンド

  • ファンド名……<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
  • 運用会社……ニッセイアセットマネジメント
  • 純資産総額……1,948億5,900万円(2020年9月15日時点)
  • 信託報酬……0.1023%(税込)

先進国株式を対象とした投資信託からは「ニッセイ外国株式インデックスファンド」をおすすめしよう。この資産クラスはコスト競争が激しく、ランキング1位のファンドは信託報酬がかからない商品であった。

しかし「ニッセイ外国株式インデックスファンド」は純資産総額の大きさからも分かる通り、人気が高い。競争の激しい資産クラスであるが、コストだけでなくベンチマークとの連動性が非常に高いという安定した運用力にも目を向けたい。

⑹おすすめ投資信託(国際株式型/全世界株式型)……SBI・全世界株式インデックス・ファンド

  • ファンド名……SBI・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま(全世界株式))
  • 運用会社……SBIアセットマネジメント
  • 純資産総額……93億5,200円(2020年9月15日時点)
  • 信託報酬……0.1102%(税込)

国際株式型で全世界株式を対象とした投資信託では「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」をおすすめしよう。投資対象は新興国も含めた全世界となり、その投資対象は約8,000銘柄もあるが、信託報酬は非常に低い水準だ。純資産総額も増加傾向で、低コストで全世界の株式へ投資ができる。

⑺おすすめ投資信託(国際債券型)……ニッセイ外国債券インデックスファンド

  • ファンド名……<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンド
  • 運用会社……ニッセイアセットマネジメント
  • 純資産総額……144億7,900万円(2020年9月15日時点)
  • 信託報酬……0.154%(税込)

国際債券型は、先ほどの信託報酬ランキングにも入っている「ニッセイ外国債券インデックスファンド」がおすすめだ。低コストはもちろん、100億円超の純資産総額を誇る点もポイントである。先進国の国債を中心にポートフォリオを組んでおり、組み入れ銘柄の上位には米国債が並ぶ。運用実績もベンチマークとの連動が取れており、安定感の高いファンドだ。

⑻おすすめ投資信託(国際REIT型) ……たわらノーロード先進国リート

  • ファンド名……たわらノーロード先進国リート
  • 運用会社……アセットマネジメントOne
  • 純資産総額……80億2,400万円(2020年9月15日時点)
  • 信託報酬……0.297%(税込)

国際REIT型では「たわらノーロード先進国リート」がいいだろう。信託報酬だけで考えればランキング上位のファンドよりは高いが、純資産総額の大きさでは負けていない。とはいえ、信託報酬もこの資産クラスでは十分に低い水準だ。

⑼おすすめ投資信託(バランス型/4資産以下)……ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)

  • ファンド名……<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)
  • 運用会社……ニッセイアセットマネジメント
  • 純資産総額……71億4,100万円(2020年9月15日時点)
  • 信託報酬……0.154%(税込)

4資産以下のバランス型では「ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)」が良いだろう。国内株式、国内債券、先進国株式、先進国債券の4資産に25%ずつ均等に配分するファンドである。

配分比率も分かりやすく、信託報酬も低水準であるため、投資初心者でも投資しやすい。運用に定評のあるニッセイアセットマネジメントが自社のマザーファンドへ投資を行っている点も安心感がある。

⑽おすすめ投資信託(バランス型/5資産以上)……「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」

  • ファンド名……eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)
  • 運用会社……三菱UFJ国際投信
  • 純資産総額……617億1,800万円(2020年9月15日時点)
  • 信託報酬……0.154%(税込)

5資産以上のバランス型なら「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」を検討したい。日本と先進国の株式、債券、REITに新興国の株式と債券を加えた8資産に投資を行うインデックスファンドである。

投資割合は各資産8分の1ずつだ。新興国まで含めた分散投資ができるバランスファンドであり、信託報酬も低く純資産総額も大きい。新興国の成長までポートフォリオに含めたいという人はこの銘柄でまとめることも検討してよいだろう。

5.運用に慣れてきたらアクティブファンドやETFもおすすめ

投資初心者には、通常のインデックスファンドがおすすめである。アクティブファンドやETFは投資初心者が銘柄選定を行うにはややハードルが高い。ETFは市場での売買のため、価格のブレや売買手数料も考慮しなければいけないし、アクティブファンドの場合は運用実績が重要だ。

しかし銘柄選定の原則や見るべきポイントはインデックスファンドと変わらないため、運用に慣れてきたらそれらの投資信託も選択肢にいれてみてもよいだろう。銘柄選定のポイントを押さえつつ、将来を見据えてじっくり投資信託選びを行ってほしい。

 

樋口壮一
執筆・樋口壮一
新卒で証券会社に入社後、10年間リテール営業、ホールセール営業を経験。現在は事業会社の営業企画部門に努める傍ら、個人として投資を行い、マーケットに携わる。AFP
新卒で証券会社に入社後、10年間リテール営業、ホールセール営業を経験。現在は事業会社の営業企画部門に努める傍ら、個人として投資を行い、マーケットに携わる。AFP

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樋口壮一
執筆・樋口壮一
新卒で証券会社に入社後、10年間リテール営業、ホールセール営業を経験。現在は事業会社の営業企画部門に努める傍ら、個人として投資を行い、マーケットに携わる。AFP
新卒で証券会社に入社後、10年間リテール営業、ホールセール営業を経験。現在は事業会社の営業企画部門に努める傍ら、個人として投資を行い、マーケットに携わる。AFP
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