松井証券のつみたてNISAはサポート体制や取扱銘柄の種類の多さがメリットな一方で、増額月(ボーナス月)設定や分配金の再投資ができないなどのデメリットがある。本記事では、松井証券において、つみたてNISAのメリットやおすすめの金融商品、注意点には何があるのか紹介していきたい。

目次
1.つみたてNISAと松井証券の魅力は何か
2.松井証券のつみたてNISAの4つのメリットとは
3.松井証券のつみたてNISAの4つのデメリット・注意点
4.松井証券のつみたてNISAで人気の投資信託ランキングTOP10
5.松井証券のつみたてNISAで初心者におすすめの投資信託

1.松井証券の魅力は何か?つみたてNISA 口座の基本情報も紹介

つみたてNISAは少額からの長期・積立・分散投資を支援する制度だ。対象の金融商品は公募投資信託(以下「投資信託」という)とETF(上場投資信託)であり、分配金や譲渡益が非課税になるメリットがある。

つみたてNISAは証券会社や銀行などの金融機関で利用できるが、ここでは100年以上の歴史と実績がある松井証券でのつみたてNISAの利用を紹介していこう。同社は歴史がありながら新しい革新的なサービスを提供するネット証券である。そのような松井証券でつみたてNISAの口座を検討する前に以下の基本情報は押さえておきたい。

松井証券のつみたてNISAの基本情報
取扱商品数 155本
安定型 積極運用型
108本 47本
最低積立金額 100円
積立頻度 毎月
引落方法 ・証券口座に入金
・指定銀行自動引落
ポイント還元 松井証券ポイント
投資信託の月間平均保有残高に応じて、
以下の金額分を付与。
現金かポイントかを選べる。
(月間平均保有金額)×
{(販売会社が受け取る信託報酬率(税抜))
- 0.3%)}×1/12
その他 ・サポートサービスについて問合せ窓口
格付け9年連続三つ星獲得
・「投信アプリ」で投資提案から
メンテナンスまでサポート
(※松井証券ホームページより筆者作成)

2.松井証券のつみたてNISAの4つのメリットとは

数多くのネット証券がある中でも、つみたてNISAの金融機関を選ぶには、各社のメリットをしっかりと把握しておきたい。松井証券でつみたてNISAを利用するメリットは主に4つある。

メリット1,少額(100円)からの積立投資ができる

投資を始める際に初めから大きな資金を投入するのに抵抗がある人もいるだろう。松井証券のつみたてNISAは、ほとんどのネット証券同様に100円の少額から始めることが可能だ。

少額の積立からスタートして、つみたてNISAや他の投資方法の仕組みに慣れていくにしたがって積立金額を増やしていくことが可能。初心者はぜひ段階的に運用額を増やしていく方法を実践してもらいたい。

メリット2,安心のサポート体制にて電話応答状況を公開

ネット証券の中でも、松井証券はそのサポート体制が評判。メール・電話での問い合わせ以外にもAIチャットなどを利用可能だ。J.D.パワーによるネット証券部門の2020年個人資産運用顧客満足度調査でも、松井証券のサポートシステムは高い評価を獲得し、手数料と並び、同調査のランキング第1位の受賞するきっかけともなった。

特に「サポートセンター応答状況」として電話の応答時間目安を曜日と時間帯で情報公開しているのが大きな特徴。「いつまで待っても電話がつながらない……」というストレスも軽減されるだろう。

また「リモートサポート」も用意されており、顧客サポートのオペレーターがインターネット経由で顧客のパソコン画面を共有してのサポートをしてくれる。こうした資産運用初心者への配慮は、松井証券が支持される理由の1つだろう。

メリット3,取扱銘柄が豊富で155本 

つみたてNISAの対象商品は2020年6月29日時点で、投資信託が175本、ETFは7本だ。
そのうち松井証券の取り扱いは155銘柄。これはネット証券でもSBI証券、楽天証券に次ぐ多さだ。ポートフォリオ(金融商品の組み合わせ)にさまざまな投資信託を組み入れることができるため、リスクをより分散できる。

メリット4……スマホアプリで投資を簡単に管理できる

投資信託の取引ができるスマホアプリ「投信アプリ」で投資信託による投資を簡単に管理できる。投信アプリは松井証券の口座があれば、無料で利用可能だ。

投信アプリは投資信託の提案から購入、運用のメンテナンスなど、投資信託サービスの全ての機能を備える。投資信託の提案では、ロボアドバイザーにより一人ひとりに最適な資産の組み合わせを示してくれる。

また松井証券らしくシンプルな画面設計がされているので、アプリ操作に慣れていない人でも簡単に慣れるだろう。

3.松井証券のつみたてNISAの4つの注意点・デメリット

ここまで、松井証券でつみたてNISAを始めるメリットや人気の銘柄を紹介してきた。NISA口座は1人1口座しか持てないため、口座を開設するにあたっては、デメリットや注意点もしっかりと把握しておきたい。

注意点・デメリット1,毎日や毎週の積立ができない

つみたてNISAの積立頻度は松井証券では毎月のみである。SBI証券では毎日、毎週、毎月、楽天証券では毎日と毎月が選択できるのに対し、積立期間の選択肢が少ない。

毎月しか積立期間が選べないというのは、相場が高いときは少なく買い、相場が低いときは多く買うという「ドルコスト・平均法」の観点からするとデメリットといえる。

注意点・デメリット2,増額月(ボーナス月)設定ができない

多くのネット証券ではつみたてNISAでの毎月積立で年2回の増額月(ボーナス月)設定ができるが、松井証券のつみたてNISAでは増額月の設定に対応していない。

まとまった資金が入る月に投資金額も増やしたいという人にとっては、やや不便に感じる。

注意点・デメリット3,分配金をNISA口座で再投資できない

松井証券の積立設定では分配金コースを「再投資」または「受取」から選択できる。分配金コースの「再投資」を選択した場合、分配金が再投資されるのはNISA口座ではなく課税口座(特定口座または一般口座)になる。

楽天証券やSBI証券ではNISA口座内で分配金の再投資ができることに比べると、やや見劣りしてしまう。

注意点・デメリット4,投信毎月現金還元サービスをあまり期待できない

松井証券には投資信託の信託報酬を投資家へ還元する「投信毎月現金還元サービス」がある。これは信託報酬の一部をキャッシュバックするサービスだ。つみたてNISAでの投資信託もこのサービスの対象だが、対象外の投資信託があることに注意したい。

対象の投資信託は、販売会社が受け取る信託報酬が年率0.3%(税抜)を超える銘柄。つみたてNISAで人気の投資信託の多くは信託報酬が低く、このサービスの対象外になる。

つみたてNISAでキャッシュバック目的に0.3%以上の信託報酬の銘柄を購入するのは、本末転倒になってしまう。

4.松井証券のつみたてNISAで人気の投資信託銘柄ランキングTOP10

いざつみたてNISAを始める際に150以上の投資信託からの銘柄選択を迷うこともあるだろう。銘柄選択で参考になるのが投資信託の人気ランキングだ。松井証券のつみたてNISAで資金流入ランキングTOP10の投資信託をチェックしよう。

順位 ファンド名 資産クラス 運用タイプ 信託報酬
(税込)
1位 eMAXIS Slim
米国株式(S&P500)
米国株式 インデックス型 0.09680%
2位 eMAXIS
日経225インデックス
国内外株式 インデックス型 0.44000%
3位 野村インデックスファンド・
日経225
国内株式 インデックス型 0.44000%
4位 ニッセイ日経225
インデックスファンド
国内株式 インデックス型 0.27500%
5位 <購入・換金手数料なし>
ニッセイ外国株式
インデックスファンド
先進国株式 インデックス型 0.10230%
6位 eMAXIS Slim 全世界株式
(オール・カントリー)
全世界株式 インデックス型 0.11440%
7位 たわらノーロード
先進国株式
先進国株式 インデックス型 0.10990%
8位 楽天・全米株式
インデックス・ファンド
米国株式 インデックス型 0.16200%
9位 eMAXIS Slim
先進国株式インデックス
先進国株式 インデックス型 0.10230%
10位 SMT 日経225
インデックス・オープン
国内株式 インデックス型 0.40700%
(※松井証券ホームページより筆者作成)
※2020年10月1日時点のランキング

 

ランクインした10銘柄はすべてインデックス型であり、アクティブ型は入らなかった。資産クラス別では米国株式が1位となった。

資産クラス別で最も多くランクインしたのは国内株式の4銘柄。また、次点で先進国株式も3銘柄ランキングに入った。先進国株式は米国株式を主に欧州などの先進国の株式を組み込んだもので、国内株式や米国株式より分散投資効果を期待できるという特徴がある。

5.松井証券のつみたてNISAで初心者におすすめの3つの銘柄は?

上記の資金流入ランキングから、国内株式、米国株式、先進国株式、全世界株式の4つ資産クラス別に、松井証券のつみたてNISAで初心者におすすめの投資信託を選び、その特徴を解説していこう。

【国内株式】ニッセイ日経225インデックスファンド

日経平均株価に採用されている株式、200銘柄以上を投資対象として、日経平均と連動する成果を出すことを目標としている投資信託。信託報酬0.27500%が他の日経平均連動型投資信託よりも低く抑えられている。

組入比率上位3銘柄はファーストリテイリング(9.8%)、ソフトバンクグループ(6.1%)、東京エレクトロン(4.2%)となっている。

【米国株式】eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

S&P500は米国に上場している代表的な500銘柄で構成される株価指数である。このファンドはそれらの500社へ分散投資する。信託報酬は最低レベルの0.1%弱。

S&P500は長期での右肩上がりの上昇を継続しており、つみたてNISAと相性がよい。米国株投資を始めたいという人は、初めにこのS&P500のインデックス・ファンドを検討してもらいたい。構成銘柄などを確認した後、個別株に投資するというステップを踏むとスムーズだろう。

【先進国株式】<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド

日本を除く主要先進国の株式で構成されている同ファンド。MSCIコクサイ・インデックスに連動する投資成果を目指している。2020年3月の世界的なコロナウイルスの影響で下落するも、現在はコロナ前の水準を回復している。原則として為替ヘッジは行われない。

主要資産はアメリカ(71.2%)、イギリス(5%)、フランス(3.7%)に加えて、スイス、カナダ、ドイツ、オーストラリア、オランダ、香港、その他で構成される。業種別にみると、情報技術が20.8%、ヘルスケアが14.8%、金融が13.2%。1本で主要国の主要産業に幅広く投資が可能な銘柄となっている。

【全世界株式】eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

米国だけでなく世界の先進国や新興国を加えた分散投資なら、全世界株式のファンドを検討したい。信託報酬は約0.1%であり、インデックス・ファンドの中でも十分低い値を実現している。純資産総額も増加を続けている。

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松本雄一
執筆・松本雄一
外資系コンピューター会社にてカスタマーサポート・開発・セキュリティ対策などを経験後に独立。自らの投資経験をもとに株式や投資信託などの投資情報を発信している。興味のある分野はフィンテックや新しい金融商品など。
外資系コンピューター会社にてカスタマーサポート・開発・セキュリティ対策などを経験後に独立。自らの投資経験をもとに株式や投資信託などの投資情報を発信している。興味のある分野はフィンテックや新しい金融商品など。

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