米国株同様に、米国ETFにも関心が寄せられている。手数料の安さや、昨今の株価の変動などが主な要因だ。米国ETFはバラエティに富み、世界的に有名な銘柄も多い。ここでは、初心者がチャレンジする際に知っておきたい特徴や選び方、おすすめ銘柄などを紹介する。

目次

  1. 1, 米国ETF(アメリカETF)の3つの特徴――リアルタイム、リスク分散、低コスト
  2. 2, 米国ETF(アメリカETF)を選ぶ3つのポイント――経費率、流通量、投資スタイル
  3. 3,おすすめ米国ETF(アメリカETF)10選!経費率や利回りなどを比較
  4. 4, 米国ETFを購入する際の注意点 配当利回り以外の基準もしっかり確認しよう
  5. 5,投資初心者に米国ETFをおすすめする理由
  6. 6,米国ETF(アメリカETF)でよくある6つのQ&A
  7. 実際に米国株(アメリカ株)投資を始めてみる

1, 米国ETF(アメリカETF)の3つの特徴――リアルタイム、リスク分散、低コスト

1.米国ETF(アメリカETF)おすすめ10選
(画像=MONEY TIMES編集部制作)
米国ETF(アメリカETF)とは?
米国ETF(アメリカETF)は、米国株式市場に上場する投資信託である。一般的なの投資信託との違いは、上場しているため、普通株と同じように価格の推移を見ながら株式市場で売買できること。

米国ETFは米国個別銘柄に比べて扱いやすいので、米国株初心者にとって最適な商品と言える。米国ETFには、以下のような特徴がある。

米国ETFの3つの特徴
  • リアルタイムで取引できる
  • リスクを分散できる
  • 低コストで運用できる

特徴1,リアルタイムで取引できる

投資信託の取引価格は、1日1回夜に確定する基準価額が適用されるので、注文を出した時点では約定代金がいくらになるかわからない。一方ETFは株式同様にリアルタイムで売買ができる。よって、その場で約定価格を知りたい人にはETFがおすすめだ。

特徴2,リスクを分散できる

ETFは投資信託の一種である。投資信託は株価指数を構成する多くの銘柄でポートフォリオが組まれているため、1つの銘柄に投資する場合よりもリスクを分散できる。米国ETFの構成銘柄はさまざまなので、米国ETFを1本購入するだけで自動的に分散投資ができる。

近藤真理

投資の基本は分散投資。米国ETFは、専門的な知識がなくてもリスク分散投資ができる便利な商品です。

特徴3,低コストで運用できる

米国ETFはインデックス指数を対象としているため、経費率(信託報酬とほぼ同義)が安く設定されている。一般の投資信託の信託報酬に比べても、米国ETFの経費率は安い傾向がある。

近藤真理

米国ETFの主なコストである経費率は、保有する期間中継続的に発生します。長期保有することを前提に米国ETFに投資するなら、経費率の低さは大きなメリットになります。

米国ETFを取引可能なおすすめネット証券
証券会社 手数料 ETF
銘柄数
米国取引と言ったらここ
DMM株
公式サイト
無料 93銘柄
米国ETF買付の
手数料実質無料

楽天証券
公式サイト
約定金額の
0.495%
(最低手数料0ドル、
上限20ドル)
316銘柄
米国株取引で最大
3万円キャッシュバック

マネックス証券
公式サイト
約定金額の
0.495%
(最低手数料0ドル、
上限20ドル)
310銘柄
為替振替コストが安い
SBI証券
公式サイト
約定金額の
0.495%
(最低手数料0ドル、
上限20ドル)
328銘柄
DMM.com証券楽天証券マネックス証券SBI証券の公式ホームページをもとに筆者作成(2021年7月16日現在)

2, 米国ETF(アメリカETF)を選ぶ3つのポイント――経費率、流通量、投資スタイル

2.米国ETF(アメリカETF)おすすめ10選
(画像=MONEY TIMES編集部制作)

多くの米国ETFの中から特定の銘柄を選ぶ際は、以下の3点を確認してから判断するといいだろう。

米国ETFを選ぶポイント
  • 経費率は安いか
  • 流通量は多いか
  • ポートフォリオは自分の投資スタイルに近いか

選ぶポイント1,経費率は安いか

投資初心者や米国株初心者は、米国ETFの主なコストである経費率が安い銘柄を選ぶことが大原則である。

米国ETFで資産形成をするにあたっては、為替手数料など国内株式にはないコストも発生するので、常に低コストを心掛けて運用したい。

選ぶポイント2,流通量は多いか

ETFのメリットの1つは、価格変動を見ながらリアルタイムで取引できることだ。このメリットを最大限に活かすためにも、日々の出来高が多い銘柄を選びたい。出来高が少ないと、思い通りのタイミングで取引できないことがあるからだ。

証券会社のホームページから、人気銘柄や話題を集めている銘柄の出来高をチェックしてみるといいだろう。

ポイント3,ポートフォリオは自分の投資スタイルに近いか

米国ETFのポートフォリオは、それぞれに特徴がある。主な例は以下のとおりだ。

• 高配当利回り銘柄ばかりを対象としたETF
• S&P500構成銘柄でポートフォリオを組んだETF
• S&P500対象銘柄のうち高配当利回り銘柄または成長株を集めて構成されたETF
• ナスダック上場銘柄のうち時価総額上位100銘柄を集めたETF
近藤真理

最初に自分の投資スタイルを決めて、その投資スタイルに近い特徴を持つ米国ETFを選ぶと手間がかかりません。

3,おすすめ米国ETF(アメリカETF)10選!経費率や利回りなどを比較

3.米国ETF(アメリカETF)おすすめ10選
(画像=studio v-zwoelf /stock.adobe.com)

ここでは、投資に適した米国ETFを絞り込んで、おすすめの米国ETFトップ10銘柄を選定し、それぞれのETFの概要を説明する。

米国ETFを選ぶにあたって、以下の条件を満たす銘柄を抽出した。

・長期投資を前提として「経費率が低いこと」
・保有期間中の繰上償還や上場廃止を回避するために「流動性があること」、もしくは「純資産総額が確保されていること」
・インカムゲインを期待できるように「分配金利回りが高めであること」、あるいは売却時にキャピタルゲインを狙えるように「騰落率(上昇率)が高いこと」

具体的には、以下の手順で銘柄を絞り込んだ。

タイトル
  • SBI証券と楽天証券の週間売買代金ランキング各10銘柄と、マネックス証券「銘柄スカウター米国株」配当利回り上位30銘柄をピックアップする
  • 各銘柄の経費率、分配金利回り、出来高、純資産総額などのスペックをSBI証券の米国ETF情報ページで調べて、すべての銘柄を経費率の低い順に並べ替える。
  • 純資産残高が10億米ドル以下の銘柄を除外する。
  • 出来高が10万以下の銘柄を除外する。
  • 分配金利回りが低い(2%以下)銘柄については、直近1年~3年間のチャートを確認して、直近2~3年、横ばいあるいは右肩下がりのチャートを示す銘柄を除外する。

最終的に絞り込まれたのは、以下の10銘柄である。ETFのスペックやファンド概要を見ながら、どのような米国ETFがラインアップされているかチェックしてほしい。

米国ETFおすすめランキングTOP10(2021年7月16日終値基準)

銘柄<ティッカー> 現地7/16終値
下段 円換算※
分配金
利回り
経費率
1 バンガード S&P 500 ETF<voo> 396.61米ドル
4万3,627円
1.32% 0.03%
2 バンガード
トータルストックマーケットETF<vti>
222.39米ドル
2万4,462円
1.23% 0.03%
3 バンガード
米国高配当株式ETF<vym>
104.09米ドル
1万1,449円
2.78% 0.06%
4 SPDRポートフォリオS&P
500高配当株式ETF<spyd>
39.29米ドル
4,321円
4.79% 0.07%
5 SPDR S&P 500
ETF トラスト<SPY><hdv>
431.34米ドル
4万7,447円
1.28% 0.09%
6 エネルギー・セレクト・
セクター SPDRファンド<xle>
48.68米ドル
5,354円
3.90% 0.13%
7 インベスコQQQトラスト
シリーズ1 ET<qqq>
357.6米ドル
3万9,336円
0.48% 0.20%
8 グローバルX
米国優先証券 ETF<pffd>
25.96米ドル
2,855円
5.00% 0.23%
9 ヴァンエック・ベクトル・JPモルガン
新興国現地通貨建て債券ETF<EMLC>
31.07米ドル
3,417円
4.90% 0.30%
10 iシェアーズ J.P.モルガン・米ドル
建てエマージング・マーケット債券 ETF<EMB>
112.5米ドル
1万2,375円
3.80% 0.39%
※1米ドル=110円を想定して円換算
※現地2021年7月16日終値による価格基準
※分配金利回りや純資産総額などのデータは、SBI証券の米国ETF情報ページから引用し、ランキング表を作成


米国ETFおすすめランキング表からわかるように、経費率の低さを基準にしてランキングを作成すると、バンガードが設定・運用するETFが上位3銘柄を独占した。

バンガードのETF経費率や投資信託の信託報酬の低さを、ランキングでも確認できる結果となった。

近藤真理

中長期保有が基本になる米国ETF投資では、経費率が低い銘柄を選ぶことが利益率を上げるための条件になります。そのためには、バンガードが運用する低コストETFは選択肢から外せません。

分配金目的のETF投資では、経費率の低さに加えて、分配金利回りの高い銘柄を選択します。
保有途中の早期償還や廃止を回避するため、純資産総額や出来高の小さな銘柄は避けましょう。
値上がり益目的のETF投資の場合、分配金利回りが低くても、将来的な値上がりが予想できる銘柄を選びます。

具体的には、過去1年間~5年間程度のチャートを見て、おおむね右肩上がりで価格が推移してきたことを確認します。

近藤真理

値上がり益目的の米国ETFでは、あらかじめ自分が設定した価格まで上昇した時点で利確することをおすすめします。「まだ上がる」という欲を出して、当初の目標価格以上を狙うのは、初心者のうちは売り時を逃す可能性が高いので、やめておきましょう。

第1位,バンガード S&P 500ETF<VOO>……圧倒的な低コスト、S&P500の成長性に連動

バンガードS&P500ETF
バンガードS&P500ETFはバンガードが設定・運用する低コストETFの代表格であり、近年、米国ETFの人気銘柄になっている。対象指標であるS&P500は、米国市場を代表する時価総額が大きい500銘柄で構成されている。

バンガードS&P500ETFは厳しい指数採用基準を満たした大企業、優良企業ばかりなので、倒産リスクは極めて低く、中小企業に比べると、株価変動率も大きくない(各ファンド概要のデータは、SBI証券の米国株銘柄情報から引用)。

現地時間2021年7月16日終値現在のファンド概要

対象指数 分配金利回り 純資産総額 ※ 出来高
S&P500 TR 1.32% 2,327億7,182万米ドル
(25兆6,049億20万円)
451万6,552
※2021年6月30日現在、( )内は1米ドル=110円での換算額


トータルリターン(騰落率)

設定日 設定来 直近5年 直近3年 直近1年
2010年9月7日 392.18% 119.71% 62.94% 36.25%
バンガードS&P500ETFは長期にわたって上昇トレンドを形成しているS&P500に連動しているため、VOOも一貫して右肩上がりに価格が上昇しています。ファンド設定来のトータルリターンが高い米国ETFの一つです。
近藤真理

バンガードS&P500ETFを一時的に価格が下がるタイミングを避けて、数年後に売却すれば、いつでも一定額の値上がり益を狙うことができるでしょう。

第2位,バンガード トータルストックマーケットETF<VTI>……値上がりに期待大

バンガード トータルストックマーケットETF
バンガード トータルストックマーケットETFはバンガードが運用する低コストETFの一つ。大型、中型、小型、バリュー株(割安株)やグロース株(成長株)も含めた、米国市場全体に分散投資できるETF。大型株から小型株まで、米国株式市場に上場する約4,000銘柄を投資対象としているのが特徴。ーこの点が大型株に特化したVOOとの最大の違いである。

VTIの対象指数はシカゴの金融経済調査会社「CRSP」が算出・発表している株価指数であり、約4,000銘柄の米国市場上場全銘柄を構成銘柄としている(※CRSPのホームページより)。

そのため、VTIの値動きは米国株式市場全体の値動きとよく似た値動きをする。

現地時間2021年7月16日終値現在のファンド概要

対象指数 分配金利回り 純資産総額 ※ 出来高
CRSP US Total
Stock Market TR
1.23% 2,528億2,961万米ドル
(27兆8,112億5,710万円)
320万3,304
※2021年6月30日現在、( )内は1米ドル=110円での換算額

トータルリターン(騰落率)

設定日 設定来 直近5年 直近3年 直近1年
2001年5月24日 444.13% 120.20% 61.77% 38.33%
VTIは米国株式市場全体に投資することと同等の意味があります。成長を続ける米国株式市場や対象株価指数に連動して、VTIの価格も上昇を続けています。
その反面、VTIの分配金利回りは決して高くはありません。

VTIとVOOでは株価指数こそ違うが、どちらも米国市場の上位10銘柄の比重が高いことに変わりはない。

その結果、VTIとVOOの値動きはよく似ており、トータルリターンにも大きな差は見られない。

近藤真理

VOOかVTIかで迷ったら、誰でも知っているS&P500構成銘柄に投資したければVOOを、米国株式市場全体の成長性に期待したい人はVTIを選ぶとよいでしょう。

第3位,バンガード・米国高配当株式ETF<VYM>……高配当利回り銘柄に特化

バンガード・米国高配当株式ETF
バンガード・米国高配当株式ETFはバンガードが運用する人気低コストETFの一つ。米国市場の上場銘柄のうち、予想配当利回りが市場平均を上回る高配当利回り銘柄を投資対象とするファンド。対象指数はFTSEハイディビデンド・イールド・インデックスである。
FTSEハイディビデンド・イールド・インデックス

ロンドンを拠点とする株価指数算出・管理会社「FTSEインターナショナル」が提供するFTSEグローバル・エクイティ・インデックス・シリーズ(GEIS)の一種である。米国株式市場シリーズのうち、高配当利回り銘柄でポートフォリオが構成される株価指数。

組入上位銘柄には、JPモルガン&チェース、ジョンソン&ジョンソン、ホームデポ、プロクター&ギャンブル、バンクオブアメリカといった、配当利回りが高いだけでなく、盤石な経営基盤の優良企業の名前が並ぶ。

高配当利回り銘柄に特化しているため、業績悪化などの理由で株価が暴落し、利回りが高くなっている銘柄が含まれる可能性もある。

高配当利回り銘柄のリスクに対しては、配当支払能力の高い優良銘柄の組入比率を高める、幅広い業種の銘柄を対象にする、あるいは時価総額加重平均を採用することでリスクを軽減している。

現地時間2021年7月16日終値現在のファンド概要

対象指数 分配金利回り 純資産総額 ※ 出来高
FTSE High Dividend
Yield TR USD
2.78% 375億9,586万米ドル
(4兆1,355億4,460万円)
13万6,897
※2021年6月30日現在、( )内は1米ドル=110円での換算額


トータルリターン(騰落率)

設定日 設定来 直近5年 直近3年 直近1年
2006年11月10日 227.85% 66.39% 35.42% 31.68%
VYM1本で、米国の高配当利回り銘柄に分散投資ができます。組入銘柄が適切に管理されており、価格変動リスクが抑えらるため、価格下落をあまり心配することなく、長期保有することができます。
近藤真理

VYMは「高配当」という言葉の割に分配金利回りが低い印象を受けますが、低コストで、長期的かつ安定的に分配金を受け取りたい人に適した米国ETFです。騰落率も高いので、数年間保有した後に、売却して値上がり益を得ることもできます。

第4位,SPDRポートフォリオS&P 500高配当株式ETF<SPYD>……S&P500の高配当銘柄

SPDRポートフォリオS&P 500高配当株式ETF
S&P500指数のうち、実質的に配当利回りの高い上位80銘柄でポートフォリオを組成するETFであり、組入銘柄のパフォーマンスが対象指数の値動きに連動するように計算・運用されている。

SPDRポートフォリオS&P 500高配当株式ETFは、ステート・ストリートが2015年に設定し、運用を開始した比較的新しいファンドであり、ステート・ストリートの低コストETFブランド商品の一つである。

対象指数は、S&P500構成銘柄のうち、配当利回り上位80銘柄のパフォーマンスを計測する株価指数である。配当利回りは、特別配当を除く直近配当に、年間配当頻度を掛けた年間予想配当を用いて算出されている。

現地時間2021年7月16日終値現在のファンド概要

対象指数 分配金利回り 純資産総額 ※ 出来高
S&P 500 High
Dividend TR USD
4.79% 46億4,051万米ドル
(5,104億5,610万円)
113万1,623
※2021年6月30日現在、( )内は1米ドル=110円での換算額


トータルリターン(騰落率)

設定日 設定来 直近5年 直近3年 直近1年
2015年10月22日 68.08% 41.89% 19.53% 44.03%
SPDRポートフォリオS&P 500高配当株式ETFは高配当利回りの銘柄が投資対象ですが、80の組入銘柄はすべてS&P500構成銘柄で、経営基盤の安定した大型株ばかりです。長期間保有しても、組入銘柄の倒産リスクや株価暴落リスクが少ないので、大幅な価格変動(特に暴落)を心配する必要はありません。
近藤真理

トータルリターンが特別低いわけではありませんが、分配金利回りが高いので、値上がり益よりも分配金を重視した長期保有をしたほうが、メリットが大きくなるでしょう。

第5位,SPDR S&P 500 ETF トラスト<SPY>……S&P500指数の構成銘柄すべてに投資

SPDR S&P 500 ETF トラスト
ステート・ストリートが設定・運用する低コストETFの一つであり、S&P500指数を構成する500銘柄に分散投資するETFである。

SPDR S&P 500 ETF トラストの対象指数はS&P500指数だ。同指数は24に分類された独立系産業グループごとに大型株計500銘柄で構成されている。

設定は1993年で、米国ETFの先駆けともいえる銘柄である。設定来のトータルリターンは米国ETFの中でもトップレベルであり、S&P500指数同様に、28年もの長期間にわたって、右肩上がりの成長を維持している。

SPDR S&P 500 ETF トラストは、今でも米国あるいは世界中で1日の出来高がもっとも多い、人気のあるETFだ。

現地時間2021年7月16日終値現在のファンド概要

対象指数 分配金利回り 純資産総額 ※ 出来高
S&P 500 TR 1.28% 3,740億3,132万米ドル
(41兆1,434億4,520万円)
7,587万4,662
※2021年6月30日現在、( )内は1米ドル=110円での換算額


トータルリターン(騰落率)

設定日 設定来 直近5年 直近3年 直近1年
1993年1月22日 1,558.07% 114.70% 60.31% 32.85%

同じS&P500指数を対象指数にもつVOOとは、分配金利回りは1.3%前後で大きな差は見られず、トータルリターンも直近1年~5年であればあまり違いはない。

経費率だけを見るとVOOのほうが圧倒的に低いが、1日の出来高では、SPYの出来高はVOOの16倍以上もあり、SPYのほうが活発に取引されている。

ETFの価格も、人気の高さを反映して、VOOよりSPYのほうが高くなっている。

近藤真理

分配金目的ではなく、値上がり益の獲得を目的に、購入・保有するのに適した銘柄です。VOOと迷う場合は、低コストに魅力を感じる人はVOOを、28年間の運用実績に信頼と安心を感じる人はSPYを選ぶとよいでしょう。

第6位,エネルギー・セレクト・セクターSPDRファンド<XLE>……公益企業対象のファンド

エネルギー・セレクト・セクターSPDRファンド
ステート・ストリートが設定・運用する低コストETFの一つであり、米国のエネルギー企業を投資対象とするETF。

エネルギー・セレクト・セクターSPDRファンドの対象指数はエネルギー・セレクト・セクター・インデックスである。

エネルギー・セレクト・セクター・インデックス

S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が1998年から算出・発表している株価指数。S&P500指数の構成銘柄を世界産業分類基準(GICS)で分類した11業種のうち、エネルギー・セレクト・セクターに分類される22銘柄のパフォーマンスを計測したもの。

エネルギー・セレクト・セクターに分類されるのは、エネルギー設備・サービス、石油・ガス・消耗燃料に関連する商品やサービスを提供する企業である。

現地時間2021年7月16日終値現在のファンド概要

対象指数 分配金利回り 純資産総額 ※ 出来高
Energy Select
Sector Index
3.90% 255億5,291万米ドル
(2兆8,108億2,010万円)
3,712万6,896
※2021年6月30日現在、( )内は1米ドル=110円での換算額


トータルリターン(騰落率)

設定日 設定来 直近5年 直近3年 直近1年
1998年12月16日 232.54% -14.44% -25.78% 36.97%

エネルギー・セレクト・セクターに属する企業は、原料となる原油の需給状態や価格相場が不安定であるため、業績悪化のリスクが大きく、株価の変動幅も大きいのが特徴。

XLEの騰落率を見ても、マイナスになる期間もあることから、初心者は値上がり益を狙った投資は避けるべきです。
ただし、分配金利回りの高さから、インカムゲイン狙いの投資対象としては、1998年の設定以来根強い人気があり、出来高も多いです。
近藤真理

ファンドの組入銘柄はS&P500採用銘柄なので、組入銘柄の倒産リスクは比較的低いです。分配金利回りも高いため、分配金を目的とした長期投資なら、資産形成の選択肢に加えてもよいでしょう。

第7位,インベスコ QQQ トラスト シリーズ1 ETF<QQQ>……価格上昇率はトップクラス

インベスコQQQトラストシリーズ1 ETF
実質的には、米国株式市場を代表する株価指数、「ナスダック100」指数の構成銘柄に投資し、ナスダック100指数のパフォーマンスに連動するように算出・運用されている。インベスコQQQトラストシリーズ1 ETFの参考指数は、1985年からNasdaq社が算出・発表を続けているナスダック100である。
ナスダック100

ナスダック100指数の指数採用基準は、国籍は問わず、米国ナスダック市場に上場する銘柄のうち(金融業を除く)、資本金、時価総額、利益などの基準のうち一つでも満たすこと。ナスダック市場を代表する優良企業上位100社の時価総額加重平均で算出される株価指数がナスダック100指数である。

ナスダック100指数の構成銘柄100社にはIT企業が多く含まれており、100社の時価総額だけでナスダック市場の約7割を占めているのが特徴である。

現地時間2021年7月16日終値現在のファンド概要

対象指数 分配金利回り 純資産総額 ※ 出来高
NASDAQ 100 TR 0.48% 1,770億981万米ドル
(19兆4,710億7,910万円)
4,726万1,961
※2021年6月30日現在、( )内は1米ドル=110円での換算額


トータルリターン(騰落率)

設定日 設定来 直近5年 直近3年 直近1年
1999年3月10日 699.93% 225.39% 102.50% 33.54%
ナスダック100構成銘柄には、持続的成長力のある新興企業が多く含まれています。さらに、ボラティリティの大きなエネルギー企業の組入比率も低いことから、QQQの過去のトータルリターン(直近5年間)は、S&P500を対象指数とするVOOやSPYのおよそ2倍になっています。
一方、分配金利回りはランキングTOP10の中でもっとも低い0.48%なので、分配金を狙った投資には向きません。
近藤真理

QQQの保有期間が長くなればなるほど、VOOやSPYに比べて価格上昇率が高くなる、つまり、売却時点でより大きな値上がり益を獲得できる可能性があります。VOOやSPYほど格安コストではありませんが、QQQ程度の経費率であれば、価格上昇率の高さで相殺できる見込みがあります。

第8位,グローバルX 米国優先証券 ETF<PFFD>……分配金利回りの高さが最大の魅力

グローバルX 米国優先証券 ETF
設定・運用しているのは、業界としては新興のETF専門資産運用会社である「グローバルX」。議決権はないが、配当金が大きい米国の優先株に分散投資するファンド。

本ETFの対象指数は、広範な業種で構成される米国優先株のパフォーマンスを測定する株価指数である。

米国では2021年現在、低金利政策がとられており、低コストでの社債発行が活発に実施されている。

低コストでの社債に代わる投資対象として、議決権は制限されるが配当が高く、債券とよく似た動きをする優先株に注目が集まっている。

2017年に設定された新しいETFである。優先株指数に連動する投資成果を目指すETFとしては、国内ネット証券から取引できる数少ないETFのうちの一つだ。

現地時間2021年7月16日終値現在のファンド概要

対象指数 分配金利回り 純資産総額 ※ 出来高
ICE BofA Merrill Lynch
Diversified Core U.S.
Preferred Securities Index
5.00% 19億6,850万米ドル
(2,165億3,500万円)
51万3,885
※2021年6月30日現在、( )内は1米ドル=110円での換算額


トータルリターン(騰落率)

設定日 設定来 直近5年 直近3年 直近1年
2017年9月13日 28.00% 24.60% 13.13%
分配金利回りは5.0%で、ランキングTOP10銘柄の中でもっとも高い利回りです。配当の高い優先株に特化したファンドであるため、インカム重視型のETFであるのは明らかです。

価格の安さも魅力の一つ。2021年7月16日現在の価格は1口25.96米ドル(1米ドル=110円の場合、2,855円に相当)。1口だけでなく、10口、100口購入すると、分配金収入も大きくなる。

設定から年数があまり経過していないため、直近5年の騰落率は確認できない。直近3年、直近1年の騰落率を他のETFと比較しただけでも、PFFDの騰落率は高いとはいえず、今後も価格の大幅な上昇は期待できないと見るべきだろう。

近藤真理

新しいETFなので、純資産総額や出来高を他のTOP10銘柄と比べるとまだまだ小さいですが、分配金利回りの高さから、今後は、インカムゲイン狙いの投資家から注目されるETFになるでしょう。

第9位,ヴァンエック・ベクトル・JPモルガン新興国現地通貨建て債券ETF<EMLC>……新興国の高利率債券が投資対象

ヴァンエック・ベクトル・JPモルガン新興国現地通貨建て債券ETF
世界中に拠点を置く投資運用会社のヴァンエックが2010年に設定し、運用している「マーケット・ベクトル」シリーズのETF。

投資対象は、新興国の発行体が発行する現地通貨建て債券であり、対象指数のパフォーマンスに連動するように算出・運用されている。

本ETFは現地通貨建て債券に直接投資するが、運用会社が為替取引も担うため、投資家は米ドル建てETFとして取引できる。

現地時間2021年7月16日終値現在のファンド概要

対象指数 分配金利回り 純資産総額 ※ 出来高
J.P. Morgan GBI-EMG
Core Index
4.90% 35億6,013万米ドル
(3,916億1,430万円)
175万5,029口
※2021年6月30日現在、( )内は1米ドル=110円での換算額


トータルリターン(騰落率)

設定日 設定来 直近5年 直近3年 直近1年
2010年7月22日 9.93% 9.00% 6.61% 4.22%
新興国の債券は利率が高いため、新興国債券でポートフォリオを組成したファンドの分配金利回りも必然的に高くなります。安全資産とみなされる債券が対象なので、分配金を目的にした長期投資に適したETFです。
ただし、債券の特性上、価格の暴落はありませんが、上昇も期待しないほうがよいでしょう。
近藤真理

安全性重視、インカム重視の投資対象としては、代表的な銘柄だと言えるでしょう。

第10位,iシェアーズ J.P.モルガン・米ドル建てエマージング・マーケット債券 ETF<EMB>……新興国が発行する債券に投資

iシェアーズ J.P.モルガン・米ドル建てエマージング・マーケット債券 ETF
30を超える新興国が発行する米ドル建て債券に分散投資するETF。本ETFは、米国の資産運用会社であるブラックロックが設定・運用する低コストETFブランド「iシェアーズ」商品の一つ。「iシェアーズ」は、ETFの中で最大シェアを誇る低コストETFブランドである。

対象指数は、新興国が発行する米ドル建て債券のパフォーマンスを計測・算出する指数であり、本ETFは、この指数に近い投資効果を目指して算出・運用されている。

現地時間2021年7月16日終値現在のファンド概要

対象指数 分配金利回り 純資産総額 ※ 出来高
J.P. Morgan EMBI
Global Core Index
3.80% 197億5,830万米ドル
(2兆1,734億1,300万円)
269万3,106口
※2021年6月30日現在、( )内は1米ドル=110円での換算額


トータルリターン(騰落率)

設定日 設定来 直近5年 直近3年 直近1年
2007年12月17日 116.50% 22.33% 19.27% 5.56%

実質的な投資対象の多くは、新興国が発行する国債である。本ETFへの組入比率が上位の銘柄でも、各銘柄の比率は全体の1%に満たないので、しっかり資産分散、リスク分散されている。

そのため、本ETFは、地政学的リスクはあるものの、比較的低リスクで高い分配金利回りを期待できます。出来高もしっかりあるので、保有途中でのファンド廃止や早期償還を心配する必要はないでしょう。
近藤真理

新興国の発行体が発行する債券を投資対象にする商品は、債券自体がもともと高利率で比較的安全なので、長期保有を前提にしたインカムゲイン投資に向いています。

4, 米国ETFを購入する際の注意点 配当利回り以外の基準もしっかり確認しよう

4.米国ETF(アメリカETF)おすすめ10選
(画像=Yong Hian Lim /stock.adobe.com)

個別銘柄とは違い、米国ETFは1回の投資でリスクを分散しながら、米国株の特色であるインカムゲインのメリットも得られる。米国ETFのメリットを活かした投資を実現するには、銘柄の選び方にいくつかの注意点があるので、忘れずに確認しておきたい。

米国ETFを購入する際の注意点
  • 高い利回りの銘柄が良い銘柄とは限らない
  • 為替リスクや価格変動リスクを忘れない
  • 購入時に買付手数料がかかる

注意点1,高い利回りの銘柄が良い銘柄とは限らない

米国ETFには利回り(30日)が8%、9%にもなる高利回り銘柄が存在するが、利回りの高さだけに着目して銘柄を選ぶのは危険だ。

高利回りの株式や社債が組み入れられたETFには、株式であれば赤字業績が続いている、社債であれば信用格付け「B」銘柄の投資比率が高いなどの潜在的リスクがある。このような場合は倒産や減配の可能性があるため、状況が悪化すると基準価額が暴落するだけでなく、希望通り売却できないことも考えられる。

高利回りを米国ETFの銘柄選びの基準にする際には、利回りが高すぎない銘柄、せいぜい5%程度までの銘柄を選んでおくのが無難だ。5%以上の場合でも、S&P500やナスダックなど、質の高い企業が母集団になっているETFなら比較的安心だろう。

近藤真理

分配金を得られるETFでも経費率(年率)が0.6%や0.7%という銘柄もあります。米国ETFを保有する期間中かかる経費は、受け取る分配金の手取り額を減らしてしまいます。経費率が高くはないか十分チェックしてましょう。

注意点2,為替リスクや価格変動リスクを忘れない

米国ETFは個別銘柄に比べて価格変動リスクが低いものの、米ドル建ての商品であることから為替リスクがある。為替相場の悪化によって、売却時に投資元本を割り込む可能性があることを忘れないでほしい。

近藤真理

ETFは多くの銘柄に分散投資をするためリスク分散になるとはいえ、価格変動リスクがなくなるわけでありません。米国株式相場が下落すれば、米国株式を組み入れているETFの基準株価も下落します。米国ETFといえども、万能ではないことを覚えておきましょう。

注意点3,購入時に買付手数料がかかる

米国ETFは米国株の一種なので、購入時には株式同様に買付手数料がかかる。ネット証券では投資信託の買付手数料は原則無料になっているが、これと混同しないようにしたい。

しかしネット証券各社では、米国ETFのうち特定銘柄に対して買付手数料を恒久的に無料にしている。NISA口座を使えば実質的に買付手数料が無料で、かつ非課税になる。これを利用すれば、コストをギリギリまで抑えて米国ETF投資ができるようになる。

条件が合えば米国ETFのコストを下げながら投資ができるので、買付手数料無料の米国ETFをチェックしてみるといいだろう。

5,投資初心者に米国ETFをおすすめする理由

5.米国ETF(アメリカETF)おすすめ10選
(画像=Aksana Kavaleuskaya /stock.adobe.com)

投資初心者のうちは、取引コストとリスクはできるだけ低いほうがいい。この条件を満たす商品の1つが米国ETFだ。

米国ETFなら、大きな利益を得ることは期待できないが、堅実に投資したい人の強い味方になるはずだ。

6,米国ETF(アメリカETF)でよくある6つのQ&A

米国ETF(アメリカETF)とは?
米国株式市場に上場する投資信託のこと。個別株と同様にリアルタイムで価格の上下を確認しながら売買することができる。
米国ETFの特徴は?
リアルタイム取引、リスク分散、低コスト運用の3つが大きな特徴だ。
なぜ米国ETFは初心者におすすめなのか?
取引する際のコストとリスクを低減できるため。
米国ETFを選ぶポイントは?
経費率の安さ=コストを抑えられるか?、流通量が多いか=売買しやすいか?、ポートフォリオは自分の投資スタイルに近いか?=投資の基本戦略にマッチしているか?という3点をチェックしよう。
おすすめの米国ETF銘柄は?
注目したいのはバンガードのETF。「S&P 500 ETF」「トータルストックマーケットETF」「米国高配当株式ETF」は低経費率、高流動性、インカムorキャピタルゲインの期待があるという3条件を満たしている。
米国ETFを購入する際の注意点は?
利回り以外も確認する、為替・価格変動リスクを考慮する、購入時にコストがかかるという3点は注意したい。

実際に米国株(アメリカ株)投資を始めてみる

口座開設数1位、IPO取扱数1位、投信本数1位、外国株取扱国数1位 >>SBI証券の口座開設はこちら

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近藤真理
執筆・近藤真理
証券会社の引受業務やビジネス系翻訳携わったのち、個人投資家として活動。現在は総合証券、ネット証券の両方を使いこなし、経済、金融、HR領域で多数の媒体で執筆中。2019年にフィナンシャルプランナーの資格取得。
証券会社の引受業務やビジネス系翻訳携わったのち、個人投資家として活動。現在は総合証券、ネット証券の両方を使いこなし、経済、金融、HR領域で多数の媒体で執筆中。2019年にフィナンシャルプランナーの資格取得。

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