投資信託を比較するときの6つのポイントとは?購入時手数料、信託報酬、信託期間……

2020.5.11
INVESTMENT
(写真=Andrey_Popov/Shutterstock.com)
(写真=Andrey_Popov/Shutterstock.com)
数多くの投資信託のなかには同じように運用される商品が複数見つかることがある。どの投資信託を選べばいいか判断に困ることもあるだろう。類似した投資信託を比較検討する際にチェックすべきポイントや選ぶべき投資信託、おすすめのネット証券を考えてみよう。

目次
1.比較するときの6つのポイント
2.手数料の安いインデックス型の投資信託7選
3.投資信託の取り扱い数をネット証券で比較
4.投資信託は手数料など細かい点を確認

1.投資信託を比較するときの6つのポイント

日本の投資信託は5000本以上ある。数千もの投資信託から自分が投資すべきものを選別するには6つのポイントをおさえることが大切だ。

⑴投資信託は購入時手数料が安いか

投資信託は購入時手数料が安いものや手数料ゼロ(ノーロード)で購入できる商品を選んだほうが初期コスト面で有利になる。

購入時手数料は投資信託購入時に販売会社(銀行や証券会社などの金融機関)に支払う手数料だ。金融機関によっては「買付手数料」や「販売手数料」などと呼ぶ場合もある。

購入時手数料は投資信託や販売会社によって異なる。ゼロの投資信託もあれば4%程度の手数料がかかるものまで様々だ。

例えば購入時手数料が3%の投資信託を100万円分購入する場合、投資家は手数料込みで約103万円の資金を用意する必要がある。

⑵投資信託の信託報酬が低いか

投資信託の保有期間中に継続的にかかる「信託報酬(運用管理費用)」も投資信託を比較するときの重要ポイントだ。投資信託を長期間保有するほど信託報酬が投資家に与える影響は大きい。類似した運用をする投資信託であれば、信託報酬が低い投資信託を選ぶほうが賢明だろう。

投資信託の信託報酬は購入時手数料のように投資家が直接金融機関に支払うものではなく、日割計算で信託財産から差し引かれる。信託報酬率は「年率○○%」のように定められており、目論見書で確認できる。

投資信託にはインデックス型とアクティブ型がある。一般的にインデックス型のほうが信託報酬は低い傾向だ。インデックス型はインデックス(指標)と同じ運用成績を目指すため、一般的にインデックスの構成資産に投資している。そのため運用コストを抑えられて信託報酬を下げやすい。

近年ではインデックス型で信託報酬が年率0.1%程度という低い手数料の投資信託が多く登場している。投資する資産によって信託報酬は変わるが、インデックス型の投資信託であれば年率0.5%程度より低い信託報酬を目安としたい。

⑶投資信託の解約時手数料(信託財産留保額)がかからないか

投資信託によっては解約(売却)時にも手数料がかかる。解約時の手数料は信託財産留保額として基準価額に対する%で示される。

例としてSBI証券では2020年4月26日時点の投資信託2,652本のうち信託財産留保額が0%を超えるものは約1,000本だ。SBI証券で取り扱いのある投資信託のうちおよそ38%(1,000/2,652)は信託財産留保額を負担しなければならない。

投資信託での信託財産留保額の範囲は0%から高いものでは3.5%にも及ぶ。投資信託の解約時に思わぬ手数料負担がないよう、信託財産留保額は必ず比較しておきたい。

⑷投資信託の運用成績がいいか

投資信託の運用成績も比較するうえで役立つ。投資信託がどのように運用され運用成績がどうなったかは運用報告書で確認できる。

新規に設定された投資信託でない限り、運用報告書は運用会社のウェブサイトなどに掲載される。投資信託の比較サイトなどでは複数の投資信託を選んで基準価額の推移をグラフで比較できるサービスなどを提供している。これらを活用すれば、投資信託での過去の成績を容易に比較できる。

投資信託の運用成績を数字で比較するときに期間別の基準価額騰落率を用いることがある。期間は5年、3年、1年などで基準価額の増減を確認できる。これらの期間で基準価額の増加率が高い投資信託は運用成績がよいといえる。

もちろん過去の運用成績が良かったからといって将来の運用成績が良くなるという保証はないが、投資信託の運用能力を比較するうえで押さえておくべきポイントだろう。

⑸投資信託の信託期間が長いか

信託期間とは投資信託が運用される期間のことである。短期間の運用ではあまり気にする必要はないが、長期間にわたり投信信託を保有するなら信託期間は確認しておきたい。

信託期間は投資信託の目論見書や販売会社のホームページなどで確認できる。例えば信託期間が「2020年12月31日まで」と定められていれば、原則として2020年の年末で当該投資信託の運用は終了し償還される。

信託期間が延長される可能性もあるが、運用が中断されるリスクを持った投資信託は避けたほうがよい。投資信託の長期間の保有を目的とするならば信託期間が十分に長く設定されたものや「無期限」となっているものを選びたい。

⑹投資信託の純資産総額が小さすぎないか

投資信託の資産規模を示す「純資産総額」もチェックしたい。純資産総額が大きければ大きいほど良いというわけではないが小さすぎる場合は注意が必要だ。資産規模が小さいと運用効率が悪くなり運用会社の収益にマイナスの影響が出ることがある。

それを避けるために多くの投資信託では純資産総額が一定以下になった場合、繰上償還(期日を待たずに運用を終了すること)が定められている。純資産総額が10億円を下回ると繰上償還のリスクが高まる。

投資信託を購入して間もなく繰上償還となっては意味がないので、投資信託の純資産総額は確認しておきたい。

2. 手数料の安いインデックス型の投資信託7選

6つのアセットクラス(資産クラス)とバランス型を含むインデックス型の投資信託7つを紹介する。特に投資信託の手数料に重点を置いて比較してみたが、購入時手数料は販売会社により異なるため選定のポイントからは除いている。(※データは2020年4月26日時点)

国内株式……大和-iFree 日経225インデックス

  • 信託報酬……0.154%(税込)
  • 信託財産留保額……なし
  • 信託期間……無期限
  • 純資産総額……87億1,900万円
大和-iFree 日経225インデックスは国内株式のインデックスのひとつである日経225の値動きへの連動を目指すファンドである。

信託報酬は国内株式をアセットクラスとするファンドでは最低レベルだ。

海外株式……三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

  • 信託報酬……0.0968%以内(税込)
  • 信託財産留保額……なし
  • 信託期間……無期限
  • 純資産総額……838億3,700万円
三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は米国の約500社が対象のS&P500の値動きへの連動を目指すファンドである。

信託報酬は国内のすべてのファンドで最低レベルの0.1%を下回る値を実現する。

国内債券……三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 国内債券インデックス

  • 信託報酬……0.132%以内(税込)
  • 信託財産留保額……なし
  • 信託期間……無期限
  • 純資産総額……84億3,700万円
三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 国内債券インデックスは国内債券の値動きへの連動を目指すファンドである。

信託報酬は国内債券をアセットクラスとするファンドでは最低レベルだ。

海外債券……三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 先進国債券インデックス

  • 信託報酬……0.154%以内(税込)
  • 信託財産留保額……なし
  • 信託期間……無期限
  • 純資産総額……91億6,300万円
三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 先進国債券インデックスは日本を除く先進国の債権の値動きへの連動を目指すファンドである。

信託報酬は先進国の債権をアセットクラスとするファンドでは最低レベルだ。

国内REIT……りそなAM-Smart-i Jリートインデックス

  • 信託報酬……0.187%(税込)
  • 信託財産留保額……なし
  • 信託期間……無期限
  • 純資産総額……21億6,300万円
りそなAM-Smart-i Jリートインデックスは日本のREIT(不動産投資信託)の値動きへの連動を目指すファンドである。

信託報酬は国内REITをアセットクラスとするファンドでは最低レベルだ。

海外REIT……三菱UFJ国際-eMAXIS 先進国リートインデックス

  • 信託報酬……0.22%以内(税込)
  • 信託財産留保額……なし
  • 信託期間……無期限
  • 純資産総額……11億2,000万円
三菱UFJ国際-eMAXIS 先進国リートインデックスは日本を除く先進国のREITの値動きへの連動を目指すファンドである。

信託報酬は先進国REITをアセットクラスとするファンドでは最低レベルだ。

バランス……One-たわらノーロード バランス(8資産均等型)

  • 信託報酬……0.154%以内(税込)
  • 信託財産留保額……なし
  • 信託期間……無期限
  • 純資産総額……74億300万円
One-たわらノーロード バランス(8資産均等型)は国内・先進国・新興国の株式と債券および国内・先進国のREITの8資産へ均等に投資するファンドである。

信託報酬はバランス型のファンドでは最低レベルだ。

3.投資信託の取り扱い数をネット証券で比較

投資信託を運用するならネット証券がおすすめだ。ネット証券は購入時手数料が無料のところが多いので、コストメリットがある。

主なネット証券6社の投資信託の「取り扱い数」「購入時手数料」「最低積立金額」を比較する。(※データは2020年4月26日時点)
 
ネット証券 投資信託
取り扱い数
投資信託
購入時手数料
投資信託
最低積立金額(円)
SBI証券 2,652本 無料 100円
楽天証券 2,637本 無料 100円
松井証券 1,254本 無料 100円
マネックス証券 1,177本 無料 100円
auカブコム証券 1,182本 無料 100円
岡三オンライン証券 542本 無料 100円
※筆者作成

SBI証券……投信取扱2,652本で、投資信託パワーサーチが便利

SBI証券は主要ネット証券で投資信託の取り扱い数がトップレベルの2,650本超である。

自分好みの投資信託を探すにはSBI証券ホームページの「パワーサーチ」が便利だ。パワーサーチはさまざまな条件で投資信託を絞り込める。

楽天証券……投信取扱2,637本、買い付けに楽天スーパーポイントを利用可

楽天証券も主要ネット証券で投資信託の取り扱い数がトップレベルの2,630本超だ。

投資信託の買い付け代金の一部またはすべてに楽天スーパーポイントや楽天証券ポイントを利用できる。ポイントは投資信託の積立でも利用できる。

松井証券……投信取扱1,254本、3つのロボアドバイザーが資産形成をサポート

松井証券の投資信託の取り扱い数は1,250本超と充実のラインアップである。

特徴は3つのロボアドバイザーによる資産形成のサポートだ。8つの質問に答えるだけで始められるロボアドバイザー「投信工房」などが投資信託の初心者でも資産形成を助けてくれる。

マネックス証券……投信取扱1,177本、投資信託を持っているだけでポイントが貯まる

マネックス証券の投資信託の取り扱い数は1,170本超である。

投信ポイントプログラムでは投資信託を持っているだけで毎月ポイントが貯まる。貯まったポイントは株式手数料の充当やdポイント、Amazonギフト券などに交換できる。

auカブコム証券……投信取扱1,182本、月間平均保有残高に応じてポイントが貯まる

auカブコム証券の投資信託の取り扱い数は1,180本超である。

毎月ポイントにて月間平均保有残高に応じてポイントが貯まる。100ポイント貯まると1万円に交換可能だ。

岡三オンライン証券……投資信託542本、保有残高に応じて信用取引手数料がお得になる

岡三オンライン証券の投資信託の取り扱い数は540本超と十分なラインアップだ。

投資信託の保有残高に応じて信用取引手数料が安くなったり、IPOの当選確率がアップしたりする特典もある。

4.投資信託を比較するなら手数料など細かい点もチェックしたい

同じように見える投資信託でも注意深く分析していけばその違いが分かってくるはずだ。特に投資信託では信託報酬などといった手数料の小さな違いが長期投資では大きな差になる。

6つのポイントを参考にしながら投資信託を比較して、自身の目的に合う最適な投資信託を見つけてほしい。

文・松本雄一(ビジネス・金融アドバイザー)

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