ETFとはExchange Traded Fundsの頭文字をとった略語で上場投資信託を意味する。日経平均株価やTOPIXなどの対象指数の値動きに連動するように運用されている、インデックスファンドに似た投資信託の一種だ。東京証券取引所ETF市場に上場されているため上場株式と同じように取引できる。
ETFは投資に詳しくない初心者でも購入しやすい3つの理由がある。
1つ目の理由は値動きがわかりやすいところ。毎日ニュースで報道されている各種指標の値動きに連動するように運用されているので、ETFの値動きや損益を把握しやすい。
2つ目はETFで分散投資と同じリスク低減効果が得られること。ETFは本来、いくつもの資産に分散投資する商品であるため、例えばTOPIX連動型のETFなら、TOPIX構成銘柄すべてに投資することと同じなのだ。
3つ目は低額で始められてしかも低コストであること。ETFでは現物株式のように売買単位が100株と決められていないため、株価1,500円前後の銘柄が1口から購入できる場合もある。さらに指標に連動した値動きをする商品なので運用コストが安く抑えられる。
ETFは東京証券取引所に上場されているため、一般的な投資信託より上場株式に似た性質を持つ。市場で流通しているので、日本全国どの証券会社でも同じ価格で、購入価格はリアルタイムの時価、指値・成行注文、そして取引可能時間は取引所の立会時間中といった特徴がある。
ETFは同一銘柄なら全国どこでも同じ価格、同じ信託報酬で購入できる。どの証券会社でも東証上場ETFの229銘柄すべて(2019年3月13日時点)を取り扱っている。
売買手数料については基本的にネット証券各社の国内現物株式の売買手数料体系が適用されており、各社固有のサービスとして一部銘柄の売買手数料を無料にしている場合もある。ここではネット証券各社のETF売買手数料(2019年3月13日時点)やその他のサービスを整理しておきたい。
ETF取扱証券会社比較 (2020年9月時点) |
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ネット証券 会社名 |
手数料(税込) | 手数料 無料の ETF本数 |
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10 万円 |
50 万円 |
100 万円 |
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詳細はこちら | 0円 | 0円 | 0円 | 113本 | |
詳細はこちら | 0円 | 0円 | 943円 | 103本 | |
詳細はこちら | 0円 | 0円 | 1000円 | - | |
4位![]() |
90円 | 250円 | 990円 | 100本 | |
5位![]() |
80円 | 180円 | 340円 | 88本 |
売買手数料は、1注文の約定代金が50万円以下なら0円、100万円で477円(税抜)など、業界屈指の格安手数料が設定されている。さらに売買手数料の1.1%相当のポイントも付与される。
期間限定でETF売買手数料全額キャッシュバックキャンペーンが展開されていることがあるので、定期的にチェックするといいだろう。
楽天証券が取り扱うETFの売買手数料もSBI証券と同額で業界最低水準であり、手数料の1%がポイントバックされる。
楽天投信投資顧問・iShares・MAXISが運用する35本のETFについては売買手数料が0円になっている。中でも楽天投信投資顧問のレバレッジETFとインバースETFでは、信託報酬が同種のレバレッジETFの半額程度であり、低コストを重視する人には注目の銘柄だ。
楽天証券では現在現物株デビューで200万ポイントを山分けするキャンペーンなどを実施している。ETFの購入も対象になるので、楽天証券でETF投資をするならキャンペーン開催中の今がおすすめだ。
楽天証券で口座開設するなら、楽天カードを利用するのがおすすめだ。 楽天証券では、楽天カードでの投信の積立や保有でも楽天ポイントが付与される。楽天カードを持っている人はもちろん、まだ持っていない人もこの機会に新規申込すると良いだろう。
楽天カードでは、現在新規カード発行でもれなく5,000ポイントもらえるキャンペーンを実施中だ。
松井証券では、ETFを含めた現物の株式売買手数料にボックスレートを採用。1日の約定代金合計額に対して一定額の手数料がかかる。合計額が50万円以下だと手数料は無料で、50万円超で1000円(税抜)となるため、数千円から取引できるETFを組み合わせれば、1日に何本かを手数料無料で購入可能。ETF銘柄一覧でチェックしたい。
現物の株式売買手数料と同じ料金体系なので、1注文の約定代金が10万円以下だと手数料は99円(税込)、20万円以下だと194円。この手数料からシニア割、女子割、NISA割、株主優待割引などで手数料が割引され、さらにkabu.comカードの保有で手数料の最大1.5%がキャッシュバックされる。
au カブコム証券では指定のETF100本の売買手数料が常時無料(フリーETF)。さらに、現物株式同様にETFでも指定銘柄を毎月500円以上1円単位で積み立てられるサービス(プレミアム積立)もある。
現物の株式売買手数料は1注文の約定代金が5万円以下なら54円(税込)、10万円以下84円、20万円以下104円、50万円以下194円など業界最安値であり、手数料1%分の株ポイントも付与される。
DMM.com証券では手数料無料のETFはないが、もともとの手数料が安いので十分検討の余地はあるだろう。
ETFは1口から購入できる。しかし、1口の基準価額が3万~4万円にもなるETFだと、相場が急落した場合のダメージをおそれて、購入を躊躇してしまうかもしれない。ここまでETFとはどんな商品か、どのネット証券がおすすめかなどを紹介してきたが、最後に投資初心者でも気軽に投資できる、1口1万円以下で買えるETFを探してみよう。
利用するのは、SBI証券の国内株式スクリーナー。ETFを売却したい時にすぐ約定するように、流通量が多い(=売買代金が多い)銘柄を選びたい。
[スクリーニングの条件]
スクリーニングの結果、95件が抽出された。平均売買代金を基準に降順に並べ替えると、上位10銘柄は以下のようになった。
順位 | 銘柄名 (コード) |
基準価額 (円) |
平均売買代金/日 |
1 | NF日経平均 ダブルインバース (1357) |
719円 | 175億2,783万5,000円 |
2 | 楽天ETF日経 ダブルインバース (1459) |
2,861円 | 38億8,447万4,000円 |
3 | NNドバイ原油先物ブル (2038) |
232円 | 24億9,146万2,000円 |
4 | WTI原油価格連動型 上場投信(1671) |
819円 | 23億9,641万7,000円 |
5 | 国際ETF VIX短期先物指数(1552) |
8,510円 | 16億8,620万1,000円 |
6 | NF原油インデックス 連動型上場(1699) |
101円※1 | 11億7,145万4,000円 |
7 | 純金上場信託 (1540) |
6,180円 | 8億2,772万7,000円 |
8 | 純プラチナ 上場信託(1541) |
2,945円 | 4億2,463万5,000円 |
9 | ダイワ日経平均 ダブルインバース(1366) |
1,877円 | 3億7,544万円 |
10 | 東証マザーズ ETF(2516) |
915円※1 | 3億5,687万4千円 |
ランクインした10銘柄中、4銘柄がインバース型であった。これは、スクリーニング時が下げ相場だったため、日経平均株価の騰落率の-1倍、あるいは-2倍の値動きをするインバース型(ベア型)ETFで、短期的な利益を狙った投資家が多かったためである。
正式名称は「NEXT FUNDS日経平均ダブルインバース指数ETF」。対象指数は「日経平均ダブルインバース・インデックス」で、日経平均株価の日々の騰落率の-2倍になるように計算された指数だ。野村アセットマネジメントが運用するETF商品ブランド、NEXT FUNDSシリーズの一つ。信託報酬は年率0.80%(税抜)である。
東証上場銘柄の売買代金ランキングで常に第1位の「NF日経レバレッジETF<1570>」(1口1万円以上なのでランキング対象外)とともにランキング上位の常連だが、両銘柄はまったく逆の値動きをする。
NF日経ダブルインバースETFとNF日経レバレッジETFの違いは値動きだけでなく、その基準価額にもある。NF日経レバレッジが1万8,000~2万円程度で推移しているのに対して、NF日経平均ダブルインバースは800~1,200円前後。基準価額が安い上に、値動きのわかりやすい日経平均の逆に2倍動くだけなので、投資の練習や、ETFの手慣らしとして購入するには最適だ。NF日経レバレッジのリスクヘッジとして利用することもできる。
菅氏が総理大臣に任命しアベノミクスが終わりかと思われたが、継続して行う意向を表明。今後の減価には注意して取引したい。
日経ダブルインバースは、楽天投信投資顧問が運用するETF。日経平均株価の前日比変動率の-2倍になるような値動きを目指して運用されている。
同じく、楽天投信投資顧問が運用する楽天ETF‐日経レバレッジ指数連動型<1458>や、それ以外の日経平均レバレッジ・インデックスを対象指標とするETFとは逆の値動きをする。
信託報酬は低めに設定されており、0.385%(税込)となっている。NF日経平均ダブルインバース同様、政治動向を見極めながら購入判断を下してほしい。
正式名称は「NEXT NOTES ドバイ原油先物 ダブル・ブル ETN」で、野村證券が運用するETN。騰落率が日経・JPX原油指数の2倍になるように計算した指数である。指数値が前日の10%未満にならないための制限も設けている。
野村證券が運用している別の原油ETF「NEXT FUNDS NOMURA 原油インデックス連動型上場投信」とは違い、変動率が2倍である分値動きが激しい。前日比100%以上の下落で上場廃止となるのが特徴。短期で儲けられる可能性もあるが大損する可能性もあるので、取引には十分注意したい。
最近ではNY原油先物の下落が続いており、軒並み低水準を移行中。原因はサウジアラビアが10月に原油価格の引き下げを行うからだと言われている。コロナウイルス流行以降原油の供給がままならないため、しばらくはこのまま低水準となるだろう。
管理費用は0.8%だが、この他に監査費用などを負担することもある。
※ETNとは……上場投資証券または指数連動証券のこと。ETF同様に株価指数などに連動し、証券会社を通じて取引所で取引できる。ETFとの大きな違いは、裏付けとなる資産がないため信用リスクがあること。
WTI(ウェスト・テキサス・インターミディエイト、テキサス州西部で採掘される良質な原油)の米ドル建て原油先物価格を円換算して、それに連動する投資成果目指すETF。独立系で国内最大規模のシンプレクス・アセット・マネジメントが運用している。信託報酬は0.935%(税込)。
2020年3月の産油国間の交渉決裂後、原油価格が大暴落した。それに伴って、レバレッジ指数に連動するETNも暴落。原油価格暴落時より基準価額が下がり、時を同じくして取引が活発になっている。
同年9月現在は、アメリカの経済活動も徐々に再開。WTIはドバイよりも活発に原油が取引されるため、NNドバイ原油先物ブルよりも現在は株価が戻っている。
「S&P500 VIX短期先物指数(トータル・リターン指数)」を円換算した対象指数に連動する成果を目指すETFで、三菱UFJ国際投信が運用している。「恐怖指数」とも呼ばれるVIX指数に連動しており、S&P500のインデックスを対象指数とするETFとは逆の値動きになる。
通常の上場株式よりも先に動く短期先物の価格を用いるため、価格変動リスクが高い商品。上昇相場では継続的に減価していくこともある。また主にアメリカ国債に投資しているため、為替変動リスクも伴う。下落相場でのリスクヘッジとして短期売買に向くETF。
2020年9月現在は横ばいで落ち着いているが、11月に控えた大統領選挙により大荒れになることも予想される。取引には注意したい。
信託報酬は0.396%(税込)と、低めに設定されている。
正式名称は「NEXT FUND NOMURA原油インデックス連動型上場投信」で、通称「原油先物ETF」。対象指標は、日本円に換算したNOMURA原油ロングインデックスである。この指標は世界の原油先物取引の中から、取引量と流通量が多いものを厳選し、一定の計算ルールで指数化したもの。
2020年9月17日に発表された中間決算短信では、流動資産を増やしたものの欠損金が大幅に増加。全体では前年同期の約6,500万円の損失より大きく増えた、207億円のマイナスで着地。
ETFは通常1口単位で取引できるが、原油先物ETFの取引単位は10口となっている。信託報酬は0.50%(税抜)。
大和アセットマネジメントが運用するダブルインバース型ETFで、対象指標は日経平均ダブルインバース・インデックスである。
対象指標の日経平均ダブルインバース・インデックスは、日経平均の日次変動率の-2倍になるよう計算された指数。そのためダイワ日経平均ダブルインバースは、日経平均の日々の変動率の-2倍の投資成果を目指して運用される。
主に、日本の株価指数先物取引を売建てながら、残存期間の短い日本の債券、ならびに「ダイワ・マネーストック・マザーファンド」の受益証券に投資することで、目標とする投資成果を目指している。
インフレ率2%を目指している現在の日本において、ダブルインバースは減価していくETFである。そのためダブルインバースの投資効果を得るためには、短期投資が前提となる。こちらもほかのダブルインバース同様、菅内閣発足時にもとくに変化は見られなかった。
信託報酬は0.825%(税込)。
「東証マザーズ指数」との連動を目指しているETFで、約250のマザーズ全銘柄で構成される。売買単位は10口から。マザーズに連動するETFが上場するのは、東証マザーズETFが初めてである。その後「マザーズ・コアETF」<1563>が誕生。こちらはマザーズ上場の15銘柄で構成されている。
2020年8月中旬より値上がりを続け、8月後半には850円を突破したが、総理大臣の辞任で急落した。時価総額の少ない若い企業が多いマザーズは、政治や経済のニュースによって揺れやすいのが特徴。9月に新総理大臣として菅氏が任命され、安倍元総理の意志を継ぎ成長経済への路線を継続する意向だ。さらなる日本経済の発展を期待してか、現在株価は右肩上がりをキープしている。
信託報酬は0.55%(税込)。
ETFが投資初心者向きであるのは、各種指標に連動するわかりやすい値動きや低コスト、分散投資によるリスク分散といった投資初心者にもやさしい条件を備えているからだ。プロに運用を任せられる安心感もある。さらにネット証券ではETFを格安の手数料または無料で購入できるとなれば、資産運用を考えている人は、一度は試してみてもよいだろう。
ネット証券各社のETF売買手数料や関連するサービスには若干の違いがある。手数料もちろんのこと、キャッシュバックあるいはポイント付与サービスなど、自分の投資スタイルに合ったネット証券でETFを始めるといいだろう。
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