圧巻の大物アオハタ
清野君のおじさんの竿やリールを巻く操作からは、かなりのベテランであることがうかがえた。仕掛けの底取りから掛けアワせに至る動作がスムーズで、魚がバッチリ竿に乗るタイミングは、見ていて「うまいわー。この方もしかしてプロかな」と思ったほどであった。
マダイの1匹目が釣れるまで、じっくりとぶれずに等速直線運動(速さも向きも変わらない一定の動き)の巻きを繰り返していた。最初の1匹は小さかったが、その後はプレッシャーから解放されたように、本命のマダイや他魚の数釣り体制に突入していた。
圧巻は、大物のアオハタを釣り上げた時である。本人はマダイの大会であるので、あまり嬉しそうな表情は見せなかったが、記者の私からすれば清野おじさんの技術と、高知の海の大物がバッチリとマッチした瞬間は、最高の気分だった。高知の海には、こんな高級魚の大物が普通に潜んでいる。夢のある海域である。
乗船者全員安打達成
他のベテランの乗船者は、さすがにベテランと分かるほど、タイラバの手持ちの数が多い。どんな状況であっても対応できるように、種類をそろえている。
高校2年生の石本さんも、オモリを変えたり、タイラバの色や種類を変えたりしながら、マダイを釣り上げていった。釣った魚の大きさはさまざまだが、私が乗った船では全員が魚を釣り上げていた。