アリババが経営体制を刷新
独占取締強化で巨額罰金を食らったアリババは12月に大規模な組織調整を行った。「多元化」管理を目指し、中国デジタルビジネスに創業メンバーの戴珊、国内ネット通販事業のトップだった蒋凡は海外デジタルビジネスのトップ、副CFOの徐宏はCFOに任命された。
経済減速や、より激しい市場競争への対応として、決裁権限を各部門に授けることで、決裁のスピードを上げる狙いがあると分析されている。
アリババの7~9期決算では、売上は市場予想に届かず、国内B2C事業の売上成長は3%に止まり、Tmallにおける実物商品の流通額(GMV)も、伸び率は前年と比べ1桁まで減少した。このような国内市場の成長鈍化及び当局の規制強化を受け、今後は海外事業の開拓に力を入れていく可能性も視野に入れてのことだろう。
ライブコマースの女王viyaが脱税で巨額罰金
タオバオで9,000万人フォロワーを持つ中国トップインフルエンサーの薇娅viya(薇娅)が脱税により、滞納した分に加え、追徴金と罰金で合計13億4,100万元(約239億円)の支払いを命じられた。その金額はかつて脱税で世間を騒然させた女優のファンビンビンをさらに上回り、過去最大の額となった。
罰金だけでなく、viyaのタオバオ、weibo、douyin、店舗およびSNSアカウントまでもプラットフォーム側により凍結され、ネットから抹殺されたため、ライバー復帰は当分難しいと思われる。
viyaの脱税事件は雪梨cherie(タオバオ売上3位の人気ライバー)に次いで有名インフルエンサーの2件目の事件となる。中国政府の脱税取締強化は、タレントからついにインフルエンサーにも及び、今後もより多くのインフルエンサーの脱税事件が公開されていくと思われる。
以上、中国IT業界の2021年を語る上で欠かせないトピックをまとめた。規制強化、株価低迷、成長鈍化、リストラなどがキーワードとなっており、全体的に見ると、2021年は中国IT企業にとって辛い一年だったと言える。
政策の変化が激しい中国、2022年は引き続き規制強化するのか、それとも緩和するのか、まだ不明だが、大手企業は規制強化を受ける分野を避け、海外市場や政府が支持する農村市場、エコカー、コア技術開発などに転換していっているようだ。
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