米国株同様に、米国ETFにも関心が寄せられている。手数料の安さや、昨今の株価の変動などが主な要因だ。今回は、米国ETF初心者があらかじめ知っておきたい基礎知識やおすすめ銘柄などを紹介する。
目次
- 1,おすすめ米国ETF(アメリカETF)10選!経費率や利回りなどを比較
- 2,投資初心者に米国ETF(アメリカETF)をおすすめする理由
- 3.米国ETF(アメリカETF)の種類
- 4, 米国ETF(アメリカETF)を選ぶ3つのポイント――経費率、流通量、投資スタイル
- 5.米国ETFを取引可能なネット証券会社は?
- 6,そもそもETFとは?個別株、投資信託との違い
- 7, 米国ETF(アメリカETF)の3つの特徴――リアルタイム、リスク分散、低コスト
- 8, 米国ETFを購入する際の注意点 配当利回り以外の基準もしっかり確認しよう
- 9.米国ETFはコストとリスクが低く投資初心者におすすめ
- 10.米国ETF(アメリカETF)でよくある6つのQ&A
- 実際に米国株(アメリカ株)投資を始めてみる
1,おすすめ米国ETF(アメリカETF)10選!経費率や利回りなどを比較
ここでは、投資に適した米国ETFを絞り込んで、おすすめ銘柄トップ10を選定し、それぞれの概要を説明する。
米国ETFを選ぶにあたって、以下の条件を設定した。
・保有期間中の繰上償還や上場廃止を回避するために「流動性があること」、もしくは「純資産総額が確保されていること」
・インカムゲインを期待できるように「分配金利回りが高めであること」、あるいは売却時にキャピタルゲインを狙えるように「騰落率(上昇率)が高いこと」
具体的には、以下の手順で銘柄を絞り込んだ。
-
SBI証券と楽天証券の週間売買代金ランキング各10銘柄と、マネックス証券「銘柄スカウター米国株」配当利回り上位30銘柄をピックアップする
-
各銘柄の経費率、分配利回り、出来高、純資産総額などのスペックをSBI証券の米国ETF情報ページで調べて、すべての銘柄を経費率の低い順に並べ替える。
-
純資産残高が10億米ドル以下の銘柄を除外する
-
出来高が10万以下の銘柄を除外する。
-
分配利回りが低い(2%以下)銘柄については、直近1年~3年間のチャートを確認して、直近2~3年、横ばいあるいは右肩下がりのチャートを示す銘柄を除外する。
最終的に絞り込まれたのは、以下の10銘柄である。ETFのスペックやファンド概要を見ながら、どのような米国ETFがラインアップされているかチェックしてほしい。
順位 | 銘柄名<ティッカー> | 現地2022/2/15終値 | 分配利回り※2 |
---|---|---|---|
円換算 ※1 | 算出基準日 ※3 | ||
1位 | バンガード S&P 500 ETF |
410.10米ドル | 1.35% |
4万7,161円 | 2022/2/14 | ||
2位 | バンガード トータルストックマーケットETF |
226.07米ドル | 1.32% |
2万5,998円 | 2022/2/14 | ||
3位 | バンガード米国高配当株式ETF |
111.55米ドル | 2.80% |
1万2,828円 | 2022/2/14 | ||
4位 | SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF |
43.06米ドル | 3.63% |
4,951円 | 2022/2/14 | ||
5位 | バンガード 米国エネルギー セクターETF |
94.06米ドル | 3.38% |
1万817円 | 2022/2/14 | ||
6位 | エネルギー セレクト セクター SPDR ファンド |
68.03米ドル | 3.40% |
7,823円 | 2022/2/14 | ||
7位 | インベスコ QQQ トラスト シリーズ1 ET |
356.13米ドル | 0.49% |
4万954円 | 2022/2/14 | ||
8位 | グローバルX 米国優先証券 ETF |
23.27米ドル | 5.66% |
2,676円 | 2022/2/14 | ||
9位 | JPモルガン米国株式 プレミアム インカムETF |
60.15米ドル | 7.18% |
6,917円 | 2022/2/14 | ||
10位 | ヴァンエック 新興国ハイ イールド債ETF |
21.46米ドル | 5.61% |
2,467円 | 2022/2/14 |
米国ETFおすすめランキング表からわかるように、経費率の低さを基準にすると、バンガードが設定・運用する銘柄が上位を独占した。バンガードは低コストETFを運用する会社として広く知られているが、上記ランキングの結果からもそれが明らかだ。
分配金目的のETF投資は運用期間が長期に及びます。そのため、分配利回りの高さだけに注目するのではなく、経費率の低い銘柄を選んで、運用コストを抑えることが重要です。そのためには、バンガードが運用する低コストETFは選択肢から外せません。
2022年2月現在では、主なネット証券のうち、DMM.com証券 株、楽天証券、マネックス証券、SBI証券、auカブコム証券(2022年1月より米国株取引を開始)の5社が米国株を取り扱っている。
米国ETFおすすめランキングTOP10銘柄のうち、各社で購入できる銘柄は以下のとおりだ。
ティッカー | DMM 株 | 楽天証券 | マネックス証券 | SBI証券 | auカブコム証券 |
---|---|---|---|---|---|
VOO | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
VTI | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
VYM | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
SPYD | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
VDE | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
XLE | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
QQQ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
PFFD | × | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
JEPI | × | 〇 | 〇 | 〇 | × |
HYEM | × | 〇 | 〇 | 〇 | × |
取扱銘柄数 | 7銘柄 | 10銘柄 | 10銘柄 | 10銘柄 | 8銘柄 |
純資産総額が小さい、あるいは出来高が極端に少ない銘柄は、保有途中に早期償還やファンド廃止のリスクがあります。こうした事態を回避するため、流動性が著しく悪い銘柄は避けましょう。
具体的には、過去1年間~5年間程度のチャートを見て、おおむね右肩上がりで株価が推移していたことを確認しよう。
値上がり益目的の米国ETFでは、あらかじめ自分が設定した価格まで上昇した時点で利確することをおすすめします。欲を出して当初の目標価格以上を狙うのは、売り時を逃す可能性が高いので、避けたほうが無難です。
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第1位,バンガード S&P 500ETF<VOO>……圧倒的な低コスト、S&P500の成長性に連動
バンガードS&P500ETFは厳しい指数採用基準を満たした大企業、優良企業ばかりなので、倒産リスクは極めて低く、中小企業に比べると、株価変動率も大きくない。
対象指数 | 経費率 | 分配利回り | 純資産総額 ※3 | 出来高 ※4 |
算出基準日 | 公表日 | 対象日 | ||
S&P500 TR | 0.03% | 1.35% ※2 | 2,699億3,724万米ドル (31兆427億8,260万円) |
681万7,708口 |
2022/2/14 | 2022/1/31 | 2022/2/15 |
設定日 | 設定来 | 直近5年 | 直近3年 | 直近1年 |
---|---|---|---|---|
2010年9月7日 | 412.46% | 108.23% | 69.41% | 15.24% |
一時的に株価が下がるタイミングを避けて、バンガードS&P500 ETFを数年後に売却すれば、いつでも一定額の値上がり益を狙うことができるでしょう。
第2位,バンガード トータルストックマーケットETF……値上がりに期待大
VTIの対象指数はシカゴの金融経済調査会社「CRSP」が算出・発表している株価指数であり、約4,000銘柄の米国市場上場全銘柄を構成銘柄としている(※CRSPのホームページより)。
そのため、VTIの値動きは米国株式市場全体の値動きとよく似た値動きをする。
対象指数 | 経費率 | 分配利回り | 純資産総額 ※3 | 出来高 ※4 |
算出基準日 | 公表日 | 対象日 | ||
CRSP US Total Stock Market TR |
0.03% | 1.32% | 2,850億5,532万米ドル (32兆7,813億6,180万円) |
440万6,254口 |
2022/2/14 | 2022/1/31 | 2022/2/15 |
設定日 | 設定来 | 直近5年 | 直近3年 | 直近1年 |
---|---|---|---|---|
2001年5月24日 | 456.67% | 103.59% | 66.33% | 10.58% |
VTIとVOOでは株価指数こそ違うが、どちらも米国市場の上位10銘柄の比重が高い。その結果、VTIとVOOの値動きはよく似ており、騰落率にも大きな差は見られない。
VOOかVTIかで迷ったら、誰でも知っているS&P500構成銘柄に投資したければVOOを、米国株式市場全体の成長性に期待したい人はVTIを選ぶとよいでしょう。
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第3位,バンガード米国高配当株式ETF<VYM>……高配当利回り銘柄に特化
ロンドンを拠点とする株価指数算出・管理会社「FTSEインターナショナル」が提供するFTSEグローバル エクイティ インデックス シリーズ(GEIS)の一種である。米国株式市場シリーズのうち、高配当利回り銘柄でポートフォリオが構成される株価指数。
組入上位5銘柄には、アップル<AAPL>、マイクロソフト<MSFT>、アマゾン ドットコム<AMZN>、メタ プラットフォームズ<FB>(旧社名はフェイスブック、2021年12月1日に社名変更を実施)、アルファベット クラスA<GOOGL>といった、米国を代表するグローバル企業(銘柄)が名を連ねている。
組入上位銘柄には、JPモルガン&チェース、ジョンソン&ジョンソン、ホームデポ、プロクター&ギャンブル、バンクオブアメリカといった、配当利回りが高いだけでなく、盤石な経営基盤の優良企業の名前が並ぶ。
配当支払能力の高い優良銘柄の組入比率を高める、幅広い業種の銘柄を対象にする、あるいは時価総額加重平均を採用することで株価下落リスクを軽減している。
対象指数 | 経費率 | 分配利回り | 純資産総額 ※3 | 出来高 ※4 |
算出基準日 | 公表日 | 対象日 | ||
FTSE High
Dividend Yield TRUSD |
0.06% | 2.80% | 429億8,076万米ドル (4兆9,427億8,740万円) |
162万8,307口 |
2022/2/14 | 2022/1/31 | 2022/2/15 |
設定日 | 設定来 | 直近5年 | 直近3年 | 直近1年 |
---|---|---|---|---|
2006年11月10日 | 257.05% | 68.30% | 44.42% | 19.73% |
VYMは「高配当」という言葉の割に利回りが低い印象を受けますが、低コストで、長期的かつ安定的に分配金を受け取りたい人に適した米国ETFです。騰落率も高いので、数年間保有した後に売却して、値上がり益を得ることもできます。
第4位,SPDRポートフォリオS&P 500高配当株式ETF<SPYD>……S&P500の高配当銘柄
SPDRポートフォリオS&P 500高配当株式ETFは、ステートストリートの低コストETFブランド商品の一つであり、2015年に設定された比較的新しいファンドである。
対象指数であるS&P500高配当指数は、S&P500構成銘柄のうち、配当利回り上位80銘柄のパフォーマンスを計測する株価指数である。
対象指数 | 経費率 | 分配利回り | 純資産総額 ※3 | 出来高 ※4 |
算出基準日 | 公表日 | 対象日 | ||
S&P 500 High Dividend TR USD |
0.07% | 3.63% | 63億1,016万米ドル (7,256億6,840万円) |
127万2,582口 |
2022/2/14 | 2022/1/31 | 2022/2/15 |
設定日 | 設定来 | 直近5年 | 直近3年 | 直近1年 |
---|---|---|---|---|
2015年10月22日 | 91.95% | 53.02% | 31.72% | 23.75% |
騰落率(値上がり率)もそれなりに高い銘柄ですが、分配利回りが3.63%(2022年2月14日現在)あるので、分配金を重視した長期投資に向いています。
第5位, バンガード 米国エネルギー セクターETF<VDE>……米国エネルギーセクター全体が投資対象
投資対象は米国のエネルギーセクターを構成するさまざまな企業であり、石油またはその他エネルギー等掘削装置製造・建設・サービス提供会社、もしくは石油・ガス製品の探査や開発、精製、販売などを手掛けている。
対象指数 | 経費率 | 分配利回り | 純資産総額 ※3 | 出来高 ※4 |
算出基準日 | 公表日 | 対象日 | ||
MSCI US Investable Market Energy 25/50 TR |
0.10% | 3.38% | 69億8,143万米ドル (8,028億6,445万円) |
136万5,240口 |
2022/2/14 | 2022/1/31 | 2022/2/15 |
設定日 | 設定来 | 直近5年 | 直近3年 | 直近1年 |
---|---|---|---|---|
2004年9月23日 | 182.45% | 13.08% | 19.54% | 53.87% |
VDEは3%超の好利回り、さらに経費率も0.1%なのでそれほど大きな負担にはなりません。今後、米国内のインフレが長期化するならば、VDEの分配金と値上がり益の両方を狙った投資が可能になります。
第6位,エネルギー セレクト セクター SPDR ファンド<XLE>……古参の米国エネルギー関連ETF
エネルギー関連ETFとしては古株のETFであり、出来高と純資産総額のどちらをとっても、上述のVDEの規模をはるかに上回る。
対象指数 | 経費率 | 分配利回り | 純資産総額 ※3 | 出来高 ※4 |
算出基準日 | 公表日 | 対象日 | ||
Energy Select Sector Index |
0.11% | 3.40% | 332億4,411万米ドル (3兆8,230億7,265万円) |
4,305万576口 |
2022/2/14 | 2022/1/31 | 2022/2/15 |
設定日 | 設定来 | 直近5年 | 直近3年 | 直近1年 |
---|---|---|---|---|
1998年12月16日 | 404.44% | 19.57% | 22.91% | 55.43% |
XLEの分配利回りは3.4%、経費率も0.11%なので、VDEの条件と大差ありません。両ETFとも株価は上昇基調にあるため、どちらを選ぶとよいか迷うかもしれません。S&P500構成銘柄の成長性と安全性、ファンドの規模に安心感を覚える人は、XLEを選んでおくとよいでしょう。
第7位,インベスコ QQQ トラスト シリーズ1 ETF<QQQ>……価格上昇率はトップクラス
ナスダック100指数の指数採用基準は、国籍は問わず、米国ナスダック市場に上場する銘柄のうち(金融業を除く)、資本金、時価総額、利益などの基準のうち一つでも満たすこと。ナスダック市場を代表する優良企業上位100社の時価総額加重平均で算出される株価指数がナスダック100指数である。
ナスダック100指数の構成銘柄100社にはIT企業が多く含まれており、100社の時価総額だけでナスダック市場の約7割を占めているのが特徴である。
対象指数 | 経費率 | 分配利回り | 純資産総額 ※3 | 出来高 ※4 |
算出基準日 | 公表日 | 対象日 | ||
NASDAQ 100 TR | 0.20% | 0.49% | 1,914億8,387万米ドル (22兆206億4,505万円) |
5,513万9,295口 |
2022/2/14 | 2022/1/31 | 2022/2/15 |
設定日 | 設定来 | 直近5年 | 直近3年 | 直近1年 |
---|---|---|---|---|
1999年3月10日 | 706.11% | 186.21% | 111.37% | 6.67% |
一方、分配金利回りはランキングTOP10銘柄の中でもっとも低い0.49%なので、分配金を狙った投資には向きません。
ただし、値上がり益を狙ってQQQに投資する場合でも、ETFの商品性を踏まえ、短期ではなく長期を前提とした運用を目指すべきでしょう。
第8位,グローバルX 米国優先証券 ETF<PFFD>……優先株を投資対象とする高分配利回りETF
優先株式は企業が発行できる株式の一種であり、普通株式のような株主権利が付与されていない反面、剰余金の配当や残余財産の分配を優先的に受ける権利が付与されている。
普通株式より多くの配当を多く受け取ることができる優先株式の特長を生かして、PFFDは高分配利回りを実現させている。
米国株式市場には優先株式だけでポートフォリオを組成した高分配利回りETFが10本以上あり、中でもブラックロックが2007年に設定した「iシェアーズ優先株式&インカム証券ETF
対象指数 | 経費率 | 分配利回り | 純資産総額 ※3 | 出来高 ※4 |
算出基準日 | 公表日 | 対象日 | ||
ICE BofA Merrill Lynch Diversified Core U.S. Preferred Securities Index |
0.23% | 5.66% | 24億6,749万米ドル (2,837億6,135万円) |
79万9,219口 |
2022/2/14 | 2022/1/31 | 2022/2/15 |
設定日 | 設定来 | 直近5年 | 直近3年 | 直近1年 |
---|---|---|---|---|
2017年9月13日 | 19.04% | ― | 14.91% | -2.94% |
上述されている有名な優先株ETF
※PFFの経費率:0.46%、分配利回り(2022/2/15基準):4.78%
第9位, JPモルガン米国株式 プレミアム インカムETF<JEPI>……分配金も値上がり益も狙えるお得なETF
本ETFは、低ボラティリティのS&P500指数構成銘柄に分散投資しており、仕組債も投資対象に組み入れている。
ボラティリティの低い銘柄を中心にポートフォリオを組成しているため、ETF自体のボラティリティも最小限に抑えられているのが大きな特徴である。
対象指数 | 経費率 | 分配利回り | 純資産総額 ※3 | 出来高 ※4 |
算出基準日 | 公表日 | 対象日 | ||
― | 0.35% | 7.18% | 64億7,449万米ドル (7,445億6,635万円) |
64万2,509口 |
2022/2/14 | 2022/1/31 | 2022/2/15 |
設定日 | 設定来 | 直近5年 | 直近3年 | 直近1年 |
---|---|---|---|---|
2020年5月20日 | 38.06% | ― | ― | 15.37% |
設立から日の浅いETFですが、注目度が高いため、楽天証券、マネックス証券、SBI証券の3社で購入できます。
第10位,ヴァンエック 新興国ハイ イールド債ETF<HYEM>…新興国に高利回りで投資する
対象指数 | 経費率 | 分配利回り | 純資産総額 ※3 | 出来高 ※4 |
算出基準日 | 公表日 | 対象日 | ||
ICE BofA Dvsfd HY US Em Mkts Corp Pl TR |
0.40% | 5.61% | 12億7,787万米ドル (1,469億5,505万円) |
63万7,640口 |
2022/2/14 | 2022/1/31 | 2022/2/15 |
設定日 | 設定来 | 直近5年 | 直近3年 | 直近1年 |
---|---|---|---|---|
2012年5月8日 | 54.21% | 15.98% | 9.61% | -5.42% |
新興国特有の投資リスクがあることも考慮すると、分配金目的のETF投資には、HYEM以外のローコスト高利回り銘柄を選んだほうが無難かもしれません。
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2,投資初心者に米国ETF(アメリカETF)をおすすめする理由
米国投資に興味のある初心者は、米国ETFから始めるのがおすすめだ。その理由は主に4つある。
- 銘柄を選ぶ必要がない
- リスクを分散しやすい
- リアルタイムで売買ができる
- 定期買付サービスを利用できる
初心者に米国ETFがおすすめな理由1,銘柄を選ぶ必要がない
米国ETFは複数の銘柄で構成された投資信託に投資するため、個別銘柄に投資するスタイルと違い、銘柄のスクリーニング・選定の必要がない。
株式投資の銘柄選びにはさまざまな手法や考え方があり、投資の初心者には理解するのが難しいものもあります。しかし、米国ETFなら、ナスダック100やS&P500など、対象指数を選ぶだけで、初心者でも手軽に投資ができます。
初心者に米国ETFがおすすめな理由2,個別銘柄に投資するよりもリスクを分散しやすい
初心者に米国ETFがおすすめな理由3,リアルタイムで売買ができる
ETFはリアルタイム変動する値動きを見ながら注文を出せるので、約定した価格がいくらなのかがすぐに分かる。
指値注文も出せるので、自分が希望する価格で取引ができる。
初心者に米国ETFがおすすめな理由4,定期買付サービスを利用できる
一部の証券会社には米国ETFの定期買付サービスもあり、好きな日に希望する銘柄を自動的に買付できる。
定期買付により、購入するタイミングを分散する効果も生まれるため、よりリスク分散につながる。
定期買付はすべての証券会社で利用できるサービスではないので、事前に確認は必要です。
3.米国ETF(アメリカETF)の種類
米国ETFには様々な種類があるが、その代表的な指数である「S&P500連動」と「NASDAQ(ナスダック)100連動」について見ていこう。
S&P500連動
S&P500を構成する銘柄は、米国を代表するGAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)もS&P500に含まれます。
SPDR S&P500 ETF<SPY>
iシェアーズコアS&P500 ETF<IVV>
NASDAQ(ナスダック)100連動
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4, 米国ETF(アメリカETF)を選ぶ3つのポイント――経費率、流通量、投資スタイル
多くの米国ETFの中から特定の銘柄を選ぶ際は、以下の3点を確認してから判断するといいだろう。
- 経費率は安いか
- 流通量は多いか
- ポートフォリオは自分の投資スタイルに近いか
選ぶポイント1,経費率は安いか
投資初心者や米国株初心者は、米国ETFの主なコストである経費率が安い銘柄を選ぶことが大原則である。
米国ETFで資産形成をするにあたっては、為替手数料など国内株式にはないコストも発生するので、常に低コストを心掛けて運用したい。
選ぶポイント2,流通量は多いか
ETFのメリットの1つは、価格変動を見ながらリアルタイムで取引できることだ。このメリットを最大限に活かすためにも、日々の出来高が多い銘柄を選びたい。出来高が少ないと、思い通りのタイミングで取引できないことがあるからだ。
証券会社のホームページから、人気銘柄や話題を集めている銘柄の出来高をチェックしてみるといいだろう。
ポイント3,ポートフォリオは自分の投資スタイルに近いか
米国ETFのポートフォリオは、それぞれに特徴がある。主な例は以下のとおりだ。
• S&P500構成銘柄でポートフォリオを組んだETF
• S&P500構成銘柄のうち高配当利回り銘柄または成長株を集めて構成されたETF
• ナスダック上場銘柄のうち時価総額上位100銘柄を集めたETF
最初に自分の投資スタイルを決めて、その投資スタイルに近い特徴を持つ米国ETFを選ぶと手間がかかりません。
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5.米国ETFを取引可能なネット証券会社は?
米国ETFを取引できるネット証券会社を5社を見てみよう。
取り扱っているETF銘柄数や手数料の有無などを考慮し、初心者にも利用しやすい証券会社を紹介する。
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スマホアプリ「米国株アプリ」による取引可能 | 米国ETFの取扱銘柄数はネット証券No.1 | 取扱銘柄は2,000銘柄まで順次拡大予定 |
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IG証券では、米国株のCFD取引が可能だ。CFD取引とは現物をやり取りせず、売買の差額のみをやり取りする「差金決済取引」を指す。価格が下落すると予想した商品について売りからポジションを立てることができるほか、レバレッジ取引が可能という利点もある。
DMM証券……手数料は業界最安値水準、初心者にもおすすめ
手数料 | ETF銘柄数 | 最低手数料 | 上限手数料 | おすすめキャンペーン | |
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DMM証券 | 無料 | 185銘柄 | 無料 | 無料 | 新規口座開設者へ抽選で 2,000円プレゼント |
DMMグループのDMM証券は、取引手数料が業界最安値水準なのが大きなメリットだ。
他社と比較すると米国ETF取扱銘柄数は少なくなるが、取引コストをカットできるのは大きな魅力だろう。
また、米国株初心者にも使いやすいよう、人気が高まっているジャンルごとにおすすめの銘柄が紹介されるので、話題の銘柄にも簡単に投資できる。
アプリはユーザーのレベルに合わせて、「かんたんモード」と「ノーマルモード」の2種類から選択できる。
(出典=DMM株)
楽天証券......楽天カードや楽天銀行との組み合わせがお得
手数料 | ETF銘柄数 | 最低手数料 | 上限手数料 | おすすめキャンペーン | |
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楽天証券 | 約定金額の 0.495% |
363銘柄 | 0米ドル | 22米ドル | 「米ドル買付手数料全額 キャッシュバックキャンペーン」 (2022/3/31まで、 要エントリー) 「米株積立orポイント投資で 200万ポイント山分けキャンペーン」 (2022/3/31まで、要エントリー) |
楽天証券は、楽天経済圏で生活する人に大きなメリットがある。たとえば、楽天銀行と連携するマネーブリッジの設定で、振込手数料無料や入出金の手間が省けたり、投資信託の保有残高が10万円以上あるだけで、毎月楽天ポイントが4ポイント付与されたりする。また、貯まった楽天ポイントで投資信託や国内株式への投資も可能だ。
楽天のサービスを多く利用している人にとって、楽天証券はこれから株取引を始める際にもハードルが低く、気軽に投資ができるでしょう。
(出典=楽天証券より引用)
マネックス証券......あらゆる銘柄が豊富な大手証券会社
手数料 | ETF銘柄数 | 最低手数料 | 上限手数料 | おすすめキャンペーン | |
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マネックス証券 | 約定金額の 0.495% |
351銘柄 | 0米ドル | 22米ドル | 「USAプログラム」 指定の米国ETFの買付手数料を 全額キャッシュバック 「米国株デビュー応援プログラム」 条件を満たすと、20日間は 米国株買付手数料を最大3万円 キャッシュバック |
マネックス証券でも、人気の米国ETF9銘柄について、買付手数料を全額キャッシュバックしている。円/米ドルの買付時為替手数料無料(定期的に見直しあり)や、NISAでの米国株買付手数料無料サービスも展開しており、ローコストで米国株投資ができる。
(出典=マネックス証券公式ホームページ)
SBI証券……大手で安心、SBIグループを代表する証券会社
手数料 | ETF銘柄数 | 最低手数料 | 上限手数料 | おすすめキャンペーン | |
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SBI証券 | 約定金額の 0.495% |
342銘柄 | 0米ドル | 22米ドル | 「Wow!株主デビュー!~ 米国株式手数料Freeプログラム~」 「米国株式移管入庫手数料 まるっとおまかせプログラム!」 |
米国ETFや米国株式は、毎月好きな日に好きな銘柄を自動買付する定期買付サービスや、さまざまな視点でのランキングを掲載しており、これから米国ETFデビューする人にもおすすめだ。
(出典=SBI証券公式ホームページ)
auカブコム証券……2022年1月から米国株式取引がスタート!国内株式同様に自動売買も可能
手数料 | ETF銘柄数 | 最低手数料 | 上限手数料 | おすすめキャンペーン | |
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auカブコム証券 | 約定金額の 0.495% |
162銘柄 | 0米ドル | 22米ドル | 「米国株レッツスタート! 外国証券口座開設& 入金振替キャンペーン」 (2022/3/31まで) |
取扱銘柄数では米国株取引で先行する証券会社には及ばないものの、auカブコム証券の強みである自動売買を米国株取引でも活用できるのは大きな魅力となっている。
(出典=auカブコム証券公式ホームページ)
6,そもそもETFとは?個別株、投資信託との違い
ETFと投資信託の違い
投資信託は銀行や郵便局でも販売しているが、ETFは株式の一種なので、証券会社だけで購入できる。
出典:日本証券業協会『投資の時間』
ETFと個別株の違い
ETFは証券取引所に上場しており、株と同じように銘柄コードがある。株と同じように売買ができるのが特徴だ。
ETFは個別の銘柄に投資する株式投資とは違い、指数に連動するように運用されています。基本的には連動する指数の上昇による利益を狙う。
ETFは信用取引もできるので、下落相場では売りから入って利益を狙うことも可能だ。
ETFの買付や売却は証券会社を通じて、証券取引所に注文を出します。株式と同様に、指値注文や成行注文を出すことが可能です。
ETF市場が成長している背景は?
国内外のETF市場は年々成長を続けている。
米国株のメリットは?
米国ETFを含む米国株投資には多くのメリットがあり、投資初心者でも挑戦しやすい。
ここからは、米国株投資における4つのメリットを紹介する。
・米国株のメリット1……1株から購入できる
まとまった資金を用意しなくても、1株ずつ目当ての銘柄に投資できるのが大きなメリットと言えるだろう。
米国株には1万円前後で購入できるものが多く、種類も豊富だ。
米国株は、気軽に投資を始めてみたい投資初心者の強い味方と言えます。
・米国株のメリット2……長期的な値上がり傾向が続いている
短期的な浮き沈みはあるが、長期的な目線では年々値上がりしているため、パフォーマンスに優れた投資商品と言えるだろう。
今後も一時的な調整に警戒しつつ、長期的な目線では投資を継続すべきだという声も多いです。
・米国株のメリット3……年4回の配当がある
米国株は日本企業と違い、株主優待での還元ではなく配当の回数を増やして還元していることがほとんどです。
・米国株のメリット4……有名企業に投資できる
たとえば、アップルやフェイスブックなどのいわゆる「GAFAM」にも個人で投資できる。
以下、GAFAM5社のチャートを見てみよう。
グーグル(GOOGL)
アップル(AAPL)
フェイスブック(FB)
アマゾン(AMZN)
マイクロソフト(MSFT)
7, 米国ETF(アメリカETF)の3つの特徴――リアルタイム、リスク分散、低コスト
米国ETFは米国個別銘柄に比べて扱いやすいので、米国株初心者にとって最適な商品と言える。米国ETFには、以下のような特徴がある。
- リアルタイムで取引できる
- リスクを分散できる
- 低コストで運用できる
特徴1,リアルタイムで取引できる
投資信託の取引価格は、1日1回夜に確定する基準価額が適用されるので、注文を出した時点では約定代金がいくらになるかわからない。一方ETFは株式同様にリアルタイムで売買ができる。よって、その場で約定価格を知りたい人にはETFがおすすめだ。
特徴2,リスクを分散できる
ETFは投資信託の一種である。投資信託は多くの銘柄でポートフォリオが組まれているため、1つの銘柄に投資する場合よりもリスクを分散できる。米国ETFの構成銘柄はさまざまなので、米国ETFを1本購入するだけで自動的に分散投資ができる。
投資の基本は分散投資。米国ETFは、専門的な知識がなくてもリスク分散投資ができる便利な商品です。
特徴3,低コストで運用できる
米国ETFの実質的な投資対象は、参照指数の構成銘柄と同じであるため、経費率(信託報酬とほぼ同義)が安く設定されている。一般的な投資信託の信託報酬に比べると、米国ETFの経費率はかなり低く抑えられている。
米国ETFの主なコストである経費率は、保有する期間中継続的に発生します。長期保有することを前提に米国ETFに投資するなら、経費率の低さは大きなメリットになります。
米国ETFは、国内ETFより経費率が低い傾向にあるため、投資コストを抑えたい初心者にもおすすめだ。
米国ETFは円とドルのどちらで購入すべきか?
分散投資の観点から、円だけでなくドルで購入した資産を持っておきましょう。
8, 米国ETFを購入する際の注意点 配当利回り以外の基準もしっかり確認しよう
米国ETFは1回の投資でリスクを分散しながら、米国株の特色であるインカムゲインのメリットも得られる。米国ETFのメリットを生かした投資を実現するには、銘柄の選び方にいくつかの注意点があるので、忘れずに確認しておきたい。
- 高い利回りの銘柄が良い銘柄とは限らない
- 為替リスクや価格変動リスクを忘れない
- 購入時に買付手数料がかかる
注意点1,高い利回りの銘柄が良い銘柄とは限らない
米国ETFには利回り(30日)が8%、9%にもなる高利回り銘柄が存在するが、利回りの高さだけに着目して銘柄を選ぶのは危険だ。
高利回りの株式や社債が組み入れられたETFには、株式であれば赤字業績が続いている、社債であれば信用格付け「B」銘柄の投資比率が高いなどの潜在的リスクがある。このような場合は倒産や減配の可能性があるため、状況が悪化すると基準価額が暴落するだけでなく、希望通り売却できないことも考えられる。
高利回りを銘柄選びの基準にする際には利回りが高すぎない、せいぜい5%程度までの銘柄を選んでおくのが無難だ。5%以上の場合でも、少なくとも、一時的な株価下落による高利回りでないことを確認しておくと安心だ。
分配金を得られるETFでも経費率(年率)が0.6%や0.7%という銘柄もあります。米国ETFを保有する期間中かかる経費は、受け取る分配金の手取り額を減らしてしまいます。経費率が高くはないか十分チェックしてましょう。
注意点2,為替リスクや価格変動リスクを忘れない
米国ETFは個別銘柄に比べて価格変動リスクが低いものの、米ドル建ての商品であることから為替リスクがある。為替相場の悪化によって、売却時に投資元本を割り込む可能性があることを忘れないでほしい。
ETFは多くの銘柄に分散投資をするためリスク分散になるとはいえ、価格変動リスクがなくなるわけでありません。米国株式相場が下落すれば、米国株式を組み入れているETFの基準価額も下落します。米国ETFといえども、万能ではないことを覚えておきましょう。
注意点3,購入時に買付手数料がかかる
米国ETFは米国株の一種なので、購入時には株式同様に買付手数料がかかる。ネット証券では投資信託の買付手数料は原則無料になっているが、これと混同しないようにしたい。
しかしネット証券各社では、米国ETFのうち特定銘柄に対して買付手数料を恒久的に無料にしている。NISA口座を使えば実質的に買付手数料が無料で、かつ非課税になる。これを利用すれば、コストをギリギリまで抑えて米国ETF投資ができるようになる。
この機会に、各社の買付手数料無料の米国ETFをチェックしてみるといいだろう。
9.米国ETFはコストとリスクが低く投資初心者におすすめ
投資初心者のうちは、取引コストとリスクはできるだけ低いほうがいい。この条件を満たす商品の1つが米国ETFだ。
米国ETFなら、大きな利益を得ることは期待できないが、堅実に投資したい人の強い味方になるはずだ。
10.米国ETF(アメリカETF)でよくある6つのQ&A
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2013年より、総合証券とネット証券を使い分けながら、資産運用を開始。2017年から各種WEBサイトのフリーライターとして活動、現在は経済金融系記事を中心に執筆している。
■保有資格
証券外務員一種、二種
投資診断士
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
AFP認定者
2013年より、総合証券とネット証券を使い分けながら、資産運用を開始。2017年から各種WEBサイトのフリーライターとして活動、現在は経済金融系記事を中心に執筆している。
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