日本最大級の顧客満足度調査の飲食部門で、「餃子の王将」と「サイゼリヤ」が同率で1位となった。日本全国で12万人以上の回答をもとにランキングを作成しているため、信頼性は非常に高そうだ。この記事では、飲食部門のTOP10ランキングを紹介しよう。

JCSI(日本版顧客満足度指数)とは?

冒頭で紹介した顧客満足度調査は、JCSI(日本版顧客満足度指数)の2021年度第1回調査だ。調査結果をまとめたのは、サービス産業生産性協議会(SPRING)という組織である。

第1回調査では「飲食」のほか、「カフェ」「携帯電話」「銀行」「証券」「電力小売」「MVNO(仮想移動体通信事業者)」を含む7部門のランキングを作成している。飲食部門では、21の企業・ブランドを対象に調査が行われた。

では、早速ランキングを紹介しよう。

<飲食部門ランキングTOP10>

順位 企業・ブランド スコア
1位 餃子の王将 77.6
1位 サイゼリヤ 77.6
3位 モスバーガー 77.0
4位 びっくりドンキー 76.8
5位 ケンタッキーフライドキチン 76.5
5位 丸亀製麺 76.5
7位 スシロー 76.4
8位 リンガーハット 75.6
9位 はま寿司 75.5
10位 木曽路 75.0
出典:2021年度JCSI第1回調査

1位は同スコアで餃子の王将とサイゼリヤ

1位は、同スコアで「餃子の王将」と「サイゼリヤ」だった。ちなみに前回調査では、サイゼリヤが2位、餃子の王将は8位で、餃子の王将は大きく順位を上げて1位となった。

飲食部門ランキングでは、サブランキングとして「レストランチェーン」と「ファーストフード店」のランキングも作成しており、サイゼリヤはレストランチェーンランキングで1位、餃子の王将はファーストフード店ランキングで1位となっている。

3位はモスバーガー

3位は「モスバーガー」。前回調査では4位で、順位を1つ上げた。

ファーストフード店ランキングでは2位だった。ちなみにこの調査では、モスバーガーの競合の一つである「マクドナルド」も調査対象であったが、マクドナルドはトップ10に入らなかった。

上位3社の売上・強み・戦略は!?

ここからは、この調査で上位にランクインした企業・ブランドの売上や戦略などについて見ていこう。

餃子の王将:伸びしろが大きいアジア市場での事業を強化

餃子の王将は、王将フードサービスが展開している餃子チェーンだ。店舗数は2021年3月末時点で直営店が528店舗、フランチャイズ店が206店舗。台湾やタイ、シンガポール、フィリピン、インドネシアにも出店しており、伸びしろが大きいアジア市場に打って出ている。

売上高は、2021年3月期は新型コロナウイルスの影響で落ち込んだが、2017年3月期は750億円、2018年3月期は781億円、2019年3月期は816億円、2020年3月期は855億円と、順調に伸びている。売上増に伴って、純利益も増え続けている。

サイゼリヤ:コスパが強み、テイクアウトやデリバリーの取り組みも

餃子の王将と同スコアで1位のサイゼリヤは、2020年8月末時点で国内1,089店舗、海外428店舗を展開しており、総店舗数は1,517店舗に上る。サイゼリヤも現在はコロナ禍で売上が落ちているが、2019年8月期には1,565億円の売上高を計上した。

サイゼリヤの強みは何といってもコストパフォーマンスで、消費税増税に合わせた価格改定でも、看板メニューの「ミラノ風ドリア」は1円の値上げにとどめた。

サイゼリヤは現在、テイクアウトやデリバリーなどに取り組んでおり、コロナ禍においても着実に売上が伸びていくよう工夫している。また、従業員の正規雇用化に積極的であることでも知られる。

モスバーガー:近年の売上高は横ばい

モスバーガーの国内店舗数は、2021年7月末現在で1,252店。店舗数が3,000店舗弱のマクドナルドと比べると半分以下だ。しかし、高品質・高価格路線によって多くの根強いファンを獲得しており、前述のとおり今回の顧客満足度調査ではマクドナルドを大きく引き離している。ちなみに、海外でも431店舗を展開している。

そんなモスバーガーだが、近年は売上高がほぼ横ばいであり、営業利益もここ3年ほどは低迷している。そのような状況の中、2021年3月期の売上高は719億円、当期純利益は14億円を計上し、コロナ禍でも増収増益を果たしたことが注目を浴びた。

次回調査でランキングはどう変わる?

この調査は毎年行われており、大きく順位が変動する企業・ブランドもあるだろう。各社がライバルに負けじと新メニューの開発やPR戦略に力を入れる中、次回調査で餃子の王将とサイゼリヤが1位を死守できるかどうかに注目したい。

執筆・
国内・海外の有名メディアでのジャーナリスト経験を経て、現在は国内外の政治・経済・社会などさまざまなジャンルで多数の解説記事やコラムを執筆。金融専門メディアへの寄稿やニュースメディアのコンサルティングも手掛ける。

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