ESG債の中で特に注目度を高めているのが「ソーシャルボンド」

ESG債は主に3つに分類されます。環境関連の事業に資金使途をしぼる「グリーンボンド(環境債)」、社会貢献事業に資金を充てる「ソーシャルボンド(社会貢献債)」、環境・社会貢献の両方を目的とする「サステナビリティボンド」です。

この中で、急速に存在感を高めているのが、社会分野のソーシャルボンドです。新型コロナウイルスにより、感染症対策の資金調達で発行される債券「コロナ債」の発行が相次いでいるのです。医療体制の整備や企業の資金繰り支援を目的に、発行主体は国際機関から国家へと広がり、発行額は13兆円を超えています。

社会貢献につながる理由

ANAや三菱UFJ銀行、ソニー生命など、すでにさまざまな民間企業も、ソーシャルボンドを発行し始めています。たとえば、ANAホールディングスソーシャルボンドは、車いすでも空港の設備などを使いやすくするためのユニバーサルデザイン化に用いられます。

三菱UFJフィナンシャル・グループは社会貢献債を発行し、台風被害からの復興や学校整備などに充てるとしています。さらに、新型コロナウイルス感染症対応を目的とする、600億円規模の社債の発行を計画しているとも報じられました。資金繰りに窮する、中小企業の支援やワクチン開発支援などを想定しています。このように、ESG債が着実に社会貢献につながることがわかります。

ESG債にはどんなリスクがあるのか

実際にESG投資をしたいと考えた時に、どんなリスクがあるのか気になるところでしょう。全体としては、株式投資が先行したものの、債券へのESG投資が急速に追いつきつつある状況です。

しかし、まだ多くの投資家にとって、特に債券でのESG投資は多くの課題を抱えている分野です。ESGの定義が依然としてあいまいであり、特に社会(Social)の分野では見解が割れています。発行主体が各国の政府となる債券では、発行主体との対話が難しいことも課題です。株式と比べると、債券では具体的な商品が少ないといった問題もあります。

いまだからこそ考えたい「ESG」というキーワード

一方で、日本を含めて世界の主要企業がESG債を発行するなど、環境が整ってきているのも事実です。これまでESG債を発行すること自体に注目が集まっていましたが、投資商品の整備とともに、今後はリターンという結果を重視する流れになっていきそうです。

日本取引所グループでは、ESG関連商品を、「指数」「ETF」「インフラファンド」「グリーンボンド・ソーシャルボンド」の4つの観点から紹介しています。たとえば、グリーンボンド・ソーシャルボンドでは、独立行政法人国際協力機構が商品を発行していることがわかります。

社会貢献というキーワードが、新型コロナウイルス感染症によるパンデミックによってさらに強くなっている現在、投資を通じた社会貢献とその先の資産運用を考えてもいい時期といえるでしょう。

文・JPRIME編集部/提供元・JPRIME

【関連記事】
ロレックスはもう時代遅れ?富裕層が熱狂する2つの時計ブランド
初心者が摂りたい筋トレの効果を高めるサプリ4選
筋トレと有酸素運動、順番はどちらが先か?理由と効果を解説
筋トレBIG3とは?忙しい人こそ実践したいトレーニングを紹介
初心者向け!ネット証券ランキング