歯周病菌は筋肉を脂肪化させることが判明
筋肉の脂肪化と歯周病の関係を調べるにあたり、研究者たちは骨格筋が脂肪化したときに放出される物質(脂肪化マーカー)と歯周病菌の一種であるPorphyromonas gingivalis(Pg)の数を測定しました。
結果、上のグラフが示す通り、歯周病菌(Pg)の数が多い人ほど、骨格筋の脂肪化が進んでいることが明らかになります。
この事実は、歯周病菌(Pg)が人間の体から筋肉を奪って脂肪化させていることを示唆しており、最も恐れていた事態が証明されたことになります。
もしもボディービルダーを目指している人がいるならば、歯磨きは必須と言えるでしょう。
またマウスを用いた実験では、歯周病菌(Pg)を投与されたマウスで炎症関連の遺伝子が上昇していることも明らかになりました。
炎症は高温や低温、物理的外傷や微生物感染などによって臓器が傷つけられた時に起こる体の防御機構ですが、慢性的な炎症は臓器の機能低下やがんを引き起こします。
例えば肝臓の炎症は肝硬変を経て肝がんになることが知られている他、脳における慢性的な炎症は認知症の原因にもなります。
どうやら歯周病菌(Pg)は筋肉を奪うだけでなく、体に感染による傷もつけているようです。
ただこれらの結果(筋肉の脂肪化と体の炎症)は歯周病菌(Pg)の恐ろしさの一端を示していますが、糖尿病との直接的な関係を示すものではありません。
歯周病菌(Pg)と糖尿病、そして筋肉の関連を示すには、より明白な証拠が必要なのです。
しかし、問題はそれをどうやって示すかでした。