トヨタ系のクレジットカードはクルマ周りのサービスが充実しており、特にトヨタ車に乗っているなら優先的に検討すべき1枚といえる。また、あまり注目されていないが、実はポイント還元率が高く、何かとお得なカードとなっている。ここではメリットの他、デメリットまで含めて紹介しよう。

目次
1,カードの基本スペックと審査基準
2,TS CUBICカード レギュラーの3つのメリット
3,ポイントサービス、還元率
4,「セレクト」「ゴールド」との違い
5,TS CUBICカード レギュラーの2つのデメリット
6,TS CUBICカード レギュラーがおすすめなのはどんな人?

1,カードの基本スペックと審査基準――トヨタ系のクレジットカード

トヨタグループのトヨタファイナンスが発行する「TS CUBICカード レギュラー(TOYOTA TS CUBIC CARD レギュラー)」は、クルマ周りのサービス・優待が充実している他、1%~最大1.5%というポイント高還元を実現したお得な1枚となっている。

まずは、このカードの基本スペックから見ていこう。

TS CUBICカード レギュラーの基本スペック……年会費、ポイント、電子マネーなど

国際ブランド VISA
MasterCard
JCB
年会費 1,375円(税込) ※年会費無料
家族会員 1名につき440円(税込)
※本会員初年度無料期間中は無料
ポイントサービス ポイントプラス
通常ポイント還元率 1%~1.5%
ポイント交換対象 新車購入・車検
Pontaポイント
JAL/ANAマイルなど
空港ラウンジサービス
付帯保険 ショッピング補償保険(海外)
追加カード 家族カード
ETCカード
PiTaPaカード
プラスEXカード
電子マネー 【別途カード発行】
QUICPay
【Apple Pay経由】
QUICPay
【QUICPayモバイル(Android・その他携帯など)】
QUICPay
(※TS CUBICカードのホームページを元に筆者作成)

審査基準・審査難易度……年収150万円以上が目安

申し込み資格は「18歳以上、ご本人に安定継続収入のある方」となっており、安定した収入さえあれば審査通過のハードルは高くないことがうかがえる。

口コミ情報が少ないので判断は難しいが、カードのスペックから判断して勤続1年以上、年収150万円以上であれば審査通過の可能性があるだろう。

2,TS CUBICカード レギュラーの3つのメリット――ドライバーズサポート、クルマ周りの優待、その他トラベル優待など

このカードのメリットを次の3つにまとめて紹介しよう。なお、3つのメリットには含めなかったが、このカードには海外利用分について年間100万円限度のショッピング補償保険(免責金額:1事故3,000円)が付帯しており、これもメリットになっている。

メリット1,24時間・年中無休対応の電話サービスでクルマのトラブルに対応 自力走行不能時の各種補償も

クルマ周りのサービスとしてまず触れておきたいのが「ドライバーズサポート24」だ。これは24時間・年中無休の電話サービスにより、クルマの事故・故障時の初期アドバイスを受けられるというもの。必要に応じてJAFロードサービスへの取り次ぎもしてくれる(JAF会員以外は修理費などの実費負担が必要)。

また、自宅より50キロ以上(直線距離)遠方で事故や故障が発生し、「ドライバーズサポート24」経由でJAFロードサービスを受けても自力走行不能な場合は、自宅までの交通費や宿泊費、修理後の車両引き取りにかかる費用などが補償される。補償額は次の通りだ。

本会員 家族会員
帰宅費用サポート 上限2万5,000円/人
※最大4名まで
総額10万円
上限2万5,000円
※本人のみ
宿泊費用サポート 上限2万円/人
※最大4名まで
総額8万円
上限2万円
※本人のみ
修理後車両・引取交通費 上限5万円/人(片道分)
修理後車両・自宅搬送費 上限5万円/回
(※TS CUBICカードのホームページを元に筆者作成)

ロードサービス自体に対する補償はないが、修理にかかわらずクルマが動かない場合には補償が受けられるので、年会費を考えれば万が一の備えとしては十分な内容といっていいだろう。

メリット2, クルマ周りの優待が充実 カスタマイズもお得に

「TS CUBICカード レギュラー」では、カーライフをサポートするクルマ周りの優待なども次のように充実している。なお、ETCカードは年会費無料。その利用分にも通常通りのポイントが付与される。

優待・サービス名 優待・サービス内容
モデリスタ
自動車カスタマイズ優待
モデリスタ店舗での個別オーダー、
カスタマイズ架装、
カスタマイズパーツ、
TRDウェアグッズが5%オフ
ジェームス
ピットメニュー優待
ワイパーゴム交換、
エンジンオイル交換などの
各種ピットメニューが5%オフ
海外レンタカー優待 海外のハーツレンタカーが
お得な料金からさらに10%オフ
国内レンタカー優待 全国のトヨタレンタリース店で
レンタカー料金が10%オフ
トヨタ交通安全
センター モビリタ優待
富士スピードウェイ内
「トヨタ交通安全センター モビリタ」の
受講料金が10%オフ
GAZOO
ショッピング優待
トヨタ運営の「GAZOOショッピング」での
購入時、商品送料が無料に
時間貸し
駐車場優待
時間貸し駐車場検索サイト
「NPDポータル」で検索した駐車場の
一部で20%オフが適用
運転免許教習所
.com優待
全国の合宿制自動車教習所の紹介・
予約サービス「運転免許教習所.com」で
普通自動車の申し込みをすると、
教習料金から税込1万円割引となる。
割引はカード会員の家族にも適用される
(※TS CUBICカードのホームページを元に筆者作成)

レンタカー優待は他社のカードでもよく提供されているが、その他の優待はあまり見られず、トヨタ系のカードならではのサービスといえるだろう。

メリット3,その他の優待・サービスも充実 パッケージツアー優待やゴルフ場の優待など

このカードではクルマ周り以外にも旅行やレジャー、ゴルフ、暮らしに関する優待やサービスが提供される。次にそれを紹介する。

優待・サービス名 優待・サービス内容
トラベルセンター 主要旅行代理店の国内・
海外パッケージツアーが
最大5%オフ
海外アシスタンスデスク 海外旅行時に自宅・
職場から空港への手荷物配送料が
通常料金より200円割引。
対象空港は成田国際空港、
羽田空港、
中部国際空港、
関西国際空港
空港宅配サービス優待
(手荷物宅配)
海外旅行時に自宅・
職場から空港への手荷物配送料が
通常料金より200円割引。
対象空港は成田国際空港、
羽田空港、中部国際空港、関西国際空港
トヨタ関連施設優待 トヨタ博物館で入館料200円
(小学生は100円)割引
トヨタ産業技術記念館で
入館料20%オフ
さなげアドベンチャーフィールドで
コース使用料20%オフ
チケットぴあデスク カード会員向けに先行発売や
優待価格チケットを提供
引っ越し優待 主要引っ越し会社で
基本料金から5%~20%オフ
ホームセキュリティ優待 綜合警備保障(ALSOK)の契約で
税込5,000円、あるいは税込1万円を
キャッシュバック(契約したコースによる)
セコムの契約で住宅用消火器か
避難袋セットを進呈
ゴルファーズ倶楽部 ゴルフ情報サイトでカード会員が
優待を受けられるゴルフ場を紹介
(※TS CUBICカードのホームページを元に筆者作成)

いずれも上手に利用できた場合、メリットは大きい。年会費1,000円台の一般カードでゴルフ場優待が提供されることは少ないので、その点も特徴的なメリットといっていいだろう。

3,ポイントサービス、還元率――クルマ周りでのポイント利用がお得

このカードのメリットである高還元率のポイントサービスも見てみよう。ポイントサービスの概要は以下の通りだ。

たまるポイントと還元率……通常1%~1.5%還元

たまるポイントは「ポイントプラス」で、クレジット支払い1,000円ごとに10ポイント(約10円~最大15円相当)がたまる。ポイント還元率は1%~1.5%と考えていいだろう。ポイントの有効期限は5年間だ。

たまるポイント ポイントプラス
ポイントのたまり方 1,000円ごとに10ポイント
通常還元率 約1%~1.5%
有効期限 5年間
(※TS CUBICカードのホームページを元に筆者作成)

ポイントの交換対象……キャッシュバック・賞品交換・他ポイント移行

ポイントの主な使い方は、トヨタなどの自動車販売店の支払いに充当するか、賞品への交換、他ポイントへの移行となる。まず支払いへの充当(キャッシュバック)から説明しよう。

・キャッシュバック

ポイントは、トヨタ・レクサス・ダイハツ・日野・ジェームス・モデリスタの販売店でのサービス利用や商品購入時にキャッシュバック(充当)できる。

利用・購入内容 キャッシュバックのレート
新車購入 1ポイント→1.5円
住宅購入(トヨタホーム)
車検・点検・カー用品・中古車の購入 1ポイント→1円
(※TS CUBICカードのホームページを元に筆者作成)

また、トヨタ・ダイハツの販売店で新車・中古車をショッピングクレジットで購入した場合に、毎月の支払いに1ポイント→1.5円としてポイントをキャッシュバック(充当)することも可能だ。

さらに、クルマ周りのWeb決済(T-Connect・JAF・トヨタレンタカー・TOYOTA SHARE・KINTO・my routeが対象)とカード年会費も、1ポイント→1円のレートでキャッシュバック(充当)できる。

・賞品交換・ポイント移行

5,000ポイント以上で400点以上の賞品から選んで交換できるなど、他のポイント・マイルにも交換可能。ポイント・マイルの交換対象は次の通りだ。

交換対象 必要ポイント数 交換対象単位
TOYOTA Wallet
残高ポイントチャージ
1,000ポイント 500円分
Pontaポイント ※ 5,000ポイント 2,500ポイントP
GAZOO.com
「がずポイント」
JALマイル 1,250マイル
ANAマイル
※auユーザー限定
(※TS CUBICカードのホームページを元に筆者作成)

なお、JALマイルはさらに高いレートも狙える。トヨタ・レクサス・ダイハツ・日野・ジェームス・モデリスタの販売店での購入時、キャッシュバックの代わりにJALマイルへの交換を希望すると、新車購入などでは4ポイント→3マイルのレート、中古車購入や車検などでは2ポイント→1マイルのレートで移行できるのだ。これは通常のレートよりもかなり高い。

以上のことから、利用時のレートはクルマ周りの支払いに利用するか、その支払時のJALマイルへの移行がお得ということになる。特に対象販売店での新車購入やショッピングクレジットの支払いへのキャッシュバック(充当)に使うと、1.5%の超高還元率となるのでこの使い方が一番おすすめだ。

ポイントアップの方法……ENEOSで常時ポイント1.5倍

通常のクレジット利用以外にもポイント獲得・ポイントアップする方法があり、うまく活用するとさらにお得になる。

・方法1,入会キャンペーンで最大2,000ポイント進呈

入会から6ヵ月以内に対象サービスを利用すると最大2,000ポイントが進呈。また、同期間に給油割引の特典も受けられる。ポイント進呈対象となるサービスは次の通りだ。

・ETCカードの利用で250ポイント進呈
・QUICPay・Apple Payの利用で250ポイント進呈
・携帯電話料金の支払いで750ポイント進呈
・電気料金の支払いで750ポイント進呈

これに加えてENEOSサービスステーションでの給油では、1リットルにつき2円が割引される。

・方法2,ポイントプラス特約店の利用

ポイントプラス特約店では通常の1.5倍のポイントが付与(1,000円につき15ポイント)される。特約店は次の通りだ。

ENEOS ENEOSでんき ENEOS都市ガス
松坂屋 大丸 三越
KDDI・au JAL 近畿日本ツーリスト
(Web)
洋服の青山 好日山荘
(※TS CUBICカードのホームページを元に筆者作成)

・方法3,「ポイントアップマーケットWEB」経由のネットショッピング

ポイントサイト「ポイントアップマーケットWEB」を経由してネットショッピングすると、通常の2倍~10倍のポイントがたまり、各登録ショップの独自ポイント(楽天市場における楽天ポイントなど)がある場合はそれも同時にたまる。

登録ショップは楽天市場、Yahoo!ショッピング、au PAYマーケット、じゃらん、イトーヨーカドーネット通販など400以上。

・方法4,証券取引・銀行取引でポイント付与

以下の証券取引・銀行取引でポイントが付与される。

証券会社・銀行名 ポイント付与の概要
東海東京証券 オンライントレード、コールセンターでの取引、
サービス利用の申し込みなどで
「東海東京ポイント」が付与。
1,000ポイント以上たまると、
東海東京ポイント1ポイント→
ポイントプラス1ポイントのレートで自動移行される
大垣共立銀行 総合口座開設、公共料金引落し、
給与受取などの取引、預金残高に応じて
「サンクスポイント」が付与。
5サンクスポイント→
ポイントプラス0.8ポイントのレートで移行できる
三井住友信託銀行 定期預金、外貨定期預金の預入金額、
投資信託の購入金額に応じて
直接ポイントプラスが付与される
(※TS CUBICカードのホームページを元に筆者作成)

通常のポイント還元率がすでに高いので、これらのポイントアップ方法を上手に活用できたなら、超・高還元率カードといっていい水準に達することになりそうだ。

4,「セレクト」「ゴールド」との違い――付帯保険などに大きな差

「TS CUBICカード(TOYOTA TS CUBIC CARD)」には、ここで紹介したレギュラーの他、セレクト、ゴールドの2種がある。ここでそれら3種のスペックを比較しておこう。

レギュラー セレクト ゴールド
年会費(税込) 1,375円
※初年度無料
2,750円 1万1,000円
家族会員年会費
(税込)
1名につき440円
※本会員初年度
無料期間中無料
1名につき 1,100円 1名無料
2人目から1,100円
申し込み 18歳以上、
ご本人に安定継続
収入のある方
20歳以上、
ご本人に安定継続
収入のある方
30歳以上、
ご本人に安定継続
収入のある方
ガソリン割引 ENEOSで2円/
リットル引き
国内レンタカー 10%オフ 20%オフ
JAF
ロードサービス
24時間
いつでもアドバイス
24時間
いつでもアドバイス+
実質負担分
最大1万3,000円まで補償
自力走行
不能時の補償
帰宅費用上限2万5,000円/人
宿泊費用上限2万円/人
修理後車両引取交通費・搬送費
上限5万円
帰宅費用上限4万円/人
宿泊費用上限3万円/人
修理後車両引取交通費・搬送費
上限5万円
グルメ・宿泊優待 優待価格提供
クルマ・旅行の情報誌 有料
(年間税別2,000円)
無料
空港ラウンジ 国内35空港
旅行傷害保険 海外最高3,000万円
国内最高3,000万円
海外最高5,000万円
国内最高5,000万円
ショッピング
補償保険
100万円限度
※海外のみ
200万円限度 300万円限度
ポイントアップ
マーケットWEB
ポイント2倍~ ポイント3倍~
(※TS CUBICカードのホームページを元に筆者作成)

スペック面での大きな違いは、「セレクト」「ゴールド」では海外・国内傷害保険の付帯や、ショッピング補償保険の金額が大きさなどがある。また、「ゴールド」では空港ラウンジサービスやグルメ・宿泊優待も提供される。

個人のニーズによってどれがいいかは異なるが、トヨタ系のカードを初めて利用するなら、まずは「レギュラー」から使ってみるといいだろう。

5,TS CUBICカード レギュラーの2つのデメリット――年会費と旅行傷害保険

このカードのデメリットを挙げるとすれば次の2点となるだろう。

デメリット1,年会費がかかる

1,375円(税込)の年会費は一般カードとしては一般的だが、他社に年会費無料でポイント還元率1%以上のカードもあることを考えると、単に高還元率カードというだけではメリットが薄い。

トヨタ車など、このカードでメリットを受けられるクルマの利用者でないと、この年会費は少々割高といえそうだ。

デメリット2,旅行傷害保険が付帯しない

旅行傷害保険は付帯しないので、必要であれば、他のクレジットカードの保険を利用するか別途保険に加入することになる。年会費有料のカードとしては、旅行傷害保険が付帯しない点はスペック的に少々物足りない印象となる。

6,TS CUBICカード レギュラーがおすすめなのはどんな人? トヨタ車に乗っているなら

通常でも1%還元、新車購入時は1.5%還元となる「TS CUBICカード レギュラー」は高還元率カードといっていいだろう。また、トヨタを中心にクルマ周りの優待やサービスも充実しているので、トヨタ車の利用者には特におすすめのカードといえる。

ENEOSサービスステーションやレンタカーの利用頻度、旅行傷害保険の必要性次第では「セレクト」や「ゴールド」も検討候補となるので、自身のライフスタイルやカーライフをよく振り返って検討してみてほしい。

モリソウイチロウ
執筆・モリソウイチロウ
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカードに詳しく、専門サイトでの執筆も行っている。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカードに詳しく、専門サイトでの執筆も行っている。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。

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