以前と異なり、人とのやりとりが急に事務的になってきたと感じる場合は、脱人格化が起きている可能性が高いでしょう。

3つ目は「個人的達成感の低下」です。

このように情緒的消耗感、脱人格化が続くと、必然的に仕事へのやる気が低下し、生産性が落ちてしまいます。

そうなると起きるのが、個人的達成感の低下です。

仕事へのモチベーションがなくなり、今までの熱意や目標を見失って、「自分なんてダメな存在だ」と自己否定の感情が強くなってしまいます。

こうした初期サインをセルフチェックできるリストがこちらです。

17項目は「情緒的消耗感(E)」「脱人格化(D)」「個人的達成感(PA)」のいずれかの尺度を示し、それぞれについて1(全くない)〜5(いつもある)の5段階で評価します。

自分にどれだけ初期兆候が出ているか、参考程度にチェックしてみてください。

日本版バーンアウト尺度
日本版バーンアウト尺度 / Credit: 労働政策研究・研修機構「バーンアウト(燃え尽き症候群)」(PDF)

燃え尽き症候群の症状とは?

こうした3つの初期サインの末に、燃え尽き症候群を発症します。

具体的な症状としては、以下のものが挙げられます。

1.疲労感:精神的および身体的に現れる重度のエネルギー喪失です。

体が疲れやすい、常にだるさが抜けない、仕事が終わってもリラックスできないなどがあります。

2.情緒障害:感情のコントロールが公私にわたり困難になる状態です。

仕事中のイライラが止まらなかったり、注意されると急に逆ギレするようになったり、周囲にきつく接したり、涙もろくなるなど、感情の起伏が激しくなります。

3.認知障害:記憶力、注意力、集中力を含む認知能力に問題が生じる状態です。

簡単な作業でもミスが増えたり、物忘れが多くなったり、注意散漫や集中力の不安定さを特徴とします。

4.心理的苦痛:慢性的な気分の落ち込みや不安症状が起きたり、騒音や人混みに敏感になって心理的な苦痛を感じます。