さらにHIVの“隠れ家”になる免疫細胞の一部は、防御因子が少なく、ウイルスに入り込まれやすいことも明らかになりました。

この結果は体の場所や細胞の種類によってHIVに対する防御力が大きく違うことを意味します。

このように迅速剖検によって得られた「HIVの潜伏場所の地図」は、HIVを根本的に治療するための新しい治療法を生み出す鍵として期待されています。

迅速剖検はHIVとの長い「かくれんぼ」に終止符を打つための、大きな一歩と言えるでしょう。

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元論文

HIV persists throughout deep tissues with repopulation from multiple anatomical sources
https://doi.org/10.1172/JCI134815

Anatomical, subset, and HIV-dependent expression of viral sensors and restriction factors
https://doi.org/10.1016/j.celrep.2024.115202

ライター

川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。

編集者

ナゾロジー 編集部