第一次世界大戦前は年間100万人に達することもしばしばだった移民を相次ぐ移民制限法で最低期には3000人程度まで絞りこんでしまったのです。
そしてこの時期の移民が西欧からの人たちばかりになったのも、決してそれ以外の地域からの移民志願者が減ったからではなく、排外主義が蔓延している国に行けば迫害されるかもしれないと思う人も多かったからです。
もう働ける状態になってから来る人が多いので、移民による人口増加はすぐ住宅需要の増加につながります。逆に、新移民の人数がピークの1%にも満たないほど減ってしまえば、働き手も減るし、住宅需要も激減します。その証拠が次のグラフです。
第一次世界大戦で短期的な落ちこみがあった以外は、アメリカ経済全体が豊かになるにつれて、階段を一段ずつ昇るように高原状態を形成しながら伸びていた住宅着工が、移民制限法の実施によって激減し、住宅はすそ野の広い産業ですから、経済全体が停滞したのです。
トランプ政権が取締りを強化して以来、メキシコから陸伝いに警備の手薄な場所で国境を越えてやってくる非合法移民ほほぼゼロになっています。ですが、同時に正規の手続きで就労ビザを取る移民志願者も激減しています。
偏狭な排外主義に凝り固まった人たちの中に新参の外国人として入りこめば、運が悪ければどんな目にあわされるか分からないと不安を抱く人たちが増えているのでしょう。1929年の大恐慌を1930年代いっぱい続く大不況にしてしまった頃の世相とそっくりです。

迷走するトランプ政権 ホワイトハウスXより
2.米国経済崩壊後の中国、共産党は?
習近平が「永世首席なんだから、せめて毛沢東並みの武勲を挙げなければ」というようなバカげた方針を取らなければ、いずれは崩壊するにしても共産党一党独裁はしばらく生き延びるでしょう。
しかし、まったく軍務に就いたこともない習近平が本気で「台湾武力解放」などを企てれば、現役の人民解放軍幹部将校たちのあいだから内乱が勃発してあっさり共産党支配も消えてなくなるでしょう。