「薄毛・抜け毛対策」だけでは立ち行かない!?消費者の意識変化とは

抜け毛対策シャンプーからの脱却——安定を壊してでも挑む「スカルプD」のブランド革命 の画像3
(画像=『Business Journal』より引用)

——実際に、消費者の髪の毛や頭皮に対する意識変化は感じますか? 

 感じますね。やはり、これまで髪の毛の悩みには「触れられないこと」という感覚があり、会話に上がりづらい話題でした。   しかし、SNSでもケア方法の情報が増えていたり、企業側でも抜け毛や薄毛に関する情報を発信したりと、以前よりもオープンになっている印象です。 

 また、若年層の意識の変化が、スカルプDを購入するような年齢層の意識変化にも影響しているのではと考えています。   若年層の方々を見ていて感じるのは、自己表現に対する意識が非常に高い、ということ。自分がなりたい姿になる、つまり自分のマイナスポイントやコンプレックスをカバーするだけでなく、よりプラスアルファになる要素を求めて、プロダクトを選ぶ傾向があります。  そういった若年層の持つ価値観を、上の世代の方々も日々感じることで、抜け毛や薄毛といった悩みの解決だけでなく、身だしなみや清潔感など、いかに自分自身が理想とする要素を積み上げていくかという部分への意識の高まりを感じます。 

——消費者の意識の改革とそれにともなう市場の変化が、すでに磐石にも思えるスカルプDブランドコミュニケーションの刷新のきっかけになっているのですね。 

 抜け毛や薄毛に対する認知度やアプローチという点において、スカルプDは非常に強いプロダクトであると感じる一方、これまでのように悩みに対する対策というだけでは市場でのシェアは維持できないと考えています。 

 先ほどお話したように、若年層の自己表現や美に対する意識の高さに、引っ張られる形で、上の世代の意識も自分自身に対するプラス要素を求める形に変化しています。 

 時代の変化に合わせてコンセプトを見直し、プロダクトに反映していかなければ時流についていくことはできません。 

 多くの世代に拡大しつつある新たな価値観に対し、スカルプDではむしろ「スカルプシャンプー」の原点に立ち返り、頭皮の油分と水分のバランスを整え、頭皮環境を整えることで薄毛抜け毛だけでなく、様々なミドル男性特有の髪悩みにマルチにアプローチできることをコミュニケーションしていくチャレンジを決めました。 

 実際、継続してスカルプDを利用している顧客の方々は、ただ薄毛や抜け毛対策としてスカルプDを使っているのではなく、頭皮のケアやフケ、ニオイ対策など、デイリーケアとして使っている方が多くいます。こういった「これまでもあったはずの価値」を、新たな価値観やトレンドに合わせて提案するというイメージです。  もちろんこういったコミュニケーションのあり方の変更は、今回だけでなく、今後も続けていくべき挑戦であると考えています。