玉村:出世コースから外れた場合、どこに働く意義を見出すことができるでしょうか?

出世コースのルールが大事だと思います。もし上司の主観で評価が決まり二度と復帰できないようなら、私なら会社を変える選択肢も考えます。しかし逆に、ちゃんと実力主義で、たまたま今回結果が出なかっただけなら、それを受け入れて努力し直すしかない。実力主義であれば、きっかけさえつかめば大きく成長することもできるでしょう。

私も識学に入社して半年くらいの時に評価点で8点を取ったことがありますが、弊社には「視点スライド」という理論があり、過去の評価は過去のものとして切り離されます。そのため、すぐに「次はどうするか」と未来に向けて生産的に考えられるのです。

玉村:組織の中で自分の存在意義を感じるために、私たちは何を意識して仕事をすればいいでしょうか?

尾崎:公平かつ平等に評価される評価制度のもとで、しっかり評価を獲得し続けることです。会社から与えられた評価項目を達成できれば、自分が会社の役に立っていると実感できるでしょう。

独立を考えている人も、まずは組織の中で求められていることに応え、経験値を貯めていった方がいい。RPGと同じです。いきなり丸腰でラスボスに行くより、まずできるところで経験値を貯め、パワフルな仲間とパーティーを組んでクリアした方がいいでしょう。

玉村:確かに、組織の中で職位が上がっていくほど、仕事の抽象度も上がって難易度が高くなります。そうした能力を段階的にレベルアップさせていくイメージですね。

尾崎:そうだと思います。上に行けば行くほど自由度が増し、様々なことにチャレンジできる権限が与えられますが、逆に言えば、発想力がないと何も動けなくなります。

漠然と目的地だけ示されて「あとは任せる」と言われた時に、下積みの経験がないと対応が難しいでしょうね。そうした対応力を培っていくこと自体が、働くことの一つの意味と言えそうです。