■社会民主党(SPD) 社会民主主義を支持する。

■ドイツのための選択肢(AfD) ナショナリズム、経済的自由主義を支持する。

■左派党(Linke) 民主社会主義、共産主義を支持する。

■同盟90/緑の党(Grüne) 環境主義を支持する。

■自由民主党(FDP) 古典的自由主義、社会自由主義を支持する。

この中で、唯一連邦及び州政府の運営において極力排除され、ひいては連邦憲法擁護庁によって極端主義団体と指定された、「ドイツのための選択肢(AfD)」について述べたいと思います。

AfDは2013年に結成された政党で、当初はユーロ危機をきっかけに「EUの財政移転に反対する欧州懐疑主義派」として登場しました。

当時の主張は、南欧諸国の債務をドイツが肩代わりするのは不公平である、よってユーロを廃止しよう、などというものです。

つまり、国家財政の自立性を守ろうという経済的自由主義に基づいた立場でした。実際、初期の構成員は経済学者が多かったです。

その後、メルケル政権による難民危機や移民問題をきっかけに、AfDはより国民国家の主権や移民の制限を重視するナショナリズム政策も取るようになりました。

熟練労働者の制限的受け入れ、EUの過度な権限拡大への批判、そしてNATOの軍事介入への反対などが、彼らの主要なテーマになっていきました。

とりわけウクライナ戦争以降は、「ドイツの国益を第一に考えるべきだ」という立場から、武器供与や戦争拡大に対して明確に異を唱えています。

経済政策の面では、欧州の反移民政党の中でも経済的自由主義を掲げており、税負担や規制の軽減を繰り返し訴えています。

代表のアリス・バイデルはハイエク協会出身の経済学者として、サッチャー首相やミレイ大統領を評価しており、現政権の債務赤字を痛烈に批判しています。

また、イーロン・マスク氏も「ドイツを救うのはAfDしかない」と述べ、欧州政党の中でも特にAfDに注目しているところです。

(スクショの許可は頂きました)