ちなみに、この記事のために、ドイツのリバタリアン政治活動家であるナオミ・ザイプト(Naomi Seibt)氏から貴重なご意見を頂きました。
「あなたはAfDの経済政策がドイツ政治において一番自由主義(リバタリアニズム)に近いと思いますか?」という私の質問に対して、ザイプト氏は「簡潔に言えば、はい、間違いないです。アリス・バイデルは、公式の場で何度もAfDを『右派リバタリアン』と呼んできました。他にリバタリアニズムを名乗る政党はありません。FDPはかつて『自由市場の党』として知られていましたが、それは見せかけに過ぎず、実際には連立を組める相手の政策をただ取り入れるだけの臆病な政党となってしまいました。現在では得票率5%すら獲得できていません。」と述べています。
(ザイプト氏のXアカウントです↓)
自由主義の視点から見ても、経済的自由を基盤に据えるAfDの訴えには耳を傾ける価値があると思います。

共同代表のアリス・バイデル氏とティノ・クルパラ氏
ただし、トランプ大統領の関税政策に対して二人の共同代表の意見が分かれるなど、AfDの内部には経済的に自由主義的な立場を取る人もいれば、より保護貿易を支持する人もいるそうですし、外交・安全保障に関しても意見の幅が存在します。
AfDはルペンやファラージという一人に依存する政党とは異なり、派閥間の会話を重視しているのです。
どちらかと言えば、これこそ「民主的」な政党として健全な姿だと言えるのではないでしょうか。
興味深いのは、いわゆる「極端」とされるAfDや左派党の政策の一部が、むしろ主流派よりも自由主義的なことです。
左派党は一貫して反介入を掲げ、海外派兵や軍事ブロック拡大に批判的です。
AfDは、経済的自由主義であり、EUの中央執権、NATOの無制限な介入やウクライナへの支援に反対を唱えています。