どちらも、軍事費を膨張させて戦争拡大に突き進むCDUやSPDといった「穏健派」と比べれば、よっぽど慎重で平和的な、つまり税金をなるべく使わない立場だと言えるでしょう。
そういうAfDは支持を集め次々と議席を増やし、2025年選挙で20.8%を獲得することで第二党になりましたが、にもかかわらず、AfDは「極右」や「危険な勢力」というレッテルを貼られ、連立政権に参加されずいじめられたり、憲法擁護庁による監視対象に指定されるなど、政権側からの弾圧を受けています。
しかしごく一部の発言を拡大解釈してAfD全体を「危険な極右」と決めつけて排除するのは、国民の声を無視することに等しいのではないでしょうか。
AfDの有権者の多くは「大ドイツ主義」を望んでいるのではなく、EUの中で自分たちの生活や主権が軽視されていると感じ、既存政党に代わる選択肢(alternative)を求めているのです。
世論調査では、自営業者、労働者、旧東ドイツ地方、若者、移民1世代など、ごく普通の市民の不満と願いが反映されています。
またAfDが議席を増やした理由は、メルケル政権の難民受け入れ政策による治安悪化や文化的違いによる紛争にありました。むしろ必要なのは、彼らが何を問題視し、どのような代案を提示しているのかを、冷静に議論の俎上に載せるべきです。
AfDの存在は、必ずしも全ての政策に賛同できるかどうかは別として、少なくとも民主主義者が唱える「多元性」を保証する重要な役割を果たしているのではないでしょうか?
3. それは本当に自由ですか?
似たような構造を持っている国が隣にあります。それは韓国です。
韓国は「国家保安法」という、かつての愛国者法や治安維持法に類似する法律が存在します。反国家勢力の規制や共産主義活動の禁止を名目にしていますが、実際には軍事政権が反対派を弾圧する道具として利用してきました。
2014年には「統合進歩党」という主体思想を追従する極左政党を内乱扇動罪(内乱陰謀とは異なる)で解散させました。