「変数」とは、成果に影響を与える要素のうち、自分の努力や工夫で変えられるものを指します。
たとえば営業における「トークの質」や「営業資料の内容」などが該当します。
ここで重要なのは、成果に影響を与える変数を明らかにすることです。
例えば営業資料であれば、デザインにこだわることよりも、要点を押さえた資料の方が成果につながるかもしれません。
この場合、成果に影響を与える変数は「プレゼンの完成度」ではなく「伝え方」になります。
変数を明らかにするには、仕事の工程を細かく分けて、数値を使って各工程の問題点を整理しなければなりません。
こうして自ら変数に気づけるようになれば、あらゆる業務に対しても、確実に成果を挙げられるようになります。
数値化4.真の変数「真の変数」とは、数ある変数の中でも、成果に最も強く影響を与える本質的な要素のこと。
単なる行動量や確率では測れない、より深い構造的な要因です。
たとえば営業現場で、アポ取得率ではなく「初回面談での信頼構築スキル」が成果に最も影響していたとすれば、それが真の変数になります。
真の変数を特定するには、複数の変数を比較・分析しながら、相関性が低い要素を排除していくことが必要です。
そのうえで、最も成果を左右する変数に絞り込み、集中的に改善を行うことで、組織全体の成果が大きく伸びます。
マネージャーの役割は、単にプレーヤーに『意識を向けさせる』ことではありません。
データという客観的な『事実』を提示し、プレーヤーが抱いている可能性のある『誤解』や『錯覚』(例えば、努力の方向性が間違っている、重要でない変数に固執しているなど)を排除し、成果に直結する『真の変数』に気づかせ、そこに対する具体的な行動変容を促すことです。
これにより、限られたリソースを最も効果的な一点に集中させることが可能になります。
数値化5.長い期間数値化の効果を最大限に発揮させるには、短期的な結果だけでなく、時間軸を持ってデータを捉える視点が欠かせません。