単発の成果だけを見て評価を下すと、偶然や一時的な失敗に振り回され、改善の本質を見誤る恐れがあります。
一定の期間にわたって行動量・確率・変数を継続的に記録し、時系列で分析することで、実力の推移や課題の傾向が浮かび上がるようになるのです。
また、長期視点を持つことで、プレーヤーは「目先の成果」だけでなく、「未来の成果を見据えた行動」に目を向けるようになります。
結果として、未来から逆算したKPI設定が可能になり、行動に迷いがなくなるとともに、継続的に成果を積み重ねられるようになるのです。
「客観視できているつもり」の3つの落とし穴
「客観視できているつもり」の落とし穴として、以下の3つが挙げられます。
安心材料として数値を取り扱っている
データを見ても解釈が主観的になっている
確率のワナで失敗を恐れる文化に
それぞれ詳しく解説していきます。
安心材料として数値を取り扱っている数値を扱っているからといって、必ずしも客観的に判断できているとは限りません。
多くのビジネス現場では、数値をあくまで「安心材料」として利用し、自分の主観的な判断を裏づけるための根拠に使ってしまうケースがあります。
たとえば「売上は上がっているから問題ない」と結論づける場面では、その数値の背景や構造が深く検証されていないことも少なくありません。
本来、数値とは『事実』を客観的に捉え、次の合理的な行動を導き出すためのツールであり、個人の主観的な判断を正当化したり、安心感を得るための道具ではありません。
都合の良い数値だけを選択・解釈する行為は、直視すべき課題やリスクから目を背け、『誤解』や『錯覚』を助長し、正しい『結果責任』の所在を曖昧にします。
結果として、根拠の薄い判断が繰り返され、意思決定の質が下がるリスクが高まります。
数値の意味を正しく理解し、冷静に向き合う姿勢が求められるのです。
データを見ても解釈が主観的になっているデータを活用しているつもりでも、その「解釈」が主観的であれば、正しい意思決定にはつながりません。