現役引退後は、2008年から長きにわたり清水の育成組織で指導にあたり、U-13からジュニアユースの監督などを歴任。多くの才能を発掘し、トップレベルで活躍する選手を育て上げ、確固たる地位を築いてきた。

彼の指導者としてのキャリアは、まさに育成のスペシャリストそのものだ。2016年からはトップチームのコーチも務め、育成とトップの両方のカテゴリーを熟知している。2023年には清水から派遣される形で関東リーグ2部の厚木はやぶさFCの監督を務め、2024年からはJ3・FC今治のヘッドコーチに就任するなど、常に指導の最前線に身を置いている。

2022年にProライセンスを取得した久保山氏は、Jクラブの監督として、特に若手選手の育成とチームの底上げにおいて大きな力を発揮するだろう。派手さよりも育成重視の堅実な指導スタイルで、一人ひとりの選手と真摯に向き合い、ポテンシャルを最大限に引き出すチーム作りが期待される。若手主体のチームや、クラブの将来を見据えた基盤作りを目指すクラブにとって、非常に魅力的な監督候補と言える。


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JFA 写真:Getty Images

菅原大介(47歳)2022年JFA Proライセンス取得

菅原大介氏の名前を聞いて「誰?」と思う人もいるだろうが、それも致し方無い。プロ選手としてのキャリアはないためだ。

2001年に東海大学を卒業すると、同年4月から筑波大学大学院でコーチ学を学ぶと同時に同大サッカー部のコーチに就任。2003年、大学院を卒業したタイミングで女子日本代表とU-19女子日本代表のテクニカルスタッフに加わるという異色の経歴を辿っている。

その後、年代別日本代表のテクニカルスタッフを歴任。千葉や大分トリニータ、栃木SCでコーチやヘッドコーチを務めるなど、その指導者としてのキャリアは目を見張るものがある。

2022年にProライセンスを取得すると、JFAに請われセットプレーコーチに就任し、2023年からはU-18(現U-20)日本代表コーチも兼任している。菅原氏とJFAとの契約期間は公表されていないが、現時点ではJクラブでの指揮は行っていない。