
Jリーグでは毎年のように監督交代が起こる。特に、日本代表として活躍した元選手や欧州クラブで経験を積んだ指導者、あるいは育成年代で実績を築いた指導者には、常に大きな期待が寄せられてきた。
そうした舞台に立つために不可欠なのが、日本サッカー協会(JFA)が公認する指導者の最上位資格「JFA Proライセンス」だ(旧S級コーチライセンス)。
ここでは、JFA Proライセンスを取得してから5年以内で、まだJクラブの監督を務めていない指導者の中から、特に注目すべき5人を紹介する。元日本代表の名選手から育成に力を注ぐ指導者まで、多彩な経歴を持つ彼らが、将来どのような采配を振るうのか。その可能性に迫る。

中村俊輔(47歳)2025年JFA Proライセンス取得
「魔法の左足」で世界を魅了し、日本サッカー史に輝かしい功績を刻んだ中村俊輔氏。スコットランドの名門セルティックのサポーターの間では未だにレジェンドとして称えられ、2度のJリーグ年間MVP受賞など、そのキャリアは輝かしいものだ。2022年を最後にスパイクを脱ぐと、古巣・横浜FCのトップチームコーチに就任。指導者としての道を歩み始める。
引退直後から指導の最前線に身を置き、選手たちの成長を肌で感じながら、自らも監督学を学んだ。そして2025年、Proライセンスを取得。これにより、中村氏がJリーグの監督として采配を振るう未来が、現実味を帯びてきた。コーチ業も3年目を迎え、一部では横浜FC監督就任の可能性も噂されたが、実現には至らなかった。
将来、“チーム俊輔”はどのようなサッカーを展開するのか。現役時代に見せた卓越した技術や戦術眼は、間違いなくその指導哲学の根幹をなすはずだろう。イタリア、スコットランド、スペインでの成功も失敗も含めた経験は、戦術の多様性と国際感覚を彼のサッカー観に加えるだろう。選手個々の技術と状況判断を重視し、見る者を魅了する攻撃的なサッカーが期待される。