まず一つ目は、物流や小売と連携した流通透明性の向上である。今どこにどれだけの出荷がされているか、予約受付状況はどうか、メーカーが把握している範囲で透明性を上げれば、ユーザーの不安は減る。Appleのように公式サイトで入荷予定日や出荷待ち数を見せる形も参考になるだろう。

二つ目は、期待値マネジメントを前提としたプロモーションの再設計だ。Nintendo Directのような大規模発表と、供給計画の非対称性をうまく調整し、盛り上げすぎず、落胆させないラインを見極める必要がある。これには広報・営業・ロジスティクス部門が一体となった、横断的なプロジェクトが不可欠だ。

企業は意図していなくても誤解されることがある。だからこそ、誤解の余地を構造的に潰していく姿勢が、ブランドの信頼を築く鍵になる。

濵口 誠一 中小企業診断士 従業員2万名の企業から10名の企業まで、約20年経営企画に従事し1000件以上の事業計画を策定。現在は中小企業診断士として経営戦略から実行支援まで行う。言語化・数値化を得意とし「話しているだけで悩みが解決した」「目標が従業員に伝わるようになった」という評価多数。

編集部より:この記事は「シェアーズカフェ・オンライン」2025年8月18日のエントリーより転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はシェアーズカフェ・オンラインをご覧ください。