【補足】 グラフを一つ示しておきたい。政策金利が現在の0.5%から1%のレベルに引き上げられたら信用金庫の本業利益はどうなるかの試算。本文中で述べたように、固定金利貸付が多ければ、金利上昇の恩恵は少ない。試算結果は8金庫がプラス。残りの12金庫はマイナス。利上げで、確実に、保有有価証券の価格は下がる。1%から2%になったら、現在の100に対して90から80の範囲で値下がりする。これを考えると、日銀も自らの美学だけで、利上げを判断するわけにはいかない。昨年の8月暴落のこともあるし、それに加えて、地方の中小金融機関のことも心配になるだろうから。

図2 政策金利上昇に伴う信用金庫の収支試算 出典:証券経済学会北海道支部作成