将来、VR(仮想現実)や脳の画像を使った研究でぜひ確かめたいところです。
さらに、感覚のすみ分けが苦手な人、たとえば自閉症や感覚過敏の人には、「動くときは視覚を控える」「止まるときは耳を優しく刺激する」といった環境の工夫にヒントを与えてくれるかもしれません。
この研究は、「私たちの脳はただ受け取るだけでなく、自分で必要な感覚を選びとっている」というメッセージを伝えてくれます。
行動の裏には、脳が常に「いま頼るべき感覚はどれか」を判断し、最適な方法で世界を感じ取っている知恵があるのです。
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元論文
Locomotion-dependent auditory gating to the parietal cortex guides multisensory decisions
https://doi.org/10.1038/s41467-025-57347-y
ライター
川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。
編集者
ナゾロジー 編集部