「余暇の過ごし方次第で、仕事がなくなってしまっても人生の意味を補えるのだろうか?」
私たちは自由な時間があると、つい何もしないで楽な娯楽ばかりを選びがちです。
例えば、テレビをぼーっと眺めたり、スマホでSNSをダラダラと見続けたりするような、あまりエネルギーを使わない遊びです。
でも、研究者たちは「人は確かに余暇ではリラックスしたいと思っているけれど、本当は『ちょっと大変な活動』のほうに意味や充実感を感じる傾向があるのではないか」と考えました。
これが、研究チームが探りたかったことです。
つまり彼らは、「仕事が減る未来においても、『努力が必要な余暇』が、意味深さ、充実感、目的感を支えてくれる可能性があるのでは?」と考えたのです。
こうした疑問を明らかにするために、研究チームは合計で5つの研究を行いました。
「楽な娯楽」は人生を薄める?「ちょいムズ余暇」のすすめ

この研究では、全部で5つの調査や実験が行われました。
その目的は、余暇に行う活動の「努力の大きさ」が、人々が感じる「意味」や「楽しさ」にどのように影響するのかを科学的に調べることでした。
まず、最初に行われたのは「研究1」という調査です。
この調査では、大学生1145人に、ふだんの日常生活で行っているさまざまな活動について質問しました。
具体的には、「どのくらい努力が必要か?(大変さ)」「どれくらい意味があると感じるか?(意味深さ)」「どれくらい楽しいか?(楽しさ)」の3つのポイントを聞いています。
その結果、多くの人が「努力が必要な活動ほど意味がある」と考えていることがわかりました。
逆に言えば、楽で手軽な活動ほど「あまり意味はない」と考えられていました。
例えば、人のために行うボランティア活動は、テレビをだらだら見るよりも「意味がある」と評価されました。