その理由は、ロボットや人工知能(AI)の登場です。
近い将来、多くの仕事がロボットやAIに置き換えられて、人間が働かなくても良くなる可能性があるのです。
これは一部で「自動化爆弾」と呼ばれています。
「働かなくてもいい時間が増える」と聞くと、とても良いことのように思えます。
ですが、本当に良いことばかりでしょうか?
実は、多くの人にとって「仕事」は生活費を稼ぐだけでなく、生きがいや人生の意味を与えてくれる大事な役割を果たしています。
嫌われがちな仕事や勉強も、実際には自分にとっての目的ややりがいを感じるための大切な場所なのです。
そう考えると、もし仕事が減って余暇ばかりが増えたら、「人生の意味」や「生きがい」を感じにくくなってしまうのではないでしょうか?
しかしここで考えてほしいのは、「人生の意味を感じるのは、必ずしも仕事だけとは限らない」ということです。
実際、私たちは普段の生活でも、友達と遊んだり、趣味に没頭したりするときに「楽しい」だけでなく「意味がある」と感じることがあります。
「一見大変そうな趣味や遊び」に取り組む人も多くいます。
たとえば、ボランティア活動や、難しいゲームに挑戦したり、スポーツに打ち込んだりする人たちです。
こうした、「自分が選んで頑張ってやる余暇活動」は、専門的には「シリアス・レジャー(真剣な余暇)」と呼ばれています。
「シリアス・レジャー」とは、ただリラックスしたり、だらだら過ごしたりする余暇ではなく、自分が好きで自主的に努力を伴って取り組む活動のことです。
興味深いことに、こうした努力を伴う余暇は、時には「楽しむだけ」の娯楽よりも、より深く人生の意味や充実感をもたらす可能性が指摘されています。
仕事が減った未来では、こうした「努力を伴う遊び」が、「仕事が持っていた生きがいや目的感」を埋め合わせてくれるのではないかと考えられています。
そこでカナダにあるトロント大学(University of Toronto)の研究チームは、次のような疑問を抱きました。