総勢85人ほどとされる不記載議員のうち、前述した大野・谷川・池田・堀井の4名を除く80余名が特捜によって「不起訴」とされたことは重要である。なぜならそれは、前述した①還流金額、② ①の使途、③ 政治資金収支報告書不記載への議員の関与、の3点について特捜が「犯罪を証明できなかった」のだから。
つまり筆者は、安倍氏の「現金での還流をやめよう」発言のところで述べたように、80余名について特捜は、③に係る「収支報告書不記載に議員が関与していた」ことを証明できず(=不記載を知らなかった)、また②に関連して「還流金を議員が私的流用していた」ことも証明できなかった、と見る。
ところが安倍派議員の中にも、自ら政倫審で釈明した西田昌司氏の様に、他の不記載議員も政倫審で説明せよと主張する方もいる。「ひめゆりの塔西田発言」で本欄に擁護論を書いた筆者だが、西田氏のこの主張には異論がある。何故なら他の議員も西田議員と同じく特捜が「不起訴」にしているからだ。この事実は政倫審の釈明よりも断然重い。
まして石破執行部に拾われた鈴木宗男氏や、LGBT法の戦犯で不記載議員でもある稲田朋美氏の不記載問題ケジメ論には開いた口が塞がらない。それに引き換え、僅か100万円の還流金を自身のパーティー券収入として誤記載し、後に派閥からの寄附に修正したため非公認で勝ち上がらざるを得なかった西村康稔氏などは、萩生田氏と共になぜ彼らが今政権の中枢にいないのかと筆者を嘆じさせる。
自民党は今般の牛久保秘書の件を奇貨とし、一刻も早く新しい総裁を選出して、不記載問題が24年春の東京地検特捜部の捜査終結を以て決着していることを、胸は張る必要はないが、率直かつ明朗に語って国民に理解を求め、新総裁下で解散総選挙を打つべきだ。
保守政党を以て任じる国民民主党・参政党・日本保守党が石破政権発足以降の2度の国政選挙で大躍進したことは我が国にとり好ましい。が、政策立案力は未だしも、人材、組織、議員教育、支援層の厚み等々、まだまだ自民党に代わって日本の舵取りをする力量はない。保守自民党よ、しっかりせよ。