最下位となる20位チームはJFLへ自動降格、そして19位チームはJFL2位クラブとの入れ替え戦に回るというレギュレーションのJ3リーグ。
現在、最下位に沈むのは、元日本代表FW中山雅史監督が率いるアスルクラロ沼津だ。3勝9引き分け10敗だが、18位の讃岐との勝ち点差はわずかに2。昨オフにベテランから若手への大胆な血の入れ替えを敢行した沼津だが、「超攻守一体」を掲げビルドアップを重視し、アグレッシブで攻撃的なスタイルは一定の評価を受けている。あとは結果さえついて来れば、若い選手が多いだけに勢い付く可能性もある。
19位には、勝ち点19のFC岐阜。しかも沼津とはわずか1ポイント差だ。この2チームに加えて、18位のカマタマーレ讃岐や、17位の長野パルセイロ、16位のザスパ群馬も安心できる状況ではない。長野と群馬も、連敗次第では降格圏に巻き込まれる可能性も十分にあり得る。
なぜこの残留争いが混沌としているのか。それは、どのチームも守備の安定感を欠いているという共通の課題を抱えているからだ。失点数を見ると、岐阜が36失点、沼津が27失点、群馬が34失点と、多くのチームが守備に問題を抱えている。
残留争いから抜け出すためには、残りの試合でいかに勝ち点を1つでも積み重ねるかだ。特に、直接対決での勝敗がチームの命運を分けることになる。

カギを握る選手と今後の展望
各チームの終盤戦を語る上で、キーパーソンとなる選手たちの活躍は欠かせない。例えば八戸の安定した守備は、経験豊富なDF陣の統率力に加えて、チーム全体に守備意識が浸透している点が大きい。
一方、攻撃的なサッカーを展開するFC大阪は、得点源となるストライカーの活躍が不可欠だ。今のところ、チーム得点王はFW島田拓海(7得点)だが、彼以外、特にセットプレーからの得点パターンを持っている点が強みだ。また、プレーオフ圏内の鹿児島もリーグで2番目に多い37得点を挙げている。彼らの攻撃サッカーをどこまで貫けるかが、上位進出へのカギとなる。