全38節残り16試合の中、上位3チームがやや抜け出し、下位3チームが後れを取っている印象だ。しかし中位にいるチームも連勝すれば昇格争いに加われる半面、連敗を喫すれば一気に残留争いに巻き込まれてしまうほどの大混戦である。
JFL降格となれば、再度J3に昇格するのは容易ではない。実際、昨2024シーズンJ3最下位で自動降格したいわてグルージャ盛岡は、JFL第18節終了時点で16チーム中8位。J3/JFL入れ替え戦で敗退したÝ.S.C.C.横浜に至っては、13位に沈んでいる。JFL降格は、場合によってはクラブの経営や存続に深刻な影響を及ぼす可能性がある。

J2自動昇格争い:八戸とFC大阪がリード
首位ヴァンラーレ八戸の石﨑信弘監督は2023シーズンから指揮を執り、J1・J2・J3、さらにJFLを含めると通算12クラブ目での監督経験を持つ。八戸は第22節終了時点で失点わずか15とリーグ最少を誇り、この堅守が快進撃の最大の要因となっている。得点は31と突出した数字ではないものの、14勝4分4敗と安定した成績を残し、派手さはなくとも確実に勝ち点を積み重ねている。
石﨑監督はJ2のモンテディオ山形(1995-1998)で監督キャリアをスタート。その後、大分トリニータ(1999-2001)、川崎フロンターレ(2001-2003)でも指揮を執り、それぞれ勝ち点1差で昇格に失敗した。しかし、チームの土台作りには定評があり、柏レイソル(2006-2008)、北海道コンサドーレ札幌(2009-2012)、そして2度目の山形(2014-2016)では、J2に降格していたクラブをJ1復帰に導いた経験もある。
八戸は、3月にルヴァン杯を1回戦で敗退し、5月に青森県大会決勝でJFLのラインメール青森に敗れて天皇杯出場権を逃したが、リーグ戦に集中できる環境が整ったと、今ではポジティブに考えることもできるだろう。