重要なのは、他責的な言動が一切通用しない環境を構築し、部下が自身の行動とその結果に対して責任を持たざるを得ない状況を作り出すことです。

そのために、特に以下の2つのマネジメント手法を意識しましょう。

懸念点はやる前に出させる 結果責任を徹底する

それぞれ解説します。

1. 懸念点はやる前に出させる

目標達成を阻む要因は業務開始前に洗い出し、可能な限り取り除いておかなければなりません。

ゴールを明確にして部下に責任感を持たせたうえで、目標設定の段階で考えられる懸念点をすべて挙げさせましょう。

例えば「予算が足りない」「別のプロジェクトと重なり、リソースが足りない」などの懸念点があった場合、着手する前にそれを排除しておく必要があります。

すると、行動を妨げる要因がクリアになり、「あとは自分の努力次第で達成可能だ」と、部下自身が認識するようになります。

2. 結果責任を徹底する

他責傾向のある部下は、目標未達の場合にも自分以外の要素に責任転嫁をしがちです。

しかし、事前に懸念点を解消し行動の前提条件を整えているにも関わらず目標が未達だった場合、その原因は部下の行動(計画の具体性、行動量、スキルの適用など)にあると明確に特定されます。

上司は、結果が出た後に持ち出されるいかなる言い訳も許容してはなりません。

「未達の原因となった具体的な行動は何か」「それを改善するために、次はいつまでに、何を行うのか」を部下自身に徹底的に言語化させ、具体的な行動計画に落とし込ませることで、結果責任を負うことの重要性を認識させます。

自責の思考により成長をうながすための3つのポイント

では、どのようにすれば自責の思考は育つのでしょうか。ポイントは以下のとおりです。

不足を認識させる 評価は目標の達成具合で行う モチベーションマネジメントから脱する

順に解説します。

1. 不足を認識させる

人は誰でも、自分の能力や行動を過大評価する「自己肯定的なバイアス」に陥りがちです。