毎年の8月に歴史をそう感じとれる人を、細々とでも文章を通じて維持するのが、たぶんぼくにとっての「最後の御奉公」だろう。『文藝春秋』を手元に、できれば終戦記念日は、静かに過ごす人が多ければいいなと思う。

参考記事:

ウクライナとガザのさなかに、8月15日をどう迎えるか|Yonaha Jun
年に一度の「戦争を振り返るシーズン」も、実に79回目。不幸なことに、ウクライナとガザの双方で、続く戦争が進行する中で迎える夏である。 昨秋から気にかけてきたが、ウクライナはついにロシア領内へ侵攻する冒険的な賭けに出た。またイランがイスラエルへの大規模報復に踏み切れば、文字どおりの「第五次中東戦争」となろう。
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資料室: あなたはまだ「ほんとうのムラ社会」を知らないー渡辺清『砕かれた神』|與那覇潤の論説Bistro
日本人は空気に弱い、とよく言われる。とくに有識者を名乗る人ほど口にする。そこには「インテリの私は違うけどね、フフフ…」といった自己卓越化と見下しがあるのだけど、そうした人のほとんどはコロナ以来、率先して空気に追従し続けて、信用を失ってしまった。 そんな軽薄なことになるのも、空気を読ませる母体であるムラ社会のリアリテ...
ウクライナ戦争に踊った「大きな少国民」(『Wedge』連載開始です)|與那覇潤の論説Bistro
20日発売の『Wedge』8月号から、巻頭コラムの連載を担当させていただいています。ずばり、タイトルは「あの熱狂の果てに」。 今日に至る、さまざまな歴史上の熱狂をふり返り、「……でも、いま思うとあれは何だったの?」を省察するのがコンセプト。毎回、写真家の佐々木康さんによる撮りおろしの扉もつきます。
ひと:佐々...

(ヘッダーは毎日新聞より、1952年に靖国神社を参拝する昭和天皇)

編集部より:この記事は與那覇潤氏のnote 2025年8月13日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は與那覇潤氏のnoteをご覧ください。