それは、子どもだった私が釣りに飽きてしまい、潮だまりをのぞき込んだときのこと。そこには、たくさんの種類の魚たちが泳いでいて、それを見ているだけで楽しかったのを覚えています。
そのうち、竹の継ぎ竿の先っぽだけを持ってきて、糸と針を結び、エサをつけて潮だまりに落としてみました。すると、ハゼなどが餌をちょんちょんとつつきにくる中、突然岩陰から大きめの根魚が現れて、エサをさっと奪っていく――そんな光景が何度もありました。
まさにサイトフィッシング。そのときのドキドキ感や、釣れた魚の記憶は、実際の大きさ以上に鮮明に心に残っています。
子供の頃の遊びに近い感覚
極浅のムラソイゲームは、私にとってまさにこの体験と重なります。とてもノスタルジックで、童心にかえるような感覚があるのです。
今回、N氏と釣りをして、彼も私と同じような感想を持ってくれたことは、何よりもうれしいことでした。釣果としては残念でしたが、いつか条件が良いタイミングで、ぜひ「爆釣」を体験してもらいたいと思っています。
もちろん、そのときの様子も、ぜひ記事にさせてほしいですね。

釣り資源を守るために
最後になりますが、私はこの極浅ムラソイゲームを、より多くの方に体験していただきたいと考えています。ただし、ムラソイを含む「根魚」と呼ばれる魚たちは、定着性が強く成長も遅いため、乱獲によって地域個体群に深刻なダメージを与える可能性もあります。
この素晴らしい釣りを長く楽しんでいくためにも、できるだけキャッチ&リリースを心がけていただけると嬉しいです。
<アングラー「K」/TSURINEWSライター>