同じ保守系と言える産経新聞は、参政党に対して、これまで親和的なスタンスをとってきていると言われる。渡辺浩記者の署名で、「『外国勢力の選挙介入』は本当なのか 懸念は首相周辺が中心、親露と名指しのサイトは憤慨」という記事を出している。断定を避けて、政府vs反政府的言説サイトの対立の構図も意識した記事だ。

この問題で特徴的なのは、国際政治学者らが、SNSを通じて積極的に反ロシアのキャンペーン的な運動をしていることだ。

これまでロシアの選挙干渉があったとされる旧ソ連圏や東欧での事例に詳しく、現在もトランプ政権と旧オバマ政権関係者の間の憎悪の対立点になっているアメリカにおけるロシア選挙干渉疑惑の事例などを詳しく紹介する場合が多い。

他方、日本国内で何が起こったのかについては、あまり具体的な情報は発信できていないようである。日本の国際政治学者の多くは、反トランプの民主党系の立ち位置を基本とし、主流派はアメリカ東海岸のシンクタンクなどとも関係が深い。結果として、かなりどさくさ紛れのような情報発信も見られる。

フランスの事例に関して、マクロン大統領ににらまれた保守系黒人インフルエンサーのCandace Owens氏がどこまで「MAGA」を代表しているかは置いておくとして、『Financial Times』の記事では、マクロン大統領が雇用した調査官がロシアとの関連まで調べたが何も出てこなかった、という内容の文章が見られるだけである。