ここでいう「ローバル」とは、周知の
glocal = global + local 【Think Globally, Act Locally.】
にヒントを得て、私が
lobal = local + global 【Think Locally, Act Globally.】
として再構成した概念である(金子、2024:4)。
グローカルという表現
20世紀の終盤あたりから、グローカルという表現が定着した。これはとくに経済活動に関して使われることが多く、〈glocal = global + local〉という等式からも容易に想定されるように、global(地球規模で、全世界的に)とlocal(地元志向で、局地的に)を統合させて、「世界的レベルで考えて、その土地に溶け込んで活動しよう」“Think Globally, Act Locally.”として用いられてきた。
時代はローバル
しかし、2022年2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵略戦争に対応する世界各国の反応からすると、むしろ時代はローバル〈lobal=local + global〉に急速に移行しているように思われる。
なぜなら、United Nations(連合国=国連)という「世界包括主義」では動きが取れず、G7、G20、NATO、ASEAN、QUADそして2022年5月23日に発足したIPEF、加えて二カ国間の同盟などが乱立する「地域結束主義」が台頭する情勢にあるからである。それにローバルやローバリゼーションと命名した。
ますます多様化したコミュニティ研究
社会学では「社会システムとしてのコミュニティ」論が台頭する一方で、細かな制限を付けての調査が続いている。
たとえば、地方都市での少子化をテーマにしても、ある中学校区の子育て支援センターに集まった親子づれのうち数名から十数名の範囲で、そのライフスタイルを細かく尋ねて、子育ての大変さや自治体による支援内容の評価、満足度、希望する支援内容など聞き取り、それを論文にまとめる人がいる。