つまり日用品類です。
こういった商品は、市場にいる大多数の顧客が買います。だから顧客を絞り込まないのが正しいのです。
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でも「顧客は絞り込むな」が結論だと、なんかモヤモヤしますよね。
実際、市場全体を広く狙って目立つ広告で商品をバンバン宣伝しても、イマドキはまったく売れません。
そこでターゲット顧客を絞らずに、きめ細かく様々な購買状況を確実に捉える戦略を考えるべきなのです。このことは、セブン・イレブンを見るとよくわかります。
セブンはコンビニで様々な商品を売ってますが、他にもいろいろやってますよね。
「何か食べたい」という人に、弁当やサンドイッチを売っています。 「料金の支払いをしなきゃ」という人のために、収納代行サービスを提供しています。 「お金をおろさなきゃ」という人のために、セブン銀行も作りました。 「コーヒーを飲みたい」という人のために、セブンカフェもやってます。 「役所に行くのが面倒」という人のために、行政サービスも始めました。
このように「何か食べたい」「料金の支払いをしなきゃ」「お金をおろさなきゃ」「コーヒーを飲みたい」「役所に行くのが面倒」といった商品やサービスを買う状況のことを、マーケティングでは
カテゴリー・エントリー・ポイント(以下、CEP)
と呼びます。CEPとは「お客様が買う状況」のことです。
ここで改めて…
「何か食べたい」 「料金の支払いをしなきゃ」 「お金をおろさなきゃ」 「コーヒーを飲みたい」 「役所に行くのが面倒」
…をよく見てください。
これらは異なるターゲット顧客ではありません。同一顧客であることが多いのです。ただし、同一顧客の「買う状況」が異なるのです。
つまり、市場にいる顧客全体をターゲットにした上で、様々な「お客様が買う状況(=CEP)」をキッチリと抑えることが、現代のマスマーケティングでは大事なのです。
さて、こうなると「じゃあ顧客ターゲットは絞っちゃダメなんですね」となりそうですが、もちろんそれは違います。ターゲットを絞らなければいけない場合は、ちゃんとあります。