この研究からわかるのは、社会階層の違いは、ただのお金や学歴の問題ではなく、人との関係の作り方にも影響しているということです。

そして、リラックスした会話ができても、それだけでは「仲良くなった」とは言いきれません。

もちろん、この研究はアメリカの特定の地域だけで行われたものなので、文化や国が違えばまた別の結果になるかもしれません。

けれども、この研究は、社会の中にある目に見えない「階層の壁」が、どんなふうに人の心や体に影響しているのかを教えてくれる大切なヒントになっています。

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元論文

Socioeconomic Status Shapes Dyadic Interactions: Examining Behavioral and Physiologic Responses
https://doi.org/10.1177/09567976251350970

ライター

川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。

編集者

ナゾロジー 編集部