チャート:週当たり平均労働時間、7月は改善

(出所:Street Insights)

〇総労働投入時間、民間の総賃金

総労働投入時間(民間雇用者数×週平均労働時間)は民間の就労者数の伸びと週当たり労働時間が前月を上回ったため、前月比0.4%増と前月の0.2%減から改善した。

民間部門の総賃金(雇用者数×週平均労働時間×時給)は、賃金の伸びが前月を上回っため前月比0.7%増と前月の微減から改善した。前年同月比は5.3%増、9カ月ぶりの低い伸びだった前月を上回り3カ月ぶりに5%台を回復。不法移民の労働力人口の減少や、採用抑制に伴う賃金上乗せなどが影響したとみられる。3カ月平均は4.9%増と、2カ月連続で5%を割り込んだ。

チャート:民間部門の総賃金、前月比と前年比ともに上昇

(出所:Street Insights)

〇失業率、労働参加率、就業率、不完全就業率、長期失業者

失業率は4.2%と市場予想の4.2%と一致し、前月の4.1%から上昇した。四捨五入前では4.248%と、年初来で最も高く、2024年9月のFOMCでの利下げのきっかけとなった、同年7月の米失業率4.3%に肉薄した。労働参加率が62.2%と22年11月以来の低水準となり、職探しをする失業者が減少した可能性がありながら、弱含んだ格好だ。また、家計調査での就業者が同26.0万人減だった一方で、失業者数が同22.1万人増となり、失業率の上昇につながった。

チャート:失業率の四捨五入前の推移

(出所:Street Insights)

失業率は上昇したものの、サーム・ルールは発動せず。サーム・ルールとは、直近3ヵ月間の失業率の移動平均と過去12カ月間の最低値の差が0.5pt以上なら、景気後退入りするとの説だが、7月の失業率は4.2%へ上昇も、移動平均と最低値の差は0.1ptへ低下した。

チャート:サーム・ルール発動の水準には遠く